「新ロードス島戦記 序章 炎を継ぐ者」作:水野良 出版社:角川書店

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★はじめに

魔神戦争、英雄戦争、邪神戦争、三つの大戦を経てロードスはついに連合した。

マーモ帝国は滅び、敵対する国もなく。

王達の集まるサミットが開かれ、争いは円卓上で終結するようになった。

しかし、マーモだけは未だに不穏な空気が漂っている・・・・・。


マーモはフレイム王国に属するマーモ公国として復興の兆しを見せ始めた。

しかし、マーモ帝国の遺志を継ぐ者は地下に潜み、

公国を打倒し帝国を再建する事を本懐とし暗躍していた。


ロードスという名の島がある。

呪われた島と呼ぶ者はもはや誰もいない。

ただ一ヶ所、ロードの南に浮かぶ暗黒の島マーモを除いては・・・・・・。


というわけで、新ロードス島戦記の開幕です!。時間軸で言えば伝説→戦記→新、となってます。

邪神戦争終結の功労者となったスパークたちはマーモに残りました。スパークだって腐っても炎の部族の族長です。

王位継承権は第二位、公国の公王に封じられることもあるでしょう。


マーモがどれだけ異端の島か、クリスタニアを読んだ今は分かる気がします。

破壊の女神カーディスの地といっても過言ではないです。カーディスは終末のものの一つ、他の神々とは異なる存在です。

これほど終末のものの力が強い土地はそうそうありません。クリスタニアでいえば魔神獣のいた土地なんてそうかもしれませんね。


暗黒の島に飲まれず、目を背けず
、我らがスパークは挑みます。

とはいっても今回は序章、前座と言うか、先遣(さきやり)というか。

新に繋がる4つの物語、本編に入る前に浸かっていくのもいいでしょう。

今回は美樹本先生が描かれている新装版の方で描きますね。


T 炎を継ぐ者

★1

最初から表題作です。時は新王国暦508年、舞台は風と炎の砂漠。

エフリートを開放する4年前です。丁度スパークが生まれて間もない頃でしょうか、

炎の部族風の部族の永い戦いは終わりを迎えようとしています。


ルーファス、いやさカシュー陛下が風の部族の王になり、炎の部族の族長ダレスを討ち取った直後です。

そこでダレスの娘、ナルディアが族長として立ちました。

ナルディアの従弟のスパークが族長の地位につけるようになるまで、彼女は炎の部族を守らなければいけません。

細かい事情は「炎の魔神」に譲るとしましょう。それとこの年はスレインがザクソンに移住した年だったりします。


この時ナルディアは14歳のはず。全くの子供とはいえませんが、1つの部族を背負うのはやはり重いでしょう。

かといってナルディア以外に族長の位につける人がいませんもんね。族長家の生き残りはナルディアとスパークだけだし。

炎の部族は結構人口は多く10万人もいるらしい。オアシスの町ヘヴンを追い出された今となっては、食べていけるかどうかも怪しいです。

数年でこの状態から部族を立ち直らせたんだからナルディアの功績はやはり大きい。


ダレスは以前からファラリスの神官戦士を招いて戦ってました。もちろん戦力になります、回復魔法も期待できる。

ところが戦力が多少増えても敵はもっと増えました。このままでは神聖王国ヴァリスも参戦して完膚なきまでに部族は叩かれます。

後にパーンをヴァリスの聖騎士として丁重に扱ったのもそういう背景があったからです。


★2

そんなわけでナルディアはファラリスの信者たちを追放する事を宣言します。

部族内では反論もありますが、ナルディアの理論を看破するほどでもない。この時点で既にロクな参謀もいないらしい。

ナルディアを助けて知恵を貸そうというヤツはいないんだろうか。


ファラリス神官戦士団のリーダー格である闇司祭エズードは一見穏やかです。

ナルディア「働きには、不満はない。存在そのものに不満があるのだ

ナルディアも言い方キツイ、存在そのものを認めない宣言です。これがエズードの憎しみを買うようになっていくのです。


一方フレイムのカシュー陛下の政治は巧みです。マーニーやローラン、ライデンとも結びついて経済も潤そうとしています。

傭兵、剣闘士、冒険者を経てついには王様。サクセスストーリーもいいとこです、太閤記みたい。

炎の部族はといえば戦士たちの誇りの高さがかえって部族を追い詰めてます。

カシュー陛下の和平を願う親書もふざけんなよ扱いです。


親書の内容は、『フレイム王国は、この砂漠の地方に生きるすべての住人のために建国した王国である』。

風の部族はとかく、カシュー陛下はそれが本意だと思います。なんとかして和解出来ないものかとね。

でも両部族の禍根は思いの他根深い。和平するぐらいならいっそ誇り高い戦死をというイデオロギーとなっています。

まぁ民族としての尊厳もかなぐり捨てて犬のように尻尾を振るよりはマシですがね。


これを見る限り4年後の戦いと結末があればこそ、炎の部族はフレイムを受け入れられたという気がします。

あるいは逆、フレイムが炎の部族を受け入れられたのかも。

かくして部族の意思は決まりました、ファラリスの教団とは決別しフレイム王国と戦うと。


ナルディアは教団へ部族の宝を渡す事で手を引いてもらいます。

さらにローランやマーニー、アラニアやヴァリスへ教団との決別を告げる使者を立てました。

もはやこの戦いに首を突っ込む義理はなくなったはずです。随分と慣れた手並みですね、1人で外交もこなしてきたんでしょうか。


ナルディア「刃を交えぬとも、毎日が戦なのだ」

常在戦場の心構えなしでは、族長なんて勤まらないのかもしれない。

ましてナルディアはまだ若い、誰よりも気丈に振舞わなければいけません。


★3

翌朝、エズードがスパークを誘拐して部族内は騒然となります。

スパークは炎の部族の未来そのもの、まさに部族の宝です。

しかも"砂走り"の生息地へ一直線らしい、殺す気マンマンですね。流石は闇司祭、エゲツない事をします。


ここで"砂走り"について。

「炎の魔神」でも大活躍?した砂走りはデザートダイバーとも呼ばれ、巨大化した羽虫の幼虫です。

元々は雨季に一斉に孵化するはずが精霊力の乱れによってそれも出来なくなりました。

そのまま成虫になれずに巨大化して今に至ります。可哀そうなものですが、非常に危険な存在でもあります。


砂に潜って移動し、得物を捕食します。外見はムカデみたいな感じですね。

夜行性で、巨大な顎も持っていて、全長5メートルにも達します。彼らの貴重な脱皮シーンは新ロードスの2巻で読めます。

モンスターレベル6となかなかの強敵です。そのレベルの割りに高く打撃点は18点!

アイアン・ゴーレムの拳が19点ですからね。中堅冒険者でも死ぬ可能性があります。


もちろん、赤ん坊なんてひとたまりもありません。即座に死ぬと書いて即死でしょう。

赤ん坊の柔らかい体はさぞ"砂走り"好みでしょうよ。

大急ぎで駆けつけてきたナルディアと対峙しても、その捻じ曲がった根性は折れません。

本気でナルディアに仕返しをするつもりです、子供かお前は。


斬りかかったナルディアへは"ブラインドネス"?をかけます。

何故かというと、接触する必要がある魔法なので不自然なんですよ。ちなみに視力を3分間奪う2レベルの暗黒魔法です。

この状態では攻撃、回避共に−4もの修正を受けます。ロクに戦えないでしょうね。


でも、ここでは呪いの一種と書いてあります、もしかして5レベルの"カース"?

生命に直接別状のないペナルティーという条件もクリアしてはいます。

でももしそうだったらエズードが死のうが時間が経とうが魔法は解けませんし、これも接触が必要です。


もっと気になるのは、エズードは足とか腕とかピンポイントで麻痺させてるんですよね。

"ポイズン"だとしたら一度かければ全身麻痺しますし、その際の接続時間は12時間です。ナルディアはすぐに復活したから違うかな。

では8レベルの"クリップル"ではどうでしょう。この魔法は呪いだから自然回復しないのでやっぱり違う。

その上視力のみを奪おうとすると頭そのものが麻痺しますし。


"ブラインドネス"は触らないとかけられないし、"カース"はその上自然に治らない。

"ポイズン"は時間がかかるし、"クリップル"は自然治癒しない上に効果にも無理がある。

エズードは魔法を使うたびに無理が生じるらしい。

多分水野先生としては、視力を奪ったのは距離を無視した"ブラインドネス"で、

麻痺させたのは自然治癒する"クリップル"としたいんでしょう。多少の無理は気にしない方が勝ちかもしれない(苦笑)


腕の自由だけは根性で抵抗しきったナルディア。腕が動く事は隠し、ひたすらに勝機をうかがいます。

ろくに自由が利かないのに色んな意味で危険な男が歩み寄ってくるわけです。ナルディアもいい根性してますよね。

まるで五感を失いながらも逆転ドローに持ち込んだ鳳凰座の聖闘士みたいです。

スパーク「やっぱり来てくれたんだね兄さん姉さん!」(笑)


エズードはトドメは刺さず、ナルディアの胸をスケベ心で揉みだします。

結局はそれが命取り、覆いかぶさった所で滅多刺しにされてエズード死亡。

敗因:スケベ心、と書くとこの上なく情けない。


★4

スパークを助ける為にナルディアは"砂走り"の群生地へ飛び込んでいきます。

砂走りは姑息なナマモノでして足音を頼りに襲ってきます。相手が多いと悟ったら出てきません。

赤ん坊が泣き出せばソッコーマッハで狙ってくるでしょうけどね。しかし、スパークはそんなナルルンの心配も他所に熟睡(笑)

こんな時から根性太かったんですね、流石は未来のマーモ公王です。馬鹿なのか大物なのか分からない。


駆けつけてきた戦士たちと共に、砦へ引き返してこの件はお終いです。

この4年後、炎の部族はアズモの操るエフリートの力で戦況をひっくり返します。

ナルディアは、自らの身をエフリートの残り火に投じて部族の未来をカシュー陛下へ託します。


その後、もう一つの炎の上位精霊であるフェニックスに転生したとかしなかったとか・・・・・・。

でも私は、不死鳥となったと今でも信じています。なにしろ彼女は鳳凰座(フェニックスナルディアだから(笑)


U 魔獣の森

★1

英雄戦争から5年。アラニアでパーンやスレインがまだ独立運動に勤しんでいた時代。

アラニアの森に住む魔獣使いのエレーナの物語です。

セシルは独立を勧める為にとある村を尋ねました。その帰り道、彼は一匹のマンティコアと遭遇しました。

その時彼は剣を選びました。流石は武闘派魔術師、リウイと似たような行動パターンです。


ワールドガイドによればセシルは5レベルのソーサラー/セージでファイターも3あります。

導師級の魔術は見につけるんですね、その上そこそこ戦えます。

大陸ならば冒険者として大成する事も可能と言える位の実力です。

でもマンティコアって結構強いですよ、6レベルですし。その上この時点でも5レベルとは限りませんしね。

仲間に戦士がいればなんとかなるかもしれませんが、魔術師一人だとちょっとね。


戦闘になるかと思いきや、その場に現れたのは一人の女性魔術師エレーナでした。

彼女は恐らくは世界で唯一人魔獣支配の秘術を修めた魔術師だったのです。

エレーナはこの時点で18歳になるそうです。セシルは22になりますから、やや年下です。

しかもエレーナは飛び切りの美人です。普通の男性なら「メルヘ〜ンゲット〜〜!!」内なる心が快哉を上げているでしょう。


しかしセシルは良くも悪くも普通の男性ではない。

女の子のような容姿を気にしているせいか、どうも言葉遣いや性格が男臭いです。

それでも見た目は美しいせいで微妙にアンバランスです。魚座の黄金聖闘士みたいですね(苦笑)

本気になればきっとモテます。それにしてもこれまで女性とお付き合いした事はないんですかね?

恋をした事はあるかもしれませんけど、セシルの性格からすると気づかなかったとか。


マンティコア本人は戦いたがってますが、エレーナに支配されている身では自由に動けません。

セシルも冷静に相手の言動を見れば無視して通るべきだと結論出来たでしょうね。

でもモンスターを前にしてクールになれないのが普段のセシルです。美形のくせに熱血系、車田漫画に出てきそうな男です。


エレーナ(とマンティコア)と別れ、ザクソンへ帰還したセシル。

火竜山での戦いの少し前の事なのでまだパーンもディードも村に居ます。

それにスレインとレイリアさんとまだ幼い小ニースも居ます。これはザクソン・ファミリーとでも言うべきかな(笑)

ほとんど家族ぐるみの付き合いなのがアットホームで素敵です。一度そういう日常の風景を扱った小説を読みたいものです。


スレインが小ニースに本を読んであげている穏やかなひと時。きっとスレインにとったら至福の時でしょう。

スレインは可愛い娘綺麗な奥さんがいて後に一国の宮廷魔術師になるんですよ。

絵に描いたような幸せな家庭です、一見ね。ニースとレイリアさんの業を思うと複雑です。


しかも、読む本はチミッコの喜ぶ昔話ではなく古代書です(笑)。その辺がなんかズレてる親子ですね。

ニース「崇高なる魔法王ファーラムは仰せられた。我が王国に従わぬ蛮族どもに、魔術の偉大さを知らしめよ

なんて空で言ってますが、言ってる内容を分かってるんでしょうかね?


カストゥール最後の王ファーラムは穏やかな男だと思ってましたが結構な事も言うんですね。

下位古代語かな?。多分言語を習得しているわけじゃなくて、繰り返している内に覚えちゃったとかいうタイプですね。

ニースはこの時3つぐらい、利発なお子さんで・・・・・・。


もうちょっと選んだら方がいいと思いますけどね。もう少しロマンのある遠い国の様子を書いた本とか。

中国の「山海経」だって各土地の様子を描写しているガイドブックのようなものなんです。

各地に妖怪が居るという微妙な内容ですし、チベットに至っては怪獣王国扱いです。古代書にだって似たようなものがあると思いたい。


パーンに至ってはなんて言っているか分からないらしい。

普通だったら3つの子供に教養で負けてたら劣等感を抱くものです。でもパーンは純粋に小ニースを褒めています。

なんかそれでいいのかな〜と思いつつやっぱりパーンはカッコイイです(苦笑)


★2

魔獣支配の秘術を発見し、復元したのが今は亡き大魔術師グージュルミン、エレーナのお父さんです。

あのラルカス学長の友人にして右腕と言うぐらいです、きっとレベルの高い魔術師だったんでしょう。

魔獣支配なんてある意味反則な魔法を習得する人ですから下手すれば8や9じゃ済みません。

結局、学長とは話が合わずに学院を自主的に出てしまいましたが。


その時付き従った弟子がランディスという男です。エレーナより五つ上、ということは23になるんですね。

エレーナにとって彼は大好きなお兄さんであり、恋心すら覚えていた相手です。

魔獣支配の秘術は若いランディスには魅力的に見えたんでしょう。

野心を抱き始めたランディスは追い出され、マーモに渡りバグナードの教えを請う事になります。

それ以上に悲惨なのはエレーナです。久々に帰ってきたランディスに身体を委ねたのも心底嬉しかったからでしょう。


ランディスの目的は魔獣支配の秘術です。それだけでなくエレーナを一人の女性として連れ帰りたいと思っていたようです。

ランディスは今では宮廷魔術師の第五席に位置しています。主席はバグナード、次席はグローダーですからね。

第五席というのは紛れもなく、バグナードの高弟になるんです。


しかも、彼は"ディスペル・オーダー"や"テレポート"を使っていましたから多分7レベルでしょうね。

"ライトニング・バインド"ではなく、"ブレード・ネット"を使ってましたし。

精神力を温存する為にあえてランクの低い魔法を使った可能性もあります。それでも彼は7レベルぐらいで居て欲しい。


彼がマーモでの軍事的目的に秘術を利用しようとするのではなく、

もしもエレーナを妻とする事だけが目的だったらアッサリとついて行ったかも知れない。

秘術を捨て、何処かの街で私塾なんかを開いて暮らす。ランディスが野心を捨てることができたら、そんな未来もあったかも。


ランディスは"ディスペル・オーダー"でエレーナの命令を解除していきます。

どうやら協力を拒むエレーナを揺さぶりにきたようです。"ディスペル・オーダー"で魔獣支配の秘術を解除して。

魔獣を暴れさせてエレーナをこの土地から追い出そうとしています。


ここで、魔獣支配の秘術について。

使い魔を仕立てる"ファミリアー"は一体だけが限界でしたが、エレーナは複数の魔獣や幻獣を使役しています。

ネコやカラスとは全然レベルの違う幻獣や魔獣を複数使役するなんて神業です。多分超強力な"ファミリアー"といった所でしょう。

意識を触手のように伸ばし、対象の精神に触れ名前を与える事により使役完了です。

名前を与えるという所は興味深いです。ナシェルは風竜ワールウィンドに名前を与える事で心を掴みました。

竜だって、その辺の魔獣だって、名前は特別なものなのかもしれません。


召喚と命令について。

召喚の定義は特定のなにかを空間を越えて呼び寄せ使役する事です。そして召喚系の魔法はどれも非解除です。

"パーフェクト・キャンセレーション"なら魔法を解除して送り返せます。

あとファリスの特殊神聖魔法"バニッシュ"でも元居た場所へ追い返せます。


そして使役すると言う所ですが、それって命令を与えると言うことですかね。

その命令を解除する"ディスペル・オーダー"は基本魔術です。そしてそれによって解除できる「命令を与える魔法」の系統はバラバラです。

"コマンド・ゴーレム"は基本魔術で"ギアス"は精神魔術です。古代語魔法だけでなく神聖魔法である"クエスト"まで解除できます。

付与魔術で生み出される竜牙兵は解除したら竜の牙に戻ります。


では魔獣支配の秘術は何の系統に属するか、それは恐らくは統合魔術でしょう。

秘術は色々な系統の要素があって単独の系統魔法ではないと思うんです。

召喚は全て非解除らしいので、解除出来る限りは召喚に属する魔法ではないはず。


故に召喚魔術の"ファミリアー"は"ディスペル・オーダー"では解除出来ません。でもそれに似た魔獣支配の秘術は解除出来るんです。

そして魔獣支配の秘術は魔獣を呼び寄せる事は出来ますが、空間を越える事は出来ません

秘術は召喚であって召喚ではないのです。あくまでも呼び寄せて命令を与えるのが魔獣支配の秘術です。

つまり、単純な召還魔法ではなく"ギアス"みたいに命令を与えるという面も強い魔法という事です。

呼び寄せ自体は召喚魔術を少し使っているけど、命令は精神魔法とかなら納得出来ますかね。


★3

ナダールの村へ来たパーンたちの前にはキメラが立ちはだかっています。

もちろん元エレーナ・プロダクションの一員です。既に子供をてにかけ、始末しないといけない状況です。

キマイラは5レベルまでの暗黒魔法が使えます。"ウーンズ"で攻めるキマイラにディードの"ミュート"がかかり、接近戦へと移行します。

あくまでも《防御専念》なパーンが抑えているうちに魔法で攻め、弱ったところで攻勢に出たパーンによってキマイラは息絶えました。


パーンはキマイラに一対一じゃ勝てなかったとか言ってます。

でもヴァンの十聖剣の1つ"サプレッサー"を持っていて、リウイを子ども扱いしてましたよね。

それは未来の話だとしても直後にシューティングスターと戦う身なのに、キマイラ如きに手こずるのは不自然だと思います。

この村は、果たして独立できるんでしょうか。キマイラに怯え、戦う勇気を搾り出す事もままならない。

スレインの言うとおり、自分で自分を守るのが独立という事です。


★4・5

エレーナは魔獣をなんとか静めようと、必至に糸を伸ばしていました。

これって、どれ位の範囲を探れるんでしょうかね。"サモン・レプタイル"は無限でしたよ。


エレーナはランディスと対峙しても、本気で殺しあうなんてできません。

"ルーン・ロープ"でランディスを無力化しようとしてましたから、エレーナって6レベル以上の魔術師ですよ。

しかし、ランディスの方が魔法に関しては一日の長があります。"スリープ・クラウド"を拡大してかけられエレーナはお寝んねです。

さすがはランディス、実戦慣れしていますね。無力化を狙うなら低レベルの魔法を達成値を上げてかけた方が効果的です。

完全版が出るまでは無限拡大可でしたけど、今は制約があります。ランディスが7レベルだとしたら達成値+4までが限界です。


駆けつけてきたセシルも"ファイア・ボール"の一撃であっさりバタンキュー。

ちょっと情けない王子様ですね。彼には白鳥座の聖闘士の面影を感じます(笑)

そこへ例のマンティコアが現れました。エレーナを食う為にわざわざ帰ってきたらしい、執念深いですね。


ランディスが咄嗟にかけた"ブレードネット"にマンティコアは拘束されました。

勝ったか!と思ったら目を覚ましたエレーナに気を取られます。その隙にマンティコアの爪がランディスの胸を抉りました。

死闘の最中に気が散るというのは死亡直前キーワードです。サウンドノベルでは死ななかったのにね・・・・・・。

エレーナを庇ったのは秘術を守る為?それとも女性として?。今となっては分かりません。


マンティコアは復活したセシルがトドメを刺しました。ちゃっかり"カウンター・マジック"をかけていたらしい。

今回一番の見せ場ですけど、ランディスに食われ気味で少しホロ苦い。

エレーナは本当にランディスを愛していたんですね。骸にすがりついて泣きじゃくる姿は哀れです。

父を放逐し、兄を奪い、自分を縛る秘術。もはや存在そのものが呪いのようなものと認識しているんでしょう。


でも、魔法そのものに良いも悪いもないと思いますよ。全ては秘術ではなく、秘術に固執した人の脆さではないでしょうか。

エレーナを縛るのは秘術ではなく、彼女自身です。これから10年ほど後、彼女はマーモに渡りその力を遺憾なく発揮します。

同じマーモでもランディスの誘いとは違います、マーモの人々の為にです。


V 暗黒の島の領主

★1

今度は前の二話と違って邪神戦争後のお話です。新ロードス島戦記のマーモ公国側のエピソード1的な作品です。

この時はまだスパークはマーモの公王様ではありません。それでも、成人しているので炎の部族の族長と言ってもいい立場です。

公爵位を与えられ、もちろん王位継承権まである。なんともロイヤルな主人公です。


王家に縁のある主人公と言えば、あとリウイやレードンなんて思い出しますね。

リウイは王族らしくないですし、レードンも放逐同然でクリスタニアへ行ったきりですけど。

スパークだって、生まれた時から大国の王子様だったわけではありません。それでも身分の高さは付きまとっていました。


この時点での統治者であるシャダムはフレイム本国へ帰ったきりになりますから、遅かれ早かれ公王様ですね。

カシュー陛下はといえばシャダムの妹と結婚しました。両部族の出身者を親族に入れて融和を図っているんでしょう。

ではスパークはどうでしょうね、一体どうするつもりなのか。


マーモの王都は伝統的な名であるペルセイと呼ばれていました。

そしてダークタウン(翳りの街)とも呼ばれていましたが、今はウィンディスと改められています。

王城もコンクァラーからウィンドレストと改名され、帝国の影を払拭しようとしているかのようです。

過去多くの人が住みちょっとしたダンジョンよりも複雑な作りをした城です。

数多くの隠し部屋・通路があり、全てを把握するのは難しい。子供でなくても迷子になりそうな城ですね。


それでも、兵士たちはちょっとしたボーナスをエサに次々と見つけています。

どっかのバラエティ番組みたいです。『ボーナスを手に入れろ!チキチキ城内大探索大会〜〜!


ここでマーモの歴史ですが。

カストゥール崩壊時、カーディスを信仰する部族の女族長にして最高司祭でもあった"亡者の女王"ナニールが大きな権力を持っていました。

この時にコンクァラーの基礎ともなる砦が建てられます。

その後アラニア建国王カドモスらにナニールが封印され、闇の森へ逃げ込み蛮族化します。


そして200年以上前にカノンの貴族であったブルネイがついにマーモの統一に成功します。この時にコンクァラーが建設されました。

しかし新王国暦285年、配下の騎士たちに裏切られ、隠し部屋に潜伏しながら息を引き取り、そのまま国は分解します。

新王国暦500年にベルド陛下がマーモを統一し、525年の邪神戦争までマーモ帝国は存続しました。

そして526年現在、マーモ公国が建国されました。初代公王はスパークです。(シャダムは正式な公王ではなかったようです)


ここで考えたいのは、ブルネイにしろベルド陛下にしろ、恐怖政治を用いていたという事です。

ベルド陛下はその圧倒的なカリスマ性で国を引っ張りました。

冒頭には反逆に遭うブルネイのシーンがあります。結局は裏切られて衰弱死という未練の残る最期を迎えます。

近衛騎士に裏切られるようになったら王権は失墜したと思っていいですね。

ブルネイは3人の娘婿が助けてくれると信じていたようですけど、

王位を巡って争っているところに蛮族や黒エルフの襲撃を受け、ブルネイの建てた王国は崩壊しました。


閑話休題、現在の話。そんなドロドロとした歴史の遺産、隠し通路を発見した兵士Aの報告を受けます。

これこそがブルネイの隠し通路です。スパークは自ら探索しようとしますが、1人は無茶ですよ護衛の人間も連れてかないと。

ていうか王様が探検に出ちゃ駄目です(苦笑)。そういう時の為に部下がいるんですよ。まだ王様としての立場には慣れませんね、やっぱり。


白骨死体が動いたらしいし、アンデットが出るかもしれません。

「マーモで死んだ人間の中には、不死生物となって蘇る者がいる」といいます。

別にマーモでなくてもアンデットにはなりますけど、比率が高そう。これもある意味特産物ですね。(いらん)

その為にマーファ教団もちゃんとこの島にきています、もちろん小ニースもね。

スパークは皆にからかわれながら地下神殿へと向かいます。本当は行きたかったくせに、ていうか本当に王様か?(苦笑)


★2

地下のマーファ神殿、フェリーナ司祭に任された暗黒の島初のマーファ神殿です。

小ニースも今年14歳、そろそろ結婚適齢期ですか。スパークは18歳になりますしね。

黙々と働き続けるニースに、スパークと一緒に出かけてくるように言うフェリーナ司祭は優しい人ですね。

優しさや愛が根本となる暖かさを感じます。ニースが慕うのも当然ですね、大地母神の司祭らしい女性です。


ニースはスパークを見るや「普通の服も持っていたんだわ」と思考。そこか、もっとツッコム所あるでしょう?

もしかしてスパークって家でも学生服を着るような男なんでしょうか(笑)。ニースのスパークに対する認識が実に微妙です。

1年前、大冒険と絵に描いたようなロマンスを共有した二人なんですから、胸をキュンとさせてもいいでしょう?(無茶な)

フェリーナ司祭もスパークの事を「若城主様」なんて呼ぶものだから紛らわしい。いくら王位継承権が第二位だからってねぇ。


大きなスパークを見上げる小柄なニース、絵になりますね。

リプレイによれば、レイリアさんは身長165だそうで女性にしては高いですね。

スレインはT&Tのキャラデータによれば177だそうです。

でもニースは小さい、血が繋がってないのに祖母に似ましたね。DNAってなんでしょうね(笑)

なお、レイリアさんの3サイズはB85・W60・H90だそうです(笑)


★3

そんな若い二人はウィンディスの街をブラ〜リと歩きます、2人とも年頃だしね。

これって、世間一般から見たらデェト?(笑)。でも街中の市も活気がない。

闇市でももう少し賑やかなものですけどね。内気な中学生が文化祭で店番をやっているみたいです。


何しろ生産力がない、活力がない、金もない。

「人はパンのみに生きるに非ず」といいますが、裏を返せば「パンなしでも生きられない」ということでもあります。

そしてマーモはパンもパン以外の大切な物も欠けているようです。生きる強さや活気がないんです。


今までは収奪が厳しかったせいですかね、仕事なんてやってられるか〜って感じです。

そんなマーモを変えられるんですかね、スパークは。出来そうな気はするんですけどね。

貴族「である」だけではダメです。貴族にとって成すべき事を「する」ことで初めて爵位は生きてきます。

「である」ことに安住して本来「する」ことを怠る者は権力を持つべきではないと思います。


建物と建物の間の狭い道にたむろする若者たちと遭遇しました。

彼らは人を殺すことなんて当然のようにするダークタウンのチンピラです。

そういう意味では2人は某国のダウンタウンに迷い込んだ日本人アベックみたいですね。


ニースはそんな彼らにいきなり説教を始めます。憤りでも悲しみでもなく、僅かな笑みを浮かべて。

更には"フォース・イクスプロージョン"!!。自分を中心に衝撃波が放射状に放たれます。

決して某双子座の聖闘士"ギャラクシアン・エクスプロージョン"ではありません(笑)

ニース「見ますか?星々の砕ける様を・・・・・」


半径10メートルが効果範囲だそうですから、スパークも巻き込まれそう。

しかも打撃力は30!最高レベルの攻撃魔法ですよ。凄い事するねニース、よく死人が出なかったもんです。

ニースの魔力が12ですから、期待値では19点ぐらいですね。本当によく死にませんでしたね。

魔力を縮小したとしてもちょっとしたケガですよ。ニースはスパークに腕を絡めその場を去ります、明らかにいつものニースじゃない。


ニース曰くもし中途半端に接していたら、スパークは悪ガキどもを斬り殺さないといけない状況になっていたらしいです。

行き場のない活力を無駄に垂れ流しているだけだと言いたげです。

やるべきことを見つけられたら、大人たちよりも立派になるかもしれませんね。


「己の信仰心が本物ならば、どんな人間でもその言葉には耳を傾けるものだ」と言いますが実際そうは上手くいかないものです。

それじゃ済まない相手に対する実践的な説教だったのかもしれませんね。

マーモでは法だけで秩序を維持する事は無理なのかもしれません。

マーモでなくてもそういう時はありますが、「法は秩序を維持する手段の一つに過ぎない、時にはそれ以外の手段も必要になる」


それにしてもニースも変わりましたね。なんというか、生き急いでいるようであり、サバけたようでもあって・・・・・。

ハッキリと掴めないんですよね、対峙してみると。彼女の心中はどうなっているのやら。

運命に屈したようであり、抗っているようでもある。使命に向かって邁進しているようであり、停滞しているようでもある。

明るくなったようであり、無理しているようでもある。


161・162ページの言葉は全て大切に思えます。

そして迷いの消えたニースがある決断を下した、って何でしょうね?

フィオニスと関係があるんでしょうか?


★4

そんなこんなで何日かして、ギャラック帰還。グリーパスやライナも登場したりで勢揃いです。

スパークはあくまでも1人で行くつもりです。相変わらず無謀ですね、シーフ技能もなしに隠し通路に入るのは危険ですよ。

スパーク「大勢連れてゆけば、秘密にならないだろう?」

それはそうですけど、別に秘密にするような間柄じゃないですし


隠し通路は塔の上にある見張り台の下の空間に繋がってます。それぐらい察しがつきそうですけど。

通路は一見行き止まりのようであり、実はどんでん返しになっている芸の細かさ。この奥こそが冒頭でブルネイの隠れた隠し部屋です。

でも隠し通路にどんでん返しは要らないと思いますけどね。

隠し通路を見つけている時点で何かあることを公言しているようなものですし。

通路が見つからないようであればどんでん返しを設置する必要もない。見つかったらどんでん返しが見つかるのも時間の問題。


しかもどういう訳だか外側からしか開かないときたもんだ。これってもしかして閉じ込める為のものだったんじゃ・・・・・。

自分で出れないんじゃ隠れてもしょうがないでしょう、誰か来なきゃ出れませんし。

隠し通路が見つかっている時点で潜伏するのは無駄ですし。本当に何がしたかったんでしょうねブルネイは、試したかったとか?


ブルネイはファントムになっています。すっかり200年前から時が止まっているようです。

霊体の時間間隔は曖昧ですが、説明したら理解してくれるぐらいには正気だったようです。

それすら分からないほど自我が崩壊している事も稀ではないのにね。果たして本当のことを話すべきかどうか・・・・・。

でも、ブルネイは事実を受け止めるだけの平常心を持ち合わせていたようです。


スパークが魔剣で介錯しようとしますが、もしかしてファントムじゃないのかな?

もしファントムだったら魔剣なんて効きません。でもスパークの事です単純に知らなかったということもあるかもしれません。

未練が晴れたのか手を下すまでも無く成仏したようです。そっちの方がいいですよ、"イクソシズム"だと消滅しちゃうし。


スパークもブルネイのようにこの島の安定を望みます。この島の未来なんて、今はまだ分かりません。

でも、スパークには彼を助けに来てくれる仲間がいた。それだけは違うようです。

勢いあまって全員閉じ込められたら面白いのにね(笑)

とにかくスパークは仲間たちと一緒にこの島で戦うようです。数日後、スパークは正式にマーモの公王となりました。

きっと苦難の日々でしょう、でもスパークたちならやり遂げそうです。


W 生命なき者の王

★1・2

いよいよトリです。ノーライフキングと化した"黒の導師"バグナード登場です。

生命なき者の王(ノーライフキング)………。

それは死霊魔術によって誕生する最強のアンデットです。俗に言うヴァンパイアというやつです。

フォーセリアでは「バンパイア」ですけど、その辺は好みでいいと思います。


私はアン・ライス女史のヴァンパイア・クロニクルシリーズが大好きです。

だからヴァンパイアにはちょっとうるさいですよ。(どうでもいい)

その目から見ても今のバグナードはとにかく強い、圧倒的に強い。


魔法の力は10レベルのソーサラー/ダークプリースト。(平均)

しかしバグナードの場合は生前持っていたファイター1、ダークプリースト3のままです。

古代語魔法によってなるわけですから暗黒神の寵愛を受ける必要はないんです。

こういう所が普通のバンパイアとは違うんですね。つまり接近戦に持ち込んで殴りあいになれば有利ですね。

ただし触られたら精神点を取られます。魔法合戦では分が悪いし、白兵戦だって楽じゃないけどそっちの方がまだマシ。


ノーライフキングの出る本は微妙に多い。

シナリオ集の「流星落ちる時」ではルテジア。「魔法王国カストゥール」ではアルヴィンス・デラクロス。

「ハイエルフの森」ではサルバーンなんかが出ています。確認されているだけで4人目ですね。


そんなバグバグの力を借りようという命知らずがいます。彼は魔術師のヴェイル、バグナードの高弟の一人です。

新ロードスにおけるスパークの敵役で、帝国の再建を夢見ています。正直夢見過ぎって気もしますけど(苦笑)

しかし彼はあのグローダーに次ぐ実力者だったそうです。ということは第三席でしょうかね?

グローダーは7レベルソーサラーでしたけど、ヴェイルも推定7レベルです。そのかわりグローダーはセージが8もありました。

まぁグローダーのソーサラー技能は10年以上前から止まってるし、ヴェイルも当時はもっとレベルが低かったのかも。


代償は5人の女性です。中には自分の妹も混じってます。妹のミネア以外はバグナードの正体を知らないようです。

挿絵のバグナードは果てしなく怖いのに変だと思わないんですかね。眼は赤々と燃え、肌の色はまさに死霊のそれですよ

そんなバグナードが単純に女なんて欲しがりません。正確にはエサと娯楽を欲しているんです。その二つを満たすのが彼女たちです。


一応バンパイアなバグナードは陽の光を嫌います。そして生前より生命点は12、精神点は18上昇している筈です。

ノーライフキングは陽光を浴びている限り毎ラウンド生命点と精神点に1点ずつのダメージです。

バグナードの場合は生前がそれぞれ11と25だから、生命点27/精神点50になってる筈です。

これなら4分30秒未満なら日光浴が出来ますね命がけでスリルを味わえますよ(笑)

ちなみに平均のノーライフは生命点は26、精神点は32ですから。4分20秒未満なら大丈夫ですね。


もし生命点が0になったりしたら霧となって消えてしまいます。

でも「邪な土」を用意しておけばそこで復活できます。自分の意思でも霧になれるのだから始末が悪い。

霧となったら陽光といえどもそれ以上バンパイアは弱らせることが出来ません。

                                          

そんな無敵とも思えるバンパイアを倒すには、精神点を0にするか、頼るべき「邪な土」を浄化した状態で生命点を0にするか、ですね。

「邪な土」で復活するには一日を要します。ですから再生中に土を浄化するという手もあります。

しかし土が一箇所だけに置いてあるとは限りません。いずれにしろ吸血鬼退治は土の在り処の捜索でもあるんですね。

この辺は「名乗れ!今こそ大英雄」を見るといいでしょう、数少ない公式吸血鬼退治です。


ミネアは必然的にニつ目を狙ってます。

まるでホラーのヒロインみたいですね、クロックタワーとか思い出します。

非力な少女が知恵と勇気のみで得体の知れない敵に立ち向かうってやつです。

でもこの館にはシザーマン的なのはいません(笑)


吸血鬼の例に漏れず夜になってから顔を出すバグナード。単純に昼夜逆転した学者に見えますね。

ミネアは特に言われないのに黙々と働きます。他の女性陣から見たら余計な事としか見えませんけどね。

彼女はバグナードの弱点を探そうと必死なんです、しかしそれすらバグナードの掌の上のことです。

あたかも仏陀の掌から逃れられない孫悟空やフェニックス一輝の如く(笑)


ミネアは兄ヴェイルの野望を止めたがってます。ミネアは身体を張ってそれを諌めましたとも。

しかしヴェイルは考えを改めませんでした。とうとう実の妹まで野望の為の捨石にする覚悟を決めました。

ヴェイルにとっては弱いことは罪です。

ヴェイル「金で買えるような女どもだ、生きているに値しない」

マーモ帝国の流儀、むしろヴェイルの流儀なんでしょうね。

実力至上主義とでもいうべきでしょうか、狼は生きろ豚は死ね!ってことです。


バグナードに拾われなければ野垂れ死んでいた身の上です、そんな人生観が染み付くこともありましょう。

それを体現していたマーモ帝国は彼にとっては理想だったんですね。だからこそ新生マーモ帝国こそが彼の生きる目的。

「自分の妹を投げ出してまで叶えたい夢」、それにどれだけの価値があるかは別としてヴェイルは本気です。

リュースだったら「承認するぞー!」と言いかねない並々ならぬ覚悟です。


ここでノーライフキングの精神点について。


バンパイアが消費した精神点は回復出来なければどんどん衰弱していきます。

精神力を回復する手段は血を吸う精神点を奪取するかです。

ちなみに精神点を摂取しない限り毎日精神点に1点のダメージを受け続けます。

つまり長い間は絶食出来ないという事ですね。バグナードなら49日間まで大丈夫ですけど。


精神力奪取
は相手が精神点さえ持っていれば通用します。

ノーライフキングの場合は攻撃が決まる毎に打撃力10+追加ダメージ15が奪えます。

雑魚なら吸いたい放題ですね。その辺の動物から奪うだけでも生きていけそう。


吸血
は動物やエルフやグラスランナーからでは無理です、人間のみらしい。人間一人の血を10分で吸い尽くして完全回復します。

スチャラカでは"レストア・メンタルパワー"のオルゴールで回復するバンパイアがいましたけど、アレは今でもアリなんだろうか?

それ以外にも人を襲わずに回復する手段がありそうな気はする。あるいは殺さずに回復する手段

"スティール・マインド"とかで精神力を貰えば相手は悪くても気絶で済みますよ。


ミネア以外の4人も色々あったようです。

騎士であった夫を亡くした未亡人のケイト。娼館以外に生きる術を持たないアリーダ。

借金のかたに出された踊り子のコリン。誘拐されてきたエイミ。………それぞれがバグナードの玩具なんです。

ミネアあくまでも独りで戦うつもりですけどね。逃げる事もしません、逃げられないということを承知しています。

兄の夢は潰したくない、でも吸血鬼の凶行を見逃すこともしない。しっかりし過ぎです。


ニースもちゃっかり出てきます、ミネアに聖水を与える役ですね。

顔を見ただけで心中を察すのはそれとなく聖女っぽい。

ミネアはニースの取るであろう行動も考慮して相談相手になってくれる事を丁重に断ります。

宿敵の存在を知らせたら乗り込んでいくのは目に見えてます。そうなるとスパークも来る事が目に見えています(笑)


★3〜6

最初の犠牲者はコリンでした。本人は玉の輿?に乗ろうと嬉々としていました。

踊り子とはいっても、ダンサーではなくてストリッパーのようなものですけどね。

バグナードの前でR指定がつきそうな踊りを披露します。


しかしバグナードは踊りに関してはこだわりがあるようです。

1人を相手にしているだけであらゆる角度を意識していないとかね。

性欲の消えうせたノーライフキングには何の価値もないということです。

もしかして若い頃は毎日のように夜の街に繰り出していたんですかね?

最初はきっとアーチーみたいに緊張していたんでしょうけど(笑)


普通はバンパイアに血を吸われたらレッサーヴァンパイアになってしまいます。

しかしコリンに関してはそれすら勿体無い。バンパイア化する前に殺す為に庭に放たれている地獄の番犬のエサとなります。

なんかロードス史上際立ってホラーな展開ですね。基本的にロードスではホラーよりもスペクタクルな展開の方が多いし。


さて逐一犠牲者が出る様子を書いていてもしょうがないんで、大幅に端折ります。

いろいろな理由で生きる強さを失っていることが露見していく女性がいて。

バグナードがそれらを刈り取っていくのはある意味慈悲なのかもしれません。

中には本気で生を終わらせたがっていた人もいましたし。


死よりも恐れる事がある、私にはまだ分かりませんね。ただミネアの気持ちは分かる気がします。

周りの流れに迎合するでなく、あくまでも自分自身を生かそうとする気持ち。

自分が変わるのではなく、周りを変える。それが良いのか悪いのかは分かりませんけどね。

正しいかどうかが結果が出るまで分かりませんし、結果が出ても分からない事だってあります。

自分を信じて生きるって難しい事なのかもしれませんね。


ミネアは銀の短剣でバグナードを霞にし、聖水で「邪な土」を清め、兄の元へ帰ります。

それでもやっぱりお兄さんのところへ帰るんですね、それ以外の生き方もあるのに。

でも、短剣の一撃で霧になったのはバグナードが霧になってやっただけなんですよ。

土を清められたの清めさせてやったからなんですよね。バグナードってば趣味悪いよ。


★7

冒頭でも言ったように、バグナードにとったらミネアは最高の娯楽だったようです。

家には既にバグナードが先回りしています。この期に及んで兄を庇うのは何ででしょうね?

自分の為に戦う事ができて、人の為に身を投げる事ができる。それは凄い事ですけど、もうちょっと我が出てもいいと思う。


バグナードはヴェイルはもちろんのこと、ミネアだって咎めるつもりはないでしょう。

バグナードにとってみたら、自分で扉をこじ開ける類の人間は好ましく思えるらしいし。

刺激が欲しいんですかね、希薄になった感情の分。ミネアはそんなバグナードには最高の付き人になりそうです。


ミネアは犠牲者を出さない為に自分が犠牲になり続けることにします。

罪が殺される理由になる人間にも生きられるというマーモの真理を説きました。

自分がつまらない人間であるかどうかの判断をバグナードに委ねます。

自分がつまらなかったら殺すなり吸うなり好きにしろってことです。その代わり他人には手を出さないで欲しいとね。


バグナードに授けられた魔法の宝を携え、妹を投げ出したヴェイル。

自分自身を十字架に張り付けるミネア。そして命ある人間の生き様を娯楽とするバグナード。

今なら地獄の存在を信じられそうです、それは他でもないこの島ですよ。


はじまり〜戴冠式〜

もう余計な言葉は不要ですね。これから始まる暗黒の島での戦い。みんなの儀礼用の滑稽な姿も、今は笑わせてくれます。

どうか、その笑いが最後にならないように………。どうか、呪われた島に100年の平和を………。

幕は再び上がりました。





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