「魔法王国カストゥール 復讐の継承者」 著:水野良 出版社:角川書店
★はじめに
以下、2004年8月8日の日記を編集しました。
先日「始原の巨人」のバルディアさんより「魔法王国カストゥール 復讐の継承者」の写しを頂きました。
この作品ザ・スニーカーに掲載されて文庫に未収録のまま放置されていた作品です。カストゥールの時代を舞台にした唯一の作品ともいえます。
主人公はカストゥール最後の王ファーラム、あのファーラムの剣のマテリアルになった男です。
この作品、今となってはとんでもなく入手が困難です。少し昔の事を語りますと、私は元々ロードス一筋でした。
ある日、昔のザ・スニーカー誌上にカストゥール王国の短編が載ったことを知ったのです。
それからというもの方々を捜し歩きました。結局現物は見つからず終いなのが残念です。
しかしその過程でフォーセリアという世界を知り、SWやクリスタニア、そしてリウイにも出会えました。
そしてロードスよりももっと広い世界に魅せられました。その異世界こそは「フォーセリア」です。
この作品を読めた事はとても幸せな事なんだと改めて実感しています。そこで、早速これを記録に遺したいと思いました。
私のように読みたくてもこの作品を読めない方はきっといらっしゃると思うんです。ならば私のこの作業にもきっと意味がある。
だから、バルディアさんやこのサイトへ訪れてくださる方々、あるいは未来に訪れてくださる全ての方々へ感謝を込めて。
★1
『魔法王国カストゥール』、魔法に栄え、魔力に溺れた王国。ロードスやSWでは既に滅び去った過去の王国としてしか出てきません。
正直、この作品を読むまで今一つイメージが湧きませんでした。この物語の主人公ファーラムにしてもそうです。
最後の魔法王となる彼がどういう人物か、ほとんど知りませんでした。あのカーラが尊敬するような人柄である事ぐらいしかね。
そこでこの★1では当時のカストゥール王国の事情を書いてみようかと思います。文庫化していないのでとっても貴重な情報です。
今でこそ無限の魔力を操った伝説的な民と知られるカストゥール人(何人だ?)ですが、最初からそうだった訳ではありません。
神々の大戦で神々は滅び、物質界に生きる事を余儀なくされた各種族たちは、暗黒時代の中を力強く生き続けました。
神の姿に似せて創られた人間でしたが、その肉体は竜や巨人は勿論のこと、それ以外の動植物よりも大概に弱い存在でした。
しかし、彼らは神々と同じ姿を与えられていたという点で、他の種族とは違いました。それは神々を讃え、その奇跡の力を支える為でした。
また彼らは神々のみが知っていた幾つかの秘密、知恵、技を伝授されます。その中の一つが魔法語でした。魔法語は大きく3種類に分かれます。
神聖語(暗黒語)は神を礼賛し、その奇跡を懇願する魔法語です。精霊語は自然を司る精霊と交信し、その力を操る魔法語です。
しかし神々が授けた上古の魔法語は更に大きな可能性を秘めていました。ところが神は人間に上古の魔法語の基礎しか教えませんでした。
意図的なものか、はたまた神々の大戦で教える余裕がなかったのかは定かではありませんが、大きな可能性を秘めながら不完全でした。
そこで登場するのが10人の賢者です。彼らは上古の魔法語を研究し、上位古代語と名づけました。
1つの基礎となる魔術と8つの発展した魔術と9系統の結晶である統合魔術。それらを合わせた計10系統として体系化します。
それは基本、拡大、四大、死霊、召喚、付与、精神、幻覚、創成、統合の10の系統(ブランチ)となっています。
そして人間は3千年とも4千年ともいわれる暗黒時代を生き抜く力を得たのです。これがカストゥール王国の始まりです。
上古の魔法語は元々神の言葉、あるいは神にとって当たり前の動作であり、世界の根源であるマナに働きかける事ができます。
これにより神々は世界創造を行ったのです。原初の混沌を拾い上げて秩序化し、各界や様々な世界律や物質や力や生命を創ったのです。
当然それを継承するカストゥール王国の上位古代語による魔法も、それと同等の可能性を秘めている筈です。
ただ理論上可能でも、人間には実現不可能という事もあり、神々のように世界創造レベルで行使するのは現実的には難しい。
この上位古代語による魔法を今日では古代語魔法、神聖語による魔法を神聖魔法、精霊語による魔法を精霊魔法と呼びます。
神聖魔法は信者が神に呼びかける事でそれを限定的に行使して貰う魔法であり、精霊魔法は精霊に呼びかけて自然を動かす魔法です。
古代語魔法と神聖魔法の違いは、神の介入にある。神聖語で神に呼びかけ、そこで神は古代語魔法の元祖であるその力を振るうのです。
精霊魔法との違いは、発生か派生かにある。古代語魔法は無から有を生み出す事も可能ですが、精霊魔法は自然を動かすのみです。
過程と範疇の違いこそあっても、いずれもマナを動かすという点では一致します。ただ古代語魔法は中でも強力なだけです。
カストゥールも最初から無敵の王国だったわけではありません。暗黒時代においては幾度となく滅亡してるのです。
記録に残ってる最後の大破壊は1200年前のサイクロプスによる大破壊です。その200年後に大陸中央に新たに興したのが今の国です。
現在では大陸各地に数十の都市を築き、多種族との抗争にも負けない程に力をつけています。
同じ人間でも大した魔法を使えない辺境の人々を蛮族と呼んでいます。彼らは滅ぶか奴隷となるか服従を誓うかを選択するのみです。
現在は第52代魔法王メルドラムゼー・パラサノスの治世です(ファーラムの実父)。あの魔力の塔建設の発端となった人でもあります。
ラムゼーは10系統の1つ拡大魔術の門主にして魔法王です。魔法王は世襲制ではなく、各系統の門主の内から選出する事になっています。
ちなみに魔法王の任期は30年だそうです。寿命を200歳程に伸ばせるだろう彼らにとっては微妙な期間です。
ところがその繁栄の裏で種の衰退が起きています。ラムゼーもそれに危機感を覚えています。つまり上位種から下位種への種の変化です。
神々と共に生まれた巨人族や竜族は太古種と呼ばれ、カストゥール人のように神々に創造された時の力を有した者を古代種といいます。
現在大陸中の太古種や古代種達が、魔法から遠ざかる方向に変化しています。それが進化か退化かはこの際置いておくとして。
例を挙げますと、無限の寿命を持つハイエルフが、1千年しか生きられない普通のエルフへ変化しています。
ドワーフもかつては精霊魔法を扱えましたが、この物質界に定着したせいかその力も失われました。グラスランナーも同様です。
最上位種、上位種、下位種といった分類法によりますと、この太古種や古代種はこの最上位種/上位種のクラスに当てはまります。
エルフで例えれば、帰らずの森のルマースは世界樹から生まれた最上位種(仮称ハイエルフロード)。
ディードやエスタスはそれらが魔力から遠ざかった事で発生した上位種(ハイエルフ)。以上二種はエルフの古代種です。
そしてよく見かけるのが1000年程までしか生きられない下位種(エルフ)です。
ダークエルフやゴブリン、コボルド、マーメイド、グレムリンにもこれらは当てはまります(クリスタニアより)。
人間とて例外ではありません。カストゥール王国でも、魔法を使える者を貴族、そうでない者を市民と分ける様になったのが200年前です。
カストゥールの貴族は剣の時代の人間より魔法的素養が大きい人間の古代種(上位種)だと思われます。そして、蛮族や市民は下位種。
ひょっとすると世界樹から生まれた神話の時代の人間こそが最上位種と呼べる人種だったのかもしれません。
200年前までは魔法が使えない人は5人に1人ですが、現在は魔法が使える人が50人に1人だそうです。
比率で言えば、魔法を使える人がこの200年で1/40にまで減っているのです。明らかに種が衰退傾向にあります。
そこでラムゼーは2つの策に出ました。1つは魔力の塔の建造、もう1つは統合魔術の復興です。
魔力の塔は大気と大地から大量のマナを集め、それを額の黒水晶を通して供給する事で、無限の魔力を得られるようになるのです。
そうなれば精神力を気にせず魔法使い放題ですが、その代わり塔がないと魔法が使えないというリスクもあります。「剣の国の〜」参照。
統合魔術は他の9種類の系統を統合する事を真髄とした魔術です。各門派が独立した現在では恐らくは遺失扱いです。
ラムゼーは家柄のせいで不当に扱われた各系統の優秀な人物を集め、研究に当たらせました。それで彼は妻と2人の子供を暗殺されています。
犯人は精神魔術の門主レイブラシル・コストラルダです。しかし彼が守りきった皇太子が1人だけいます、その皇太子こそがファーラムです。
彼はファーラムをクユ族という蛮族に預け、密かに統合魔術の教育を施します。安全に自分の後を継げる人材に育てる為です。
その為にクユ族の族長の孫が身代わりになってレイブラシルに殺されています。恭順をする身としては苦しい犠牲です。
つまりラムゼーは公式に3人の皇太子がいることにしてたんですね。他にいるという記述は一応はない。
実を言えば、それ以外の妾腹の王子もいます(勿論秘密ですが)。そのうちの1人はラムゼーの忠実な近衛です。
この統合魔術と魔力の塔により、物語に語られる強力無比の魔法王国へ発展するのです。
★2
では、ファーラムがどのようにして蛮族の青年からカストゥール王国の王族へ移ったのかを見てみましょう。
季節は初春、冬は明け春風は新たな時代を運んできます。
蛮族の青年として過ごすファーラムは族長の孫ミルシーヌと一緒に狩りへ出かけています。
ファーラムも表向きは族長の孫ですからいとこということになっています。上でも書いたとおり、族長の本当の孫は王国で暗殺されました。
しかし、族長にとってはファーラムも孫のようなものらしくとても可愛がっています。
でもミルシーヌは族長からファーラムの護衛まで任されています。
更にファーラムはカストゥールの貴族から度々指導を受けていたりと普通ではありませんね。
部族の者は彼が王国の貴族の隠し子ではないかとか、魔法の実験をされているのではないかと噂しています。
それがよりにもよって魔法王の子であり、次の魔法王となる人物なんですよね、驚きですよ。
一般人として育った王族という意味ではリウイにも似てますね。
でもライフスタイルは全然違いますよね、まぁその辺がいいのかもしれませんけど。
このファーラムは断じてゴブリンを素手で撲殺したりはしません(苦笑)
ミルシーヌ(面倒なんで略してミル)はファーラムにはもっと勇敢になって欲しいと願っています、この狩だってそれが目的。
ファーラムの父(身代わりの)はグリフォンと差し違え、母はその後を追って自害しているそうです。
族長家の男子たるもの、勇敢な偉丈夫でなくてはならないんでしょうね。
ミルとしては勉強ばかりしているファーラムをバカにする部族の者の鼻を明かしたい、という事もあるんでしょうね。
彼への淡い恋心でしょうが、身分を考えると叶わない恋でもあります。ファーラムはその事を知っているでしょう。
でもミルはファーラムが自分の大切ないとこ(本当に?)であり、このままずっと一緒にいたいと願っていると思うんです。
ミルは狩の相手に猪を選びました。慎重に狙ったつもりが突風で矢は外れてしまい、危ない!という所で朗々とした詠唱が聞こえてきます。
「サラマンダーの足、イフリートの吐息(中略)ヴァナ・フレイム・ヴェ・イグロルス!!」
ロードスファンには聞きなれた詠唱、紛う事なき"ファイアボール"です!!。注:作中では若干違う部分を詠唱しています。
猪は一撃で丸コゲ。流石はファーラム、魔力も高そうです。それは、彼女との決別の花火だったのかもしれません。
虫の知らせとでもいいましょうか、ファーラムはこの生活の終わりを感じ取っていました。だから今まで使わなかった魔術を使ったのです。
案の定2人が狩から帰ってみれば、集落はいつもと違った雰囲気に包まれていました。魔法の明かりに魔法王直属の近衛兵がいたのです。
これは第52代魔法王メルドラムゼー・パラサノスが来ているのです。もちろん実子であるファーラムを迎えにね。
精神を支配された近衛兵は感情という物を持ちません。「傭兵伝説クリスタニア」に出てきた精神改造蛮族と似たようなものです。
感情がないから至極冷静に護衛という任務を果たします、怪しい人物が相手なら容赦なく斬り捨てますね。
その近衛兵も目の前を通ったファ−ラムには膝を屈しましたよ。そしてまるで主人に対するかのように丁寧に道を明けました。
ミルシーヌ「さよなら、ファーラム」
ファーラム「さよなら、ミルシーヌ」
素っ気無いながらも情の篭ったお別れです。ファーラムだってこの集落に残りたいと思わなくもないと思う。
でも、自分の生まれから逃げるつもりはないようです。彼とて承知しているんじゃないでしょうかね、
どんなに重かろうが辛かろうが、生まれてきた時から背負わなければいけないモノもある、という事を。
近衛兵に左右を守られ、族長の館へ到着しました。ほっとした様子の族長と、緑色のローブを着た男が出迎えます。
彼はリハルトベルーガ・アズモウル、元四大魔術の一門の魔術師です。追放されてるので、本当なら緑色のローブを着ることは許されない。
この事からも分かるように、各門派はそれぞれ決まった色のローブを纏います。他の門派は何色を着てるんでしょうね。
赤とかはちょっと毒々しくて嫌ですね。うっかりゼブラカラーとかの門派に属する事になったら嫌だな(笑)
ここでとても気になる事がありまして、それは彼の名前です。リハルトベルーガ………つまりはベルーガです。
あのファウンダーズが無の砂漠で見つけた魔精霊アトンに関する本にこの名前があります!
なんでも、ファーラムの剣の作成に携わった精霊使いであり、剣に精霊を滅ぼす魔法語を刻んだ男だそうです。
もしかして、同一人物だろうか。四大魔術というのも怪しい、もしかして精霊魔法絡みで追放されたのかもしれませんね。
案内されて入った部屋には魔法王のみが着ることを許された紫紺のローブを纏ったラムゼーがいました。
他にもラムゼーの招集した各門派の追放者たち(統合魔術の研究チーム)もいます。こんな片田舎で王国の明日を決める話し合いがされるとはね。
ラムゼーは、このレビューの★1で述べたようなことをザッと話します。そしてファーラムが統合魔術の門主にして魔法王になる事も。
室内は異様に盛り上がりました。それも当然です、長い雌伏と苦労の日々が報われた訳ですし。このままビールかけに移行しそうな勢いです。
中には創成魔術の門主エルヴォーク・ドルロスもいます(ローブは山吹)。門主自ら来るとは、一門上げて協力してるんでしょうかね。
王国にとっても、ファーラムにとっても大きな変革が訪れようとしてます。王国は各門派を解散し、統合魔術の発展、魔法王中心の集権体制へ。
ファーラムにとっては、ミルシーヌという大切な人との生活が絶たれたわけです。きっと他にも、色々な事が変わるでしょう。
変わってしまうのは仕方のないことかもしれません、子供が大人になるようにね。
ファーラムもその辺を心得ているのか、最後にクユ族らしいことをしようとします。
それは2人の兄と母を殺した精神魔術の門主レイブラシルへの復讐です。クユ族の掟では親兄弟の仇は必ず自分で討つ事になっています。
もう今までのようにはいかないからです。統合魔術の門主として非情に振舞う事も必要だから、今の内にという彼の誓いです。
一方、ミルシーヌは1人呆けています。あまりにも予想外の出来事にどう反応していいやら。
族長(祖父)からファーラムが行ってしまった事を聞き、とめどなく頬を伝う涙、やっぱり辛いんだね。
クユ族の族長家はつくづく王国に縁があるんですね、族長の子供は3人(多分)。
1人はファーラム(の身代わりになった人)の親。もう1人はミルの親、そしてもう1人は王国に侍女として仕えました。
実はその侍女はラムゼーの子供を身篭ってしまったんです。その子こそがレバース、ファーラムの腹違いの兄であり魔法王の近衛兵です。
つまりファーラムから見たら、ミルは腹違いの兄の従兄弟なんですね(ややこしい)。彼は精神支配をされずに忠実な近衛兵を勤めています。
何故族長がそんな話をするのか、それはミルに1つの道を示す為です。
その道とはファーラムの侍女として王国に仕える事です。本当に大切な人のためなら、不自由な侍女も悔いはないと。
★3
こうして、ファーラムは新たな道を歩き出しました。この★3では、彼が参加した各系統の門主が集う「王位継承会議」の様子です。
カストゥールの歴史が大きく動き出した瞬間とでも言いましょうか。フォーセリアの歴史的にも重要な事件です。
―ここは沈黙の間―
不思議な10角形の部屋には大きな円卓があります。とても大きな円卓で壁との距離がいくらもありません。
黒曜石の床の上にはウィル・オー・ウィスプのような(あくまで"ような")灯りが、部屋を薄暗く照らしています。
10の壁にはそれぞれ鉄で補強された分厚い木のドア。そして銅鑼をならす男と告知を行う男が待機しています。
そして扉と同じ配列に、円卓には10の椅子が設けられています。ここが「王位継承会議」の場です。
各門派の門主たちはそれぞれ指定の扉から入室し席に着くという、分かり易いシステムになっているんですよ。
この部屋には原則お供は入室不可です。しかし、ラムゼーはファーラムとレバースの2人を伴って入室しました、いきなり不穏な雰囲気ですね。
それを厳しく諌めたのが召喚魔術の門主アズナディール・ロンヴァビルです。魔神を召喚し使役したカストゥール最高の召喚魔術師です。
「ロードス島伝説」でも名前が出てきます、マンガ版では肖像画までついてましたね(笑)
魔神といえば労働者、技術者、傭兵として重宝された異界の住人です。彼ら独自の魔法(古代語魔法と同種)も持っています。
つまりカストゥール発展の一翼を担ったのです。その功績で次期魔法王と評されていた男です、そしてラムゼーの敵対者でもあります。
能力的にはかなり優秀なんですが、いかんせん性格が悪い。そして彼を諌めたのは先ほど出てきた創成魔術の門主エルヴォークだったりします。
早くも政治が行われてますよ、貴族の集まりでは気が抜けないのは今も昔も変わらないらしい(苦笑)
ラムゼーは怯む様子もなく、要点を次々に述べていきます。ファーラムを王位に就ける事、統合魔術の事、魔力の塔の事。
魔力の塔や統合魔術に関して素直に祝辞を送るのは付与魔術の門主ブランプナスです。高潔な人物で、最長老でもあります。
もちろん、面白くないのはアズナディールです。自分こそが次の王だとほとんど脳内確定していたわけですし。
魔神を召喚した功績は確かに大きい、ラムゼーやウォートが言うには偶然だそうですけどね。
ていうか「ロードス島伝説」を読んだ後だと余計な事をしてくれたと思えるんですけどね。
魔力の塔が完成していない今、魔神達は王国最強の兵隊です。魔神王に至ってはその辺の老竜や古竜よりも強いですし。
ラムゼーは「偶然」という所を強調したり、「不満があるなら喧嘩を買うぞ」みたいな事を言ったりしています。
最初からラムゼーはアズナディールを怒らせ、不穏分子を一掃しようとしているかのように思えます。
ついにはアズナディールはハッキリと魔法王へ宣戦を布告します。魔法王についた門派はもちろんの事、中立にも攻撃を加えるそうです。
そんなことされたらとんでもない事になりますよ。これは王国を分ける内乱になってしまいますよ、一大事です、
一方、ラムゼーはそんな事しません。中立にしたいなら責めはしない、戦の後の待遇も変わらない。何かあったら遠慮なく救援を要請してもいいと。
そして10の門派はそれぞれ対立したり中立になったりと分かれました。できるだけ分かりやすく記そうかと思うんで、こんな風にしてみました。
系統魔術:門主、という風に読んでくださいね。
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丁度いいぐあいに4対4ですね。アルヴィンス以外は他の所にフルネームが書いてあるんで、そっちを見てください(分かる限り)。
死霊魔術の門主アルヴィンスは命なき者の王ことノーライフキングであり、刺激を求めているようですね。
バグナードもそうでしたが、ノーライフキングになって感情が希薄になったからでしょうね。
あと注目したいのは付与魔術師のブランプナスです。彼はあの天空都市レックスを支配している人ですから。
彼のような高潔な人物は敵に回したくないんですが、伝統を譲れない彼との戦いは避けられないでしょう。
こうしてカストゥール王国は天下分け目の大合戦に突入しました。この戦いはファーラムが魔法王になった事で結果は明らかです。
私としてはその詳細を知りたいですね。各門派はどうしたのか、誰が死んだのか、気になる事が沢山あります。
★4
各門派の門主たちが解散した直後の事です。レイブラシルは移送の扉("ディメンション・ゲート")を通って館に帰ってきました。
もちろんルールブックに載っているような接続時間の短い"ディメンション・ゲート"ではありませんよ。接続時間が永続?のテレポーターです。
彼はアズナディールに唆され、宰相の地位をエサに暗殺を働きました。最近王政から外れてきている門派を考えての事なんでしょうね。
色々聞く限り、どうも煮ても焼いても食えないタイプのようですね。挿絵なんてゴブリンもかくやという悪人面ですし。
これから戦争だという事で色々準備を始めようとするのですが、移送の扉を閉じるのを忘れたのが彼の命取りです。
その油断がファーラムがレバースを伴って復讐をしに来る機会を与えてしまいます。過去にもこういう手段を使った人がいたそうです。
レバースは抜刀して距離を詰めますが、レイブラシルは何らかの精神魔術でレバースを掌握しようとしています。
ところがファーラムが遅れて放った"ディスペル・マジック"はその支配を打ち破りました。
もはやレイブラシルに二の手は残されていませんでした。レバースの剣はレイブラシルを確実に捉え、見事に仕留めました。
流石ですねファーラム、"ディスペル・マジック"を最初から宣言していたとはいい読みです(苦笑)
ファーラムの方がレイブラシルよりも知力が高かったんでしょうね。それで相手の行動宣言を聞いてから戦術を決められた。
相手も一応は一門派の門主、その魔力を打ち破るのも凄い。レイブラシルはレバースを舐めてましたから、多分拡大はしてなかったですね。
それなら、1点消費の"ディスペル・マジック"を拡大すればどうにかなるでしょうね。完全版ルールでなかったら尚更(笑)
移送の扉を使って元の部屋へ戻ってくるとラムゼーが心配をしてました。その様子は子供を案じる普通の父親ですね。
カストゥールの貴族は血縁でも非常に接する事が多いのですが、どうやら彼には親子の情があるらしい。
ラムゼーは蛮族のような外の世界に触れる機会があったので、嫌でも愛などの情念を身に付けるでしょう。
レバースもファーラムを本気で心配しているようですしね、何かファーラってモテモテです(笑)
しかしファーラムは限界まで拡大したから相当疲れている様子。ファーラムは移送の扉を使って城に戻り、自室で休もうとします。
一体どんな城なんでしょう魔法王の城って。想像力を超えた豪華で魔法に満ちた城なんでしょうけど。
侍女に寝室へ案内してもらって、ようやく休めそうなファーラムでしたが、その部屋に待っていたのはミルシーヌでした。
彼女はファーラムと一緒にいたい、それだけの理由でここへ来たんですよ。それを知らないファーラムを大いに焦ります。
無理矢理連れてこられたんじゃないか?、酷い事をされたんじゃないか?とね。優しい男ですね、ファーラム。
でもミルの真意を知って喜ぶよりも安心します。愛情と日常を感じたファーラムはどれだけ心が満たされたでしょう、ミルだって同じです。
このファーラムの部屋は誰にも覗かれない、誰にも聞こえない。この部屋の中だけ、二人の前には懐かしい集落や草原や山や川が広がっている。
これは二人だけの秘密、懐かしい想いから離れなくて良い。少なくとも、少なくとも……。
昔のドラマガに掲載されたファウンダーズと魔精霊アトンについて。色々ある上に資料が少ないのであまり書けませんがね。
大陸最強の冒険者パーティー"見つける者"は幻の都市を求めて無の砂漠の探索を始めました。
数々のマジックアイテムを使い、ついには中心部「ザ・ホール」へ辿り着きました。そこは球状にえぐられた砂漠です。
その中心部には高さ100メートルにもなろうかという金属の塔が建っていました。丁度シャブシャブの鍋のような感じかと思います。
塔の頭頂部から内部の螺旋階段を200メートルほど下り、目の前に広がるのは球状の地下都市。
そうして彼らは幻の都市である精霊都市フリーオンを発見したのです。魔法王国最後の王都にして、最高の都市の一つです。
どうやらドワーフの手によるものらしい都市には多くの財宝と知識が眠っていました。正に宝の山ですよ。
しかしそこにはフォーセリアを危機に陥れる魔物も眠っていたのです。決して触れてはいけない、禁忌の存在が。
そこで魔術師のバレンは多くの書物を見つけ、無我夢中で読み解きました。そして彼は知りました、この都市の始まりと終わりを。
この都市を作ったのは精霊使いのベルーガでした。彼は各種上位精霊を従え地下に地上と同じ、いやそれ以上ともいえる都市を作りました。
なにしろ自然を司るのが精霊力であり、それを意のままに扱えば快適な環境を作り出すことも難しくはないですからね。
ドルイドたちの幾度にも渡る忠告を聞き流して建造した都市は大いに繁栄。ついには、遷都の折に王都に選ばれました。
しかし、それは大変危険な試みでした。ある日その繁栄も終幕を迎えました。1匹の大地の精霊王ベヒモスが暴走を始めたのです。
そのベヒモスは炎を纏い、風を裂き、闇を生み、水の流れも変えました。そして精霊たちを食らい、さらに力を高めていきました。
そのベヒモスは"魔精霊"アトンと名づけられました。
どんどん事態は悪化し、事態を収集しようとした多くの魔術師が敗れ去りました。それは時の魔法王ファーラムにしても同じ事でした。
いよいよ後が無くなると、カストゥール人はアトンを倒す為に魔法の力を全て集め、強力な魔剣を作り出します。
ファーラムたち魔術師、ベルーガをはじめとする精霊使い、そして各宗派の司祭達と、3系統の魔法使い達が集ってそれは作られました。
魔剣の材料として魔法王ファーラムは自らの肉体を提供(!)し、ベルーガがそこに対精霊のルーンを書き込みました。
主な付与者は付与魔術師ヴァリント・ガーク・ル・ヴァルです。一般には"魔法王の鍛冶師"やヴァンと呼ばれます。
魔力の源として魔力の塔から力を得る為にファーラムの使っていた黒水晶を柄にはめ込み、多くの魔法使いたちが剣に自らの魂を封印します。
それは巨大な儀式であり、生み出された魔剣も剣というよりも兵器と呼ぶ方が相応しいと私は思います。
こうして作られた『ファーラムの剣』を当時王国最強といわれた近衛隊長のクローグが振るいました。
その戦いの様子は定かではありませんが、フリーオンから出てきたアトンを完全とは言わないまでも行動不能にしました。
しかし、剣の魔力は予想以上に大きく魔力の塔は崩壊しました。これが魔法の時代の終焉であり、剣の時代の始まりに繋がります。
王と魔法の力を失ったカストゥール王国は蛮族たちに滅ぼされ、蛮族達による新王国暦が始まったのです。
それから初めてフリーオンを訪れたのがファウンダーズだったのです。彼らが優秀過ぎたのが災いしたのです。
精霊使いのフィエスはアトンの奇妙な精霊力に興味を持ち、それを呼び出してしまい、最初の犠牲になりました。
バレンを除くファウンダーズのメンバーは皆アトンに飲まれ、アトンは力を取り戻しつつあります。
バレンは"テレポート"でオラン魔術師ギルドの最高導師である"至高の魔術師"マナ・ライの元へ戻り、この事を詳細に報告しました。
マナ・ライの計算ではアトンが無の砂漠を出て外界に触れるまでおよそ10年。
その間に最後の希望『ファーラムの剣』を見つけ、これをもってアトンを討たねばフォーセリアは滅びます。
何故ならば、アトンはただの魔法の産物ではないのです。アトンは終末のもの、破壊の女神カーディスや魔神獣と同じ存在です。
こうして、大陸の冒険者にとっての最大のクエストはファーラムの剣の探索となったのです。
混乱を煽らない為に一般には公開されていません、一部の者だけが秘密裏に解決しようとしています。
世界に散らばるヴァンの十聖剣の一つがファーラムの剣です。その探索に挑むのは、まずはオランの編成したシヴィル以下5名のチーム。
そして剣の国オーファンの"竜殺し"リジャール王の実子である魔法戦士リウイ以下5名+αです。
カストゥールやファウンダーズを飲み込んだ魔精霊アトン。やがて迎える聖戦を生き延びるのはどちらになるか、神々ですら知りえないことです。
物語は「賢者の国の魔法戦士」へと続きます。終末を免れ喜びを掴む事は出来るのか。
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