「封印伝説クリスタニア 」著:栗原聡志 原作:水野良 出版社:メディアファクトリー
★プロローグ
「はじまりの冒険者たち」から20年が経ちました、「クリスタニア・サーガ」も第七の伝説ですよ。
「漂流伝説」で「周期」と「結界」が失われたのが紀元0年ですから、もう紀元10年です。
あの時封印されたアデリシアがようやく復活する時が来ました!
20年ですよ、精々数十年の人の一生における20年って相当長いですよ。
あの時レードンやナーセルと別れたオーヴィル・クイルド・ライファンは、この日まで彼女を取り戻す為に必死でした。
それがついに達成される時が来たのです、20年かかってね。
レードンやナーセルも色んな事に関わってきましたが、彼らだってそれに匹敵するような修羅場を抜けてきたんでしょうね。
復活するのはアデリシアだけではありません、今まで封印されてきたモノが全て解放されるのです!
そうなったら無実のモノも危険なモノも一斉に解放されるんですよね、それはそれは大きな混乱が起こるでしょう。
ではアデリシアのように罪の無い者だけ解放すればいいという意見もありますが、それは解決にはなりませんね。
"パージ"のタレントの恐ろしさを省みない封印の民の活動が大きな原因です。
彼らは混沌を封印してきました、そして封印したモノは最終的に魂までも消え失せてしまうのです。
なのにも拘わらず混沌=外部のモノという基準で封印してきたのです。
例え敬虔なラーダ信者であろうと外部のモノという理由だけで消滅させられるんです、これは改めるべき事です。
クリスタニアは「周期」と「結界」が失われ、全ては神獣から民に委ねられました。
ならば「封印」も改めるべきだというのは正論だと思いますけどね。
一度全てを解放し本当に危険なモノだけを封印・始末する、これが封印の民がこれから歩む事になる道です。
いや封印の民だけでなく神獣の民全体が考えるべき事ですらあると思いますよ、ある意味ツケなのです。
例え時代が変わろうと世界律が変わろうと、人が変わらなければ意味がない。
クリスタニアを変えるというのならば、これまで溜めてきたツケも払う必要があるのです。
この物語では主役であるリュース達と平行して"はじまりの冒険者たち"も独自に活動をします。
レードン達は封印の解放の為に、リュース達はその跡を辿る形で真相の究明を行います。
それぞれが何をしているか、逐次見ていく形でいきましょう。
★1〜4
ここからのクリスタニアは「若き承認者」で登場したリュース達が、主役として出ずっぱりとなります。
それはもうフンフンバリバリ働きますよ、厄介事を全部背負い込んでる感じ(笑)
リーダーのリュースがとんでもない承認を迫られるせいで、次から次へと事件が舞い込みます。
今回の事件はそれら一連の事件の入り口でもあります、ええ地獄の一丁目ですとも(苦笑)
リュース達はフィンガル獣の牙に所属しています、封印の部族と同じ地区ですよ。
フィンガル地方はクリスタニア南西部にあり、北のイスカリアと中央部のフォレースルとはフィンガル山脈で分断されています。
北西部のベルディアと南部のラブラドルへは普通に行くことが出来るはずです、言わずもがな西へ行くと海です。
基本的に寒冷な地方で、居住部族は封印の部族の他に影の部族・枝角の部族がいます。
北部の広葉樹林帯に枝角の部族、南部の針葉樹林帯には影の部族が住んでいます。
そして山岳部に住んでいるのが封印の部族です、今も多くの獣人と封印されたモノが『封印の洞窟』で眠っています。
封印の部族については「泉は目覚める」の方でそこそこ述べましたね。
最初はささいな事件でした。
封印の部族のコラードという封印者が最近うっかり目を覚ましてしまいましてね。
それで浄化前に解放されてしまった混沌を再封印しようというので、その加勢に派遣されたのです。
近頃そういう風に封印が解ける事件が相次いでいますが、もちろんオーヴィル達が一枚噛んでいます。
彼らは今現在『覚醒の鐘』(後述)を打ち鳴らしている最中ですよ、その鐘が封印を解いているのです。
その混沌とは一見サラマンダーですが、実はそれは器に過ぎません。
本体は正負いずれの生命力の精霊力も持たない、混沌界出身の存在です。
胡蝶の民によって召喚されたはいいけど、物質界では存在が希薄になるので他の存在に乗り移らないといけなかったんです。
しかし狂ったサラマンダー等の器の影響をモロに受け、破壊衝動に駆られているところを封印されたのです。
名前なんてものもあるのか分かりません。レスフェーンの眷属ナイトパピヨンのようですが、違うかもしれません。
混沌ではありますが、邪悪ではありません。
だから本来封印すべきものではないんですよ、物質界の住人でなくてもホイホイと消滅させていい訳がありません。
一行はコラードが封印しそこなったサラマンダー(混沌の器)を倒したのですが、
それが近場で瀕死の重傷を負っていた影の民の少女フォスティに憑依したのです。
フォスティ自身ほとんど死んでたんですが、幸か不幸か命は助かったのです、でも本人の意識はない。
まぁウルトラマンのようなものですかね、器の意思はないけど(笑)
ちなみにフォスティという名前ですが、「封印伝説序章」の方に名前の意味が載っています。
枝角の部族には自然に因んだ名前をつける習慣がありましたね。
ルセルインは「神獣の泉」、アルハンは「まっすぐに伸びた枝」といった具合でしたね。
フォスティというのは『朝露』という意味があるようです。
彼女は影の民なんですけど、その命名の仕方は枝角の部族だけの特権という訳でもないので、特におかしい事でもないです。
フォスティ(死にかけていた少女の方)とその母親は獣の牙の砦にも出入りする薬草師だったりします。
活発だった娘が、全身血まみれで関節がありえない方向に曲がってキョトンとしてるんです、ちょっとしたホラーですよね。
親御さんとしては心配でならないんですが、コラードは容赦なくまとめて封印する気です。
病気や呪いだけを封印する事は出来るのに、憑き物だけを封印する事は出来ないんですね。
しかしリュースは彼女(混沌の方)の「死にたくない」という意思を承認したのです。
これがきっかけで彼らはフォスティ(な混沌)を大集落に連れて行き、指示を仰ぐという任務に就くことになります。
それが更なる大事件へ繋がるとも知らずにね。
本当に大事件ですよ、クリスタニアの年表なんて物が出来るとしたら1000年先の未来でもリストアップされてそうです。
承認者としてはよくやったと思いますけどね。
相手の出自に囚われずに、ただ意思だけを承認するのもまた承認者なのです。
これからもっと大きな承認を繰り返すんだし、例え不条理でもこの毅然とした態度は実に好ましい。
リュース・アロート・リヴリア・サーバル・ネージュにコラードとフォスティを加えた7人の旅ですね。
今現在どの程度のレベルかというと、多分まだ2レベルでしょうね。
最低6レベルのコラードの護衛が勤まるのか疑問ですが、まぁなんとかなるでしょう。
ところで、このパーティーに封印の民のコラードが加わるゲーム的必然性があるんですよ。
実を言えば獣人というのは設定上3レベルまで回復タレントが無いのです。
フェネスの"リッキングキュア"、ブルーザの"マティバス"、ディレーオンの"デイスリープ"等はどれも回復系だけど3レベル。
だから獣人のみでパーティーを組もうとしたら、3レベルまで癒し手がいないのです。
例外がウルスの1レベルタレント"パージウーンズ"です。
これは獣人が1時間眠りにつくことで、ダメージを全回復させるのです。
これでどうにか代用するしかない、戦闘中に使うと戦線離脱ですけどないよりマシです。
神聖魔法を使う司祭が同行してれば話は違うんですけどね、あるいは大白鳥の民がいれば。
実は大白鳥の民が使うフーズィーの1レベルタレントに"ファザータッチ"というのがあるんですよ。
接触することでD10+レベル点回復するタレントです、接触する必要のない神聖魔法の"ヒール"よりやや不便ですけどね。
でも大白鳥の民は滅びてるし、それも出来ないんですよね。
★2〜3
コラードの案内でフォスティを封印の部族の大集落に送り届ける一行は、道中解放された混沌に遭遇することになります。
「封印伝説序章」の時からボチボチ解けてきた封印ですが、この辺から加速がついてきたように思えます。
どういう混沌がいるかは、その都度イジっていきましょう。
フォスティ(な混沌)の面倒は専らアロートの仕事らしい、他に適任者がいないのかもしれないけど(笑)
サーバルやネージュは彼女を快く思ってないし、コラードなんて問題外です。
かといってこの娘を"毒女"リヴリアに預けるのは怖い、リプレイみたいに腐った性格になったら嫌だ(苦笑)
リュースは面倒見良さそうに思えて詰めが甘そう、子供に好かれそうな性格なんですけどね。
フォスティに宿る混沌は知的な存在です、でも物質界における生身の生物の常識は持っていません。
だから食事とか睡眠といったことまで教えないといけないんですよね、でも覚えは恐ろしく良い。
「フォスティ育成ゲーム」って感じですね、そんなゲームがあったような気がする。
「アルジャーノンに花束を」のチャーリィよりも覚えるべき事が多い、いや主旨そのものが彼とは違うかな。
今のフォスティは混沌ではありますが、どう見てもイノセントな少女です。
彼女(の中の混沌の魂)は基本的に邪悪ではありませんよ、ただ異質な世界で戸惑ってるだけで。
そんな彼女を見てコラードはふと思います、「彼女は本当に混沌なのだろうか?」と。
そしてこうも思います、「今まで自分が浄化してきた混沌は、本当に全てが混沌だったのか?」と。
その疑問は悪くは無い、むしろ封印の部族は皆一度は考えるべき事です。
「鳥の血に悲しめど、魚の血に悲しまず。声あるものは幸いなり」という言葉があります。
今回のフォスティがまさにこれでした。中身は同じでも器がフォスティとサラマンダーでは反応も違うものです。
破壊衝動に駆られたサラマンダー、傷を負った瀕死の少女。中身は同じですが仮に前者だったらリュースは承認しましたかね?
中身は同じ、死にたくないという意思も同じ。ではその意思を表現できなかったらどうなるかということです。
多分封印者も同じような状況に置かれる事があるでしょう。
自分の意思を伝えて封印を逃れようとするモノ、それすら出来ずただ足掻くだけのモノ。
前者なら思いとどまる余地はあります、でも後者はどうですかね?仮に両方とも封印すべきものではないとしたら?
封印すべきか否かなんてものは、結局は自分の判断なのです。だから"パージ"のタレントは想い、そして重いものなのです。
その重さを背負い込む覚悟の無い者が持っていていい力ではないでしょう。
封印者に必要なのは自分自身を客観的に考える「意思を意思する意思」なのかもしれない。
リュースは彼女の「死にたくない、生きたい」という想いを承認しました。そして今こうして行動しています。
承認者としてそれは間違ってるのではないかという疑問を持ちながら。
何故ならば承認者というのは自分の意見を持たないことを求められるからです。
でも私はむしろ逆だと思います、承認者だからこそ自分の意見を持てとね。
確かに公平に物事を見る事は大切です、でもだからといって自分が何も考えないというのはどうかと思います。
既に神獣は全てを民に託しました、ならば承認者も新しい在り方を模索する時ではないんですかね?
意見を持たずに自分の立つべき位置も考えない人間が、どうして承認した相手の気持ちを後押しできるでしょう?
公平である事と、意見を持たない事はイコールではありません。
自分の意見を持ち、為すべき事を為しながらも公平に相手の意思を推し量る事は出来るはずです。
仮にそれで二律背反する状況に追い込まれたとしたら、その時は自分の意思そのものを承認して自分の行動を決めればいい。
さて、一行は枝角の部族のとある集落に立ち寄ります、そしてその集落は混沌の危機に脅かされていたのです。
そこで集落の代表である女性の村長はタレントによってその混沌を惹き付けているのです。
これと似たようなケースがありましたね、「泉は目覚める」に。
ルセルインもやってましたが、恐らくは"ディアーラン"と"アタンシオン"を組み合わせてるんでしょう。
更には自分の体力や"ラークウッド"とかも交えつつ、全力で逃げているんでしょう。
多分レンジャー技能かハンター技能も持ってると思われます。
そうでなくちゃ何日も逃げ続けられないでしょうからね、命がけの鬼ごっこですよ。
それでその混沌の正体とは何かというと、魔神です、しかもドッペルゲンガー。
サラマンダーの方がよっぽど楽ですよ、人の姿を映す上にそれなりの戦闘力も持つドッペルゲンガーは実に厄介。
ドッペルゲンガーといっても、多分下位魔神のダブラブルグでしょう。
記憶までは写し取ってないようだし、背丈も人間とそう変わらないようですし。
一応クリスタニアRPGにも魔神はいるんですが、下位と上位がそれぞれ1種類ずつなんですよね。
下位魔神の方はザルバードなんでしょうが、上位魔神の方は不明です。
蝙蝠のような羽、赤い瞳、古代語魔法、そういう上位魔神は今のところデータはありません。
一番近いのはギグリブーツかな、でもこいつは4枚羽だからやっぱり違うんでしょう。
そのダブラブルグに村長はとっくに殺されてるんですよ。
そしてその村長の姿でのうのうと村に帰ってきて、油断している村人を捕食するのです。
一つ一つの集落には強い戦士はそういないし、姿を変え続けているのなら討伐するのは難しいでしょう。
そしてそういう化け物の話が伝われば、「自分の隣人が魔神なのではないか?」と疑心暗鬼に駆られるのです。
これがドッペルゲンガーの最も恐ろしい所です、正体を看破するのが難しいだけに尚更です。
タレントを使えばもしかしたたら見破れるかもしれませんけどね。
例えばタルキィーの9レベルタレントに"フォビドゥンワード"というのがあります。
これは物事の本来の姿を引き出すという、強力なタレントです。
9レベルなら半径90メートルの空間に働いている魔法やタレントは全て解除、変身や変装も打ち破ります。
しかも抵抗は不可能、マジックアイテムすら一時的に解除されるというのだから凄まじいです。
これならドッペルゲンガーとはいえ見破れる筈です、集落に9レベルの沈黙の獣人がいればね(笑)
"デーモン・パニッシャー"という魔剣なら魔神だということは分かるんですけど、そんなもの都合よくあるわけないし。
ていうか何処の誰が魔神なんて召喚したんでしょうね、神獣の民か、それとも暗黒の民か。
コラードがいつ封印したかにもよりますが、暗黒の民上陸前だとしたら内部の行いでしょうね。
もしかしたら呪術(古代語魔法)に長けた影の部族とかかも。まぁリヴリアの部族ですけどね(苦笑)
暗黒の民が持ち込んだアイテムの中に"魔神召喚の壷"があったとしたら、クリスタニアに送り込まれた工作員の可能性もあるかな。
カストゥールの勢力が及んでいなかったクリスタニアにもそれなりの古代語魔法の技術はあります。
影の民を筆頭に神獣の民の間にもきちんとした古代語魔法の使い手はいるし、古の民にもいるはず。
でも魔神を召喚する魔法は今は遺失ですね、神獣の民も暗黒の民も。
それに新しき民や暗黒の民が持ち込んだ以外のマジックアイテムはどうやって作ったのかも謎ですよね。
そんなものを作れる技術があったらカストゥールに次ぐ魔法文明が現存していてもおかしくないし。
しかし今の神獣の民にはそんな技術は無い、マジックアイテムといいつつ神獣が付与した祭器や神聖武具なのかな?
クリスタニア産のマジックアイテムはあるらしい、ではその高度な技術は何処に行ってしまったんでしょうね?
そういえば今回はネージュのタレントが何かと目立ちました。
侵入者を察知する為に集落に張り巡らせたのは1レベルの"サーペントセンス"でしょうね。
他の部族の"ビーストセンス"は大抵暗視とかですが、これは結界です。
結界とは言っても所謂バリアーとかじゃなくて、一種の警報装置のようなものです。
レベル×100メートルの範囲に誰かが入ってきたらそれを察知するというものです、ただし正体は分からない。
フォスティを庇ってダブラブルグを攻撃を受け止めたのは"サーペントスケイル"かな。
虹色の鱗を生やして装甲値+2です、2レベルなので彼女でも使えるはず。
これは古代語魔法の"ボディープロテクション"と同じ値の修正です。
SWで言う所の"プロテクション"でしょう、しかもパーシャル同様肉体を変質させるタレントだから魔法とも併用できて便利。
パーシャルとかは肉体を変質させる魔力が一時的に働くだけですから、魔法との重ねがけ出来るんですよ。
ダブラブルグはリュースを色仕掛けで落そうとしましたが、失敗。
リュースもこういう事には慣れていないらしく、初々しくてよかった(笑)
ダヌラブルグは結局逃げてしまうんですが、結果的にはきちんと倒せました。
一行は危機感を増しつつ、急いで封印の部族の大集落を目指す事になります。
★無印・4
はい、今度は"はじまりの冒険者たち"サイドです。
今回は「蟻帝伝説」でラブラドルを離れたレードン・ナーセル・ノーファが出てきます。
3人は一連の事件の後始末を各地でこなしつつ、オーヴィル達との合流を急いでいます。
多分ナーセルはレードンと一緒にいたいノーファにとってはちょっと邪魔なんでしょうね(苦笑)
今回なんて2匹も解放された魔物を退治してましたよ、いずれも瞬殺で。
1匹はもちろんリュース達が取り逃がしたダブラブルグです、レードンと遭遇した時点で死亡確定ですよ。
まぁ当然と言えば当然ですけどね、下位魔神ごときが推定10レベルの戦士に敵うわけない。
もう一匹は、正直言うと正体不明ですね。
私もよく分からない、他のフォーセリア作品にも出ていないと思います。出てたとしても相当マイナー。
その点は「泉は目覚める」で出てきた混沌と一緒ですね。
特徴としては、人間のおよそ3倍の背丈、額からは角、目は無く口が縦に開いている。
最後の特徴だけはドッペルゲンガーに微妙に似てますね。
でも背丈が全然違う。下位のダブラブルグは人間サイズ、上位のドッペルゲンガーは3メートルぐらい。
でもこいつは人間の3倍、5メートル前後はあるでしょうね、しかも角が生えてるし。
ドッペルゲンガーには角は無い、角どころか顔には口しかない(笑)
それにドッペルゲンガーの口は真一文字で縦には開いていない。
こいつは結構強そうだったけど、ナーセルの"パラライズ"であっさり捕獲できました。
あとはレードンが軽くズンバラリンしてお終いです、やっぱりこっちの方が強い。
もしかしたらこの魔物はアザービーストだったのかもしれない。アザービーストは魔界の獣、つまりは魔神獣。
大抵のアザービーストは物質界に存在する生物の姿を模倣していますが、ミックスしすぎてこうなったのかも(苦笑)
ちなみに魔界の魔神獣と終末のものの魔神獣は名前は似てるけど別物です。
こうしてレードンは解放されたものの中でも危険なものを全て片付けようとしています。
それが彼なりのケジメでもあります、それに一生を費やそうとね。
仲間達も同じ覚悟でしょう、それは自分の理想を貫こうとするからこその義務なのです。
★無印〜4
この章はなんといっても"はじまりの冒険者たち"の合流ですよね。
20年ぶりの再会ですよ、みんな歳をとりましたね。
そういえば「はじまりの〜」ではレードン達の年齢とか紹介してませんでしたね、ここでやっときますか。
レードン 18歳→38歳
先のダナーン王の弟ハーヴェンの息子のナイト(かウォリアー)、現王レイルズの伴侶ジェシスのイトコにあたります。
20年前に当時ダナーンを統治していたマリードが原因で両親を亡くし、クリスタニアへ逃れました。
獣の牙の傭兵や"真紅の皇帝"を経て、どんな障害があろうと理想へ邁進する強靭な精神と剣椀を得ます。
今回は封印されたアデリシアを解放し、封印の部族のやり方を改めようとしています。
ナーセル 20歳→30歳
レードンの幼馴染なソーサラー、"世界見の賢者"として飽くなき探究心を発散させます。
レードンの相棒といってもいい男ですが、一度殺しあった経験あり(笑)
混沌界に赴いた際にちょっとした時間移動を経験し、他のメンバーより10歳ほど若い。
オーヴィル 27歳→47歳
かつては冒険者としてダナーンでライファンと共に過ごしていたウォリアー。
宰相マリードに騙されてハーヴェン暗殺を試みるが、レードン共々追われる身になりました。
「はじまりの〜」ではレードン・ナーセルと別れ、ライファン・クイルドと共にアデリシア救出に向かい、今回合流。
ライファン 16歳→36歳
オーヴィルとコンビを組んで冒険者をしていたシャーマン。
レードンがクリスタニアに逃れる際、オーヴィルと一緒にレードンと行動を共にするようになる。
パッチリした目とショートカットは愛らしく、歳をとった今けっこうな美人になった(笑)
クイルド 28歳→48歳
元暗殺者でハーヴェンの密偵としても働いていたスカウト。
ハーヴェンが自害した事に誰よりも責任を感じてレードンを大切にしていた"お気遣いの密偵"(笑)
一行の中では一番影が薄いが、封印の部族の秘密を探ったのはきっとクイルドでしょう。
という具合に5人が合流したのですが、もう1人いますよね。
アデリシア 26歳(20年前から歳をとってない)
ダナーンの王都スパイアーのラーダ神殿に身を置いていたプリースト(ラーダ)。
ハーヴェンに恩があり、反乱の指導者として立つ事を望むが色々あってクリスタニアへ。
封印の部族のストーカーロームに気に入られたことで、20年ほど封印の眠りについています。
彼らが今やクリスタニア大陸最強であろうと思われる"はじまりの冒険者たち"です。
アデリシアを取り戻すため、封印の部族の行いを過ちを考えるため、今回封印を解こうと暗躍中。
今は黒き島に上陸し、祭器『封印の鐘』をガンガン鳴らしています。
封印の部族にはウルスからこんな言葉が伝えられています、
『全ての混沌、全ての邪悪が浄化される時、黒き島が姿を現す。そして覚醒の鐘が打ち鳴らされん――』
つまり、黒き島という場所に納められれている『覚醒の鐘』を鳴らせば封印は解けるのですよ。
"はじまりの冒険者たち"はここに目をつけました。
オーヴィル達は何度も封印の解放を訴えてきましたが相手にされず、強硬手段に出たのです。
鐘の事を探り当て、その鐘を入手する為に黒き島を封印していた長老を暗殺しました、もちろんクイルドでしょう。
私の頭の中には「必殺仕事人」のBGMに乗って長老を殺すクイルドが見えます(笑)
ていうか黒き島も封印されていたんですね、それで浄化されたらどうする気だったんだろう?(笑)
封印されている以上はいずれ浄化されますし、全ての封印が終わる前に島ごと鐘が消滅する可能性の方が高いと思う。
鐘は浄化されないのか、竜王や妖魔王・天変地異といった大物以上に鐘が長持ちすると確信していたのか。
まぁ彼らの使命を考えると、封印が全て終わる時なんて来ませんよね。
それだったらウルスの言葉に反そうとも、いっそ消してしまった方が安心できるかもしれない。
『覚醒の鐘』は一度鳴らせばいいというものでもないようです。
一度鳴らす毎に一つか、あるいは複数の封印が解けるシステムかと思われます。
封印されたものは封印された場所で解けると何処かに書いてあったと思います。
そうそう、鐘とはいってもいわゆる釣鐘状ではないですよ。
アニメ版では除夜の鐘のようにオーヴィルが鐘を鳴らしていたせいかそんなイメージがありますけどね。
釣鐘ではなく銅鑼に近いかな、金属を円盤状にしたやつですよ。
直径は子供ぐらいというのだから結構大きい、持ち運びにくい上にかさ張る。
黒き島にも封印されていた化け物が数多くいたらしく、鐘を鳴らす毎にジャンジャカ増えています。
あとはもう持久戦ですね、鐘を鳴らし終わるのが先か、こっちの息の根を止められるのが先か。
一行には様々な動物の身体に虫の翅を持つ混沌というのが群れで襲ってきました。
多分狼とか熊とか猪とかに翅が生えたのがわんさかきたんでしょうね、ちょっとファンシー。
特に翅付きクマは可愛いかもしれない、鳴き声はきっと「ノギス」でしょう(笑)
デフォルメすればディズ○ーに出せそう、実写だと普通にホラーですけどね。
さて、リュース達の方は封印の部族の大集落に到着しました。
封印の部族の族長はハウラというそうです、ワールドガイドには載ってないので都合がいい。
予想通りフォスティは即封印だと判断されました。
やはり長年染み付いてきた価値観というのは簡単には覆らないんでしょうかね。
彼らにとっては混沌→邪悪で危険→封印というのが絶対なんでしょう。
そこにコラードが待ったをかけました。これを機に封印や混沌について考えたいというのいい兆候です。
夜にリュースがフォスティを連れて逃げようとしてましたが、未遂に終わって一安心。
彼女の意思を承認したからにはあくまでもそれを貫こうというのです。
アロートもフォスティを弁護しようと必死だったのが嬉しい、調停者としては褒められたものではないんですけどね。
一行が滞在している時にも封印が解けた混沌が暴れたりしました。
どうやらレードン達も景気よく鐘を鳴らしているようですね。
多分18ビートぐらいで、レードンのスティック捌きはさぞ凄いでしょうね(笑)
実際はちゃんとした打棒を使ってるようですけど。
でもそのお陰で『封印の洞窟』の中が分かりました。
基本的に門外不出な部族のトップシークレットなんですけど、場合が場合なんで入場許可が下りました。
もっとも、何の役にも立たないうちに再封印出来たので、入れただけ無駄って感じです。
リヴリア「大丈夫よ、誰にも言わないから」
こんな事言ってる、こういう人に限ってバラすんですよね(笑)
どうやら階段状の通路にズラリと封印者が座っているらしい。
腕の中にはまん丸なクリスタルがあり、その中に封印したモノがいます。ちょっと見えるらしい。
奥の方には竜王アルゴスを抱いて眠るウルスがいたりします。
このまま封印を解き続ければこの化け物も目覚めるんですよね。
竜王ドラゴンロードとは始原の巨人の鱗から生まれた竜の第一世代とも言える神殺しの竜です。
古竜である魔竜シューティングスターや金鱗の竜王マイセンとは格が違うと思われます。
SWのモンスターレベルでいえば魔神王を上回るでしょうね、20以上はかたい。
古竜と竜王が明確に違うランクの竜ならばね、私はそうだと思いますけど。
一部非公式ですが、竜の分類はSW形式でこんな感じになっていると思います。
下から順に青銅・白銀・黄金って感じですね。各個に星座の名前が付いてるとか(笑)
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古竜までのレベル設定は公式です、あとはその上に竜王がくるかどうか。
古竜と竜王が完全に別のランクなのかが本によって曖昧なのでなんとも。
上位種と最上位種という区分は確かに存在するんですよね、そして竜にもこれは当てはまると思うんですよ。
ただ「ロードス島コンパニオン3」には神殺しの竜としてエンシェントドラゴンとは別に、エンシェントドラゴンロードなる設定が載っています。
最上位種が上位種の中でも最も強力な存在だとするならば、古竜の王という呼称は的を得ているのかもしれません。
下位種と上位種は明確に種族的な隔たりがあるけど、上位種と最上位種は前者ほどの隔たりがないのかもしれません。
一般に20レベルの魔神王が神に匹敵するといいますが、ファリスやファラリスはもっとレベルが高いと思う。
神が自分達の創造物と大差ないなんて変だし、20レベル程度で測れるような神じゃないと思う。
神が自ら世界樹から創造した種である魔神の王と同格というのはやっぱり納得いかない。構造的に美しくない(苦笑)
そして神が20レベルを超えるというのならば、神殺しをこなす竜王もそれぐらいないと変です。
だから私はハッキリと竜王という最上位種は、古竜という上位種と分けられると思う事にしています。
ルールブックで古竜となっているのは古の竜という意味で竜王と古竜を混同していると解釈します。
ドレイクというのも上に同じ、神殺しの竜と言う時は普通竜王を指すと思います。
もしかしたら神格の低い神は20レベルを割るかもしれないし、それなら古竜でも倒せますね。
アルゴスが復活したらクリスタニアが滅亡しかねない。
一行は事の真相を確かめるために"はじまりの冒険者たち"がいる黒き島へ渡ることにします。
★1
黒き島はかつて、アルゴスのブレスによって焼かれたのがその名の由来だそうです。
アルゴスは"百の目を持つ"と呼ばれるだけに偵察が主なんでしょうが、それでも竜王だからそれなりに強い。
竜のブレスって絶対小説とゲームでは差がありますよね、本当にミスリルを溶かせるなら人間なんて生死判定なしで即死でしょう。
リュース一行は黒き島までは当然舟を使うわけですが、これは結構大変だったりする。
何しろ神獣の民というのは水を嫌います、周期の支配を受けない水の流れは混沌とされてきましたし。
別にクリスタニアに限らずフォーセリアでは海は生命の母ではなく混沌です、神獣の民はその意識が特に強い。
10年前まで川や湖はともかく海が存在しなかったのだし、カナヅチが多いでしょうね。少なくとも潮流を読んだりするようなセイラーはいない筈。
リプレイではあったオールギンや幽霊船との接触は普通に飛ばされました。あとシーサーペントにも襲われましたが、なんとか撃退。
一応5レベルのモンスターですし、海の上だから危なそうですがコラード(6レベル以上)もいるし負けやしないでしょう。
これがジャイアントオクトパスとかシードラゴンとかだったらどうなってたことか・・・・・。
さて、オールギンはちょっと特殊な神獣なので、ここで紹介しないと他で場所が取れそうにありませんね。
"彷徨の巨鯨"オールギンの守護対象は守り、潮流、警備。"外なる守りの神獣"、"海魔と潮流の支配者"とも呼ばれています。
オールギンの特徴としてはまず民を持たない事が挙げられるでしょう、眷属のオルカだけを従えて泳いでいるのです。
内部の混沌を封印するのはウルスや封印の民の仕事ですが、オールギンは外から接近する相手を飲み込んで浄化します。
神々の中で最も巨大な体躯を持つオールギンは、高位の神々(ファリスとかかな?)を守る事を仕事としていました。
神々の大戦の際は中立神達を守り、ここまで逃げてきましたが、自分が竜王の目につくことを恐れて海に止まったのです。
だから今でも海の底にはオールギンの骸が巨大な岩となって横たわっている筈です。
大変立派な神様ですが、「不平の周期」においてはバルバスに同調して暗黒の民の接近を許したりもしています(苦笑)
もしそうでなかったら、アシュラムVSオールギンというドリームマッチが実現していましたよ。
超英雄キャラが神獣にどの程度通用するのか、非常に興味はあるんですけどね。
上手くすれば倒せたかもしれませんよ、超英雄キャラはそういった奇跡を起こす存在ですし(倒してどうする―笑)。
「不平の周期」というのは一番最近の、そして最後の周期のことです。
フーズィーの離反をきっかけに、当時のバルバスは周期を改めるよう提案したのです。
ところがフェネスはこれを拒否し幾柱かの神獣の反感を買いました、その内一柱がオールギンだったのです。
リプレイではうっかり幽霊船やアースウォームを食べて苦しんでましたけどね(笑)
★2
こうして黒き島に上陸した一行は"はじまりの冒険者たち"と出くわすわけです。
リプレイと同じくライファンが封印されてたグリフィンに襲われていた所を助けたのがきっかけでね。
ていうかグリフィンまで混沌扱いですか。グリフィンって確かフォルティノが創造した魔獣なんですよね、ここでは。
眷属とまでは言わないまでも、混沌扱いされる言われはないと思う。まぁ封印した輩が無知だった可能性もありますが。
リプレイでは3人しかいなかった"はじまりの冒険者たち"ですが、今回はフルメンバーです。
レードン「恨みはないが・・・・お前達の命、貰い受ける」
いくら中の人(アニメでは緑川光さん)が同じだからって、出くわして早々「お前を殺す」宣言ですか(笑)
それじゃあアデリシアが「私を殺しにいらっしゃい」とか言い出しかねません、中の人(弥生みつきさん)はリリーナじゃないけどね。
そういえばリリーナの中の人(矢島晶子さん)ってアニメの「リウイ」ではアイラ役だったんですよね。
推定10レベルの戦士が相手じゃ全員でかかってもまず勝てません、戦うぐらいなら"ビーストウォーク"で逃げた方がいいですよ。
ライファンが"ファイアウォール"を立てなかったらリュースがズンバラリンされてましたよ。
危なかった、危うくクリスタニアが終了するところでしたよ。(笑)
リプレイとは逆になりましたね、リプレイでは一行を阻むために使われたんですけど。
ここで彼らは封印や混沌について大いに議論します、それはもう「朝生」並に。
レードン達の主張とネージュやサーバルの主張は互いに正当性があるだけに承認しがたいですよね。
つまり多数の為に少数を犠牲にしてもいいのか、あるいは少数の為に多数を犠牲にしてもいいのか。
前者が"はじまりの冒険者たち"で後者はコラードやネージュといった保守派です。
難しい問題です。少数の為に犠牲になるなんてまっぴらでしょうし、多数の為に自分が犠牲になることも納得いかないでしょう。
二律背反する選択を迫られた時、大抵は決めあぐねるものです。ましてこれは命がかかっている問題です。
混沌が大勢の人の危機になるというコラードに対し、レードンは断言しました「全ての混沌と戦う決意がある」と。
レードンは「蟻帝伝説」のような経験もあるし、理想が軋轢を生む事を知っています。
そして理想を貫く為にはあらゆる事を犠牲にする覚悟が要るという事も。
彼らは全てを覚悟しているのです、自分達の目的の為に根こそぎ責任を取る事をね。
レードンは言います、蘇った混沌はどうにか出来る、浄化されたモノは二度と救えないとね。
云万人が死ぬかもしれないし、そうでないかもしれない。リスク以上のリターンがるかもしれないし、その逆かもしれない。
それでもレードン達はこっちを選んだのです、未来は変えられるが過去となったモノは変えられないのだから。
大変手前勝手な事と思われるでしょうね、「私」は悪で「公」は善というのが真っ当な人間の考え方ですから。
だからこそ「私」のファラリスは悪で「公」のファリスは善と見なされるのです、それは人間なら当然の考えです。
しかし「私」も「公」も両立する事が理想であり、時に「私」を貫く事があってもいいと思います。
例えそれで謗られようと蔑まれようと迷惑かけようと、それを覚悟しているのならその「意思」そのものは否定できません。
勿論「行動」を否定する事は出来ます、被害を被るのなら阻止する、それもまた当然な事なのです。
大切なのは善悪で物事を判断しないこと、普遍的な善や悪や正義は存在しないのだから。
善悪なんてものは概ね願望に基づくものです、その人の勝手とも言えます。
全ての人間や共同体は自らの「正義」を持っています。その正義に適うものは善、適わないものは悪と見なすのが普通です。
それじゃあ同じ事象でもある者には善であり、ある者には悪となることだってあるのです。
正当か不当かが問題であり、不当だと思うのなら止めればいい。時に両方が正当という時もある事を忘れてはいけませんけどね。
そういう時は自分の主義主張を通すよう全力を尽くすしかないでしょう、何しろ両方に正当性があるのだから。
そういった闘争は意思を持つモノの業なのかもしれません。生きる事が自分を貫く我侭だとしても、やはり人は生きねばなりません。
この世の全てに答えなどなく、同じく等しい人間など一人もいやしない。だからこそ意思を持ち、選択し、行動するのです。
リュースもまた選択をしました、違いを見出して片方を承認したのです。
リュース「俺は、レードンを承認する!」
自分の人生を全部つぎ込んででもまっとうしようという承認ですよ、世界を変える承認でもあります。
リュース「封印された民はこのままだと誰にも救う事が出来ない。だがこれから起こる危機は俺達の力で防ぐ事が出来るはずだ!」
リヴリア「どうしてそう言い切れるの?」
リュース「俺は獣の牙を信じている!」
アロートも同意のようですが、実に堂々とした承認でした。
承認者は自分の意見を持たないなんて誰が決めたんでしょうね、自分の意見を持ちながらも立派な承認は出来るじゃないですか。
ここのシーンでは一行がそれぞれの神獣から神託を授かってるのですが、他のメンバーのはどうだったんでしょうね?
ディレーオンは「自らの内にある想いを承認せよ。人の意思が開かれた世界を作るのだ」でした。
他のメンバーの神託は小説では分かりませんが、リプレイではそれぞれありましたね。
結果アロートとリヴリアはリュースにつき、ネージュとサーバルはそれに反対する事になりました。
小説でも似たような感じでしたし、概ね一緒でしょうね。
★3
このままだとネージュ、サーバル、コラードは確実に死ぬ事になります。レードン達は敵対するのならば容赦しませんよ。
それでも彼らは戦うつもりです、強い意志を持つという点ではリュースやレードンと同じなのだし。
彼らが絶対に間違ってる訳じゃないですよ、それもまた否定できない「意思」であり「選択」なのだから。
ここでついにフォスティが、というか中の混沌が自分の記憶を取り戻します。
彼女にも神託が来たのですよ、"夢幻の胡蝶"レスフェーンのね。
上の方でも言ったように彼女(といっていいのか?)は胡蝶の民ではありませんが、それに召喚されたものです。
ナイトパピヨンのように思えますが実は違うのかもしれない、そんな微妙な存在です。
しかしその力は結構なものですよ。ナイトパピヨンの力を借りたとはいえ、混沌輪なしで一行を混沌界に案内出来るのだから。
これについては「神王伝説」で散々触れましたよね、自分の心の混沌へ潜り、混沌界へ行くというやつです。
レードンやナーセルにとっては2度目ですね、もはや常連です(苦笑)
混沌界への行き方はちょっと不可解ですけどね、ナイトパピヨンの鱗粉は幻覚の作用はありますが混沌界にはいけないし。
でも夢幻界への扉とかいってたし、もしかしたら特別に9レベルの"ドリームゲイト"のような効果があったのかもしれない。
"ドリームゲイト"は混沌界への扉を開くという何か凄いタレントです。
混沌輪やケイオスランドの"混沌"のように、心の混沌に触れる必要があるのかどうかはよく分かりません。
今回のフォスティの仕事は混沌輪と同じようでしたし、混沌界へ触れるのなら通る道なのかもしれませんね。
ケイオスランドの"混沌"は混沌界へ行く事とは少し違います。
ケイオスランドの"混沌"はジャカオに触れて物質と力の境界線が揺らぎ"混沌"となるわけですが、レスフェーンの場合精神を飛ばすのです。
同じく混沌へ触れるとはいえ、胡蝶の民やレスフェーンの方がかなりレベルが高いですよ、"混沌"になるわけじゃないですし。
ここでリュース達5人とコラードにレードンとナーセルが混沌界へ行くわけですが、ネージュとサーバルは昔のレードンのように弾かれたらしい。
初めは表層意識に潜り、更に深層意識にまで達し、そこで自らの混沌を見るのです。
混沌界へ行くのならばこの混沌から「目を背けず、飲まれず」が必要です。レードンは昔、それが出来なかった。
ネージュとサーバルもそうなんでしょうね、結局は自分の内にある混沌を認める事が出来なかった。
どんな混沌を見たかは分かりませんが、認められなかったのだから混沌や神獣の教えに関することでしょうね。
意外にもコラードもこれたんですね、彼もまた混沌を認めたのです。もちろんレードンも来れましたよ、20年前とはもう違うのです。
リュースの見た混沌というのはそれほど意外でもなかったです。
フォスティが封印されるのを黙ってみている自分、承認したフォスティが人を殺める混沌だったという虚像。
いずれも在りあえたかもしれないモノですが、リュースはそれすらも認めました。
リュース「どんな姿であろうと、自分を認める事が出来なければ、他の者を認める事など出来はしない!」
これこそが真の承認者です、承認者である鬣の部族が求めるべき姿がここにあるのかもしれない・・・・・。
一方、残されたネージュは抜け殻のレードンを殺すつもりだったりします。
わざわざ"プロウポイズン"まで使ってましたが、サーバルの"フェザーショット"で事なきを得ました。
サーバル「リュース達が戻ってくるまで待つんだ!」
ネージュ「嫌だ!」
嫌だってアンタ、サーバルの方が聞き分けありますよ(苦笑)
★4
混沌界へ赴いた一行の方は、混沌界を経由してウルスの深層意識に到達するというツアーを体験しました。
つまり混沌界を経由すれば他人の意識に入れるんですね。ネットを介して他の端末に侵入するようなもの……だと思う(苦笑)
まるで相手の夢に潜り込むタレント3レベルのタレント、"ドリームダイビング"のようですね。
本来レスフェーンの獣人以外は出来ない芸当ですが、混沌界を経由すればこんなことも可能なんですね。
ウルスはとても聡明な神でした、そして優しい神でした。凄い物分りがいい、ルーミスとかよりもよっぽど話しやすいです。
周期や結界が失われた事を知り、リュースやレードンの主張を聞き、封印を解放する事に決めました。
クリスタニアが人に委ねられたのなら、方針を決めるのも人であり、古い封印は改める必要がある。
その事実に愕然とするコラードへのケアを忘れません、なんていい神様なんでしょう(笑)
でも実際コラードへウルスが言った事はその通りなんですよね。自分達の封印が無駄だったと嘆くコラードでしたが、そんなことはない。
開かれた時代にも封印の部族の強力なタレントは無用じゃない、課題は多いけどそれだけ使命も大きい。
確かに無茶な封印はあったかもしれない、だけどその「意思」は評価すべきなのです。
神獣の民は皆これからの道を模索する段階です。封印の部族は無用ではなく、変革期に至っただけなのです。
こうして封印は解かれ、封印されていた全てのモノは目を覚まします。
無罪のモノを救い、危険なモノを誅する。大仕事ですが、これも新たな時代に進む為に払うツケなのです。
となれば竜王アルゴスも目を覚ます、それへ対抗するために神獣達は10年ぶりに会合を開きます。
基本的に大周期の境に行う会合ですが、こういう臨時集会も時にはあるでしょう。
黒き島には各神獣が集います、またもやエレクトリカルパレードですか(笑)
歴史には介入しないと決めた神獣達ですが、今は介入すべき時です。
民達がこの難事に立ち向かうのですから無視できないでしょうね、竜王もいるし。
なんだかんだで神獣達って結構親バカなのかもしれない(苦笑)
★1〜3
覚醒の鐘は鳴り続け、いよいよ竜王をはじめとする全ての封印が解かれる時がきました。
フォスティな混沌とは前回でお別れです、元々混沌界の生物だったしね。今頃は故郷に帰っているでしょう。
元祖フォスティの方は既に魂は抜けているので目を覚ましません。でも大丈夫、レスフェーンとフーズィーの力で蘇生しますから。
あれから10日も寝ていたリュース達は『封印の洞窟』のある大集落で目を覚ましました。。
神獣達の力を持ってすれば10人やそこらを一瞬で『封印の洞窟』まで移動させるのも可能でしょう。
ていうか10日ですか、それって混沌界から魂が帰ってきて10日間も寝てたってことですかね。
あるいは時間の流れが違うせいで、魂が帰ってきたら10日過ぎてたとかいうオチかな。
既に神獣達の会合は終わり、正式に混沌解放の許可が下りました。
流石にルーミスとかフォルティノは反対したんでしょうが、当事者であるウルスの意見もあってこの結論です。
集められるだけの戦力が集められ、神獣達も南北クリスタニア全土から集っています。
中には北では馴染みが薄いのもいますし、フェネスやルーミスほどの力を持たない神獣もいます。
何だかんだで神獣王は神格高いですよ、多分六大神に数えられるぐらいには。
フェネスなんてファリスやファラリスに匹敵するらしいし、それって神々の中でも最高位ですよ。
ルーミスだって物質界や精霊界の障壁を作った神なだけに決して低い神格ではない筈。
ブルーザはマイリーの従者だったらしいからちょっと低いかな。
そういえば、ブルーザはマイリー(あるいは女王)とジャカオとの戦いに参加したことあるのかな?
決戦前、傭兵達は思い思いの時間を過ごしますが、レードンはアデリシア(の水晶)と再会を果たしてたりします。
もうすぐ彼女も解放されます、今はその時を待って混沌と戦わないといけません。
手引きをしたのは(多分)コラードとクイルド、気になるのかノーファもついてきてたりします。
ノーファはレードンの力になろうとここまでついてきた訳ですが、それももうすぐ終わりなんですよね。
彼女はレードンの想いがアデリシアに向いている事を承知で力になろうとしているのです、ここにもまた真実の愛があります。
そういえばサーバルが楽器などを弾いてましたね、意外にも(苦笑)
「クリスタニアRPG」にはバードとかミンストレルとかいうクラスはないんですよね。
つまりは吟遊詩人、ちなみにバードはケルトの詩人で、ミンストレルはイングランドの宮廷詩人らしい。
SWでは吟遊詩人といえばバードですね、呪歌という要素もクリスタニアに加えられたら面白いんですけどね。
そうそう、忘れてましたが「暗黒伝説」以降の仲間である暗黒の民のアスファも出てるんですよね。
今回は偵察部隊の隊長としてですが、彼の部隊も混沌に襲われてました。
色々なモノに襲われたようですが、赤い猪の群れなんてインパクトがありますね。
決してブルーザの眷属タスクボーアではない、正体は不明ですが混沌界に属するモノには見えませんね。
群れというのが不思議ですね、やっぱり群れごと封印したんでしょうかね。まさか1匹につき1人が"パージ"ということはないでしょうし。
さて、混沌との決戦ですがこれがまたとんでもない大規模戦闘になりました。
地上では神獣の民の戦士達と混沌が、上空では神獣達とアルゴスが壮絶な戦いを繰り広げます。
かつてルーミスが大蛇の民を率いて古の民を攻めた事もありましたが、今回はスケールが違う。
ベルディア相手にこれをやってたらもっと早く決着がついてましたよね(苦笑)
具体的な戦略なんて物はありません、何人かのグループを作って各個撃破です。
例えるならば「モグラ叩き」か、あるいは「ワニワニパニック」か(懐かしい―笑)
まぁ場合が場合だし、元々神獣の民は戦略はあまり立てない方だし、これでいいのかな。
確か封印は封印された場所で解けるはずでしたが、何故かどの混沌も集落周辺に湧いてくる(笑)
もしかしたらその設定は公式じゃないのかもしれない、アニメ特有?
「泉は目覚める」ではオルフォードは洞窟で目を覚ましたし、混沌が必ずしも封印された場所で解放されるとも限らないのかも。
でも何故にこの集落に集中的に出てくるんでしょうね、封印者も被封印者も洞窟周辺で目を覚ますって事なのかな?
湧いてくる混沌も侮れませんが、やはり怖いのは百の目を持つ竜王アルゴスです。
名前の通り体中に目があるらしく戦闘用というか偵察用の竜なのかもしれない、それでも強いけど。
古竜以下の竜は一般に地・水・火・風・氷・光・闇のいずれかに属していますが、竜王はどうもそういう分類は出来ないらしい。
「黒翼の邪竜」で採り上げた「神殺し四神竜王」もそうでしたしね。
しかも竜の形や大きさが古竜以下と同じとは限らないのです、翼が太陽を覆い隠す竜王というのも実在したかもしれませんよ。
アルゴスは「クリスタニアRPG」ではサポートしていない竜語魔法をフルに活用してきます。
"サモン・ワイバーン"や"サモン・レッサードラゴン"といったものを使われたら神獣はともかく民が危ない。
ワイバーンやワームといった亜竜に成竜レッサードラゴン、どれも怖い相手です。
しかも咆哮とかも使ってくるし、SWだったらこれだけでほとんどが戦線離脱ですよ。
仮にアルゴスがSWでは21レベルだとしたら、抵抗の目標値は28になりますね、はい抵抗不可能です(苦笑)
だってカーラのサークレットですら25ですよ、こんなの超英雄ポイントでもないと抵抗できませんよ。
SWでは咆哮を食らうと恐怖表から効果を割り出すわけですが、それで役立たずになる確率は2/3だったりします。
実はペナルティーだけで済む確率は低いんですよね、だからSWでは"バトルソング"とかが好ましい
まぁクリスタニアなら自前の抵抗力によるロールに成功すればいいんで、結構楽でしょうがね。
ちなみに「クリスタニアRPG」のレッサードラゴンには咆哮はありません。
ブレスだって一体どれだけのダメージになるのやら、まぁ食らったら即死レベルなんでしょうけど。
これまたSWでは目標値がレベル+7になるから咆哮と同じですね。
ブレスのダメージは打撃力40+追加ダメージ(レベル)点になりますかね。まぁ30点やそこらはくるでしょう。
一応老竜は打撃力20で古竜は打撃力30らしいんで、竜王ならさらに+10かなと。
火竜のような火の精霊力が極めて強い竜だとしたら更に+10で打撃力50、メテオ並ですよ。
では「クリスタニアRPG」ならどうかというと、これもまた厳しい。
リプレイによれば期待値にするとブレスは100点、尻尾は50点らしい。SWでもクリスタニアでもやっぱり即死っぽい。
そんな中よく戦いましたよ、リュース達は知らないうちに4レベルになったようですし。
リュースは3レベルの"パーシャルビースト"を使ってましたし。
それだけでなくアロートは"バインディング"を、リヴリアは"ライトニング"を使ってました。
いずれの魔法も4レベルなので、残り3人も4レベルかと。
倒したのはワイバーン3体に混沌4体、かなり頑張りました。
「クリスタニアRPG」のワイバーンって通常武器無効なんですよね、デザイナーである水野先生本人も謎らしい(苦笑)
あとSWではただのダメージ毒だった尻尾攻撃ですが、こっちは致死毒になっています。
つまり抵抗に失敗したら即死です、凄い厳しいですよね。そんなのを3体相手にして死人が出ないというのも奇跡に近い。
ましてこのパーティー癒し手がいない。他の傭兵に助けられたりもしたんでしょうが、本当によく生き延びましたよ。
あと"はじまりの冒険者たち"はやっぱり強い。とりあえずレッサードラゴンも秒殺です、どうみても何分もかかってない(笑)
このパーティーだって癒し手はいませんがやっぱり全員生き残ります、流石は"はじまりの冒険者たち"。
そう言えばルールではカバーしてないだけで"ヒーリング"は存在するらしいので、ライファンが癒し手かな?
一方、神獣達VSアルゴスの方はというとこれがまたレベルが高い。
やはりブルーザやルーミスが強いですね。神獣の状態でここまで戦えるとは予想外。
ルーミスお得意の結界は推定100点ダメージのブレスすら防ぎます、伊達に結界の神は名乗ってません。
リプレイでは上位精霊を使役してた神獣もいたらしいし、この団結が当時も生み出せていたらアルゴスはとっくに倒してたと思う。
フェネスがほとんどトドメを刺したようなものでした、美味しい所を持っていきますね(苦笑)
最終的にアルゴスは魂を神獣達に砕かれたらしい。
つまり竜語魔法の"リボーンドラゴン"で転生するのを防いだんですね。仮に転生しても精々老竜だし、あまり怖くないんですけどね。
まぁ竜王だし、転生後も古竜か竜王として生まれるような術を心得ていたとしても驚きませんけど。
あるいは今際の際に"エッグ・シェルター"を使って治癒しようとしたのかもしれませんが、それはそれで封印されそうです。
下手に戦わずにさっさと"テレポート"で逃げればよかったのにね。
全てが終わって、それぞれは自分の道を歩き始めます。
"はじまりの冒険者たち"ですが、ついにアデリシアが目を覚ましました!!
とはいえ封印された場所で目が覚めたわけではないようですね。
当時アデリシアが封印されたのは、イスカリアとベルディアを隔てた断崖にあった三つの砦の一つ、ウンガロ砦です。
でも今回アデリシアが目覚めたのはイスカリアの森の中、明らかに違う場所です。
でも封印された場所で封印が解けたという可能性は残ってますよ。
ライファンは「ようやく目が覚めたのね」とか言ってたし、封印された場所でアデリシアを回収してこの小屋で介抱してたのかもしれない。
となるとレードン達はアデリシアが昏睡している間に彼女との再会を果たしてたんですよね。
でもアデリシアがちゃんと目を覚ましての6人再会は間違いなくこの瞬間です。
レードン「やっと逢えた・・・・・・・」
この一言には20年にも及ぶレードンの苦労が凝縮しています。
皇帝やったりなんだりで色々ありましたが、ようやくあの日失った大切な人を取り戻す事が出来ました。
ノーファはもういません、大人しく身を引いたんですね。
思えば彼女も色々ありました。付き合いそのものはアデリシアよりも長いし、レードンに注いだ愛はかなりのものでした。
それでも、ノーファは身を引いたんです。多分ラブラドルへ帰ったんでしょうね。
彼ら"はじまりの冒険者たち"はこれからも戦い続けます。
やがて現れる終末の軍勢との戦いにもきっと参加するでしょう。
その時まで、彼らはクリスタニアの何処かで混沌と戦い続けます。
それがどんな戦いかは分かりません、一つ断言できる事は彼らはクリスタニアで生きているということです。
リュース達の方はというと、こちらには別れがありました。
ネージュとサーバルはこの砦を去ることになったのです。
ネージュは自分の集落を守る為に、サーバルはレードン達を監視する為に。
リプレイでは二人ともイスカリア砦に転属だったんですけどね。
ネージュはまぁ予想できましたが、サーバルはちょっと意外。
確かに孤高の民はクリスタニアの秩序を監視する事が役目ですが、そういう考え方もあったんですね。
つまり"はじまりの冒険者たち"+サーバルの7人パーティーになるんですね、これはこれで面白そうなパーティーです。
まぁいずれ会う事もあるでしょう、「秘境伝説」の小説が出たら(笑)
フーズィーは戦死者を軒並み蘇らせるというミラクルを見せました。
流石は"魂の運び手"、これぐらいなら可能なんですね。
お陰でフォスティ(本人)も蘇ったのです。流石に一連の事件の事は覚えてないようですが、そっちの方がいいでしょう。
混沌は解放され、益々クリスタニアは混乱するでしょう。
しかしこれで神獣の民の古い体制は全て入れ替わったことになります、次は外交問題ですね。
リュース・アロート・リヴリアは新たな仲間を加え、まだまだ事件に挑みます。
次の冒険は「暗黒伝説クリスタニア」です!
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