「ふたりのラビリンス」編:安田均 水野良 他 出版社:富士見書房

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「ふたりの迷宮」作:水野良

★1

文庫自体は「ふたりのラビリンス」なのに、表題作であるこのお話は「ふたりの迷宮」だったりします。面白いからそのままにしておきます。

さて、前巻から続いて羽根頭登場。文庫の仕切りを無視すると連続で羽根頭書いてます。

前回ウザったい神官戦士たちの事件を解決し、我らが羽根頭たちはロマール方面へ移動中です。


しかし、お約束でしょうかね。羽根頭一行、予想に反して数時間歩いた挙句ようやく、迷った事に気づいた(笑)

マサルさんネタは知ってる人いるかな?

そのうちスキャナーでも買ったらファンロードの見せましょうみたいに

フォーセリアキャラでパロをやりたいですね〜

「原哲夫先生のロードス島戦記」とかね(北斗っぽく)


話は戻って迷ってます

本当にねぇ・・・・・・この連中は

シーフ技能だけでなくレンジャー技能まで不振なんですか!

それでいいのか?羽根頭

ていうかレンジャー技能持ってる人いないし・・・・・・・

4人パーティーって少ないですよね、死せ神もそうですけど

最低5人は欲しいです、ユウは


本来オーファン国内からロマールへ抜けるには二つの街道を使うのが良いかと思います

ファン⇔ファンドリアを結ぶ「光と闇の街道」を使って先ずはファンドリアへ

続いてはライナス⇔ファンドリア⇔ロマールを結ぶ「いにしえの街道」を使ってロマールへ

全旅程は約13日、素直に街道を使えばいいものを

いや、ファンから来たわけじゃないから12日ぐらいかもね

よりにもよってターシャスの森を抜けてマナール湖東岸を歩いて行こうだなんて

そういうことはレンジャー技能を取ってからにして欲しいです(笑)


まぁ、寄り道すればこその発見もあるわけですがね

なんと古代文字が彫られている大岩を発見、どうやら扉らしい

この奥には今まで他の冒険者たちが踏み入っていない未知の遺跡があるわけです

これは燃えるシチュエーションですね

冒険者たるもの、未知の謎には心を弾ませないとね

ていうか、それが出来ないようじゃ最早冒険者じゃないです(笑)


ここターシャスの森はここ最近取り上げられる事が多いです

リウイとかヘッポコーズとかでね

どっかのシナリオ集ではターシャスの森全体のフィールドマップなんかも用意されてたりします

何でしたっけね?後で調べておきます


"争いの森"に来たんだから

てっきりエルフさんとかと一悶着起こすのかと思ったんですけどね

その辺世渡りが上手です、羽根頭

もっとも、それで迷ってたらしょうがないんですけど


ちなみに、この連中が今頃到着している予定だった街はレムリアです

レムリアはファンドリア第二の都市です

元々は独立した都市でしたが新王国暦494年にファンドリアに併合されました

丁度ファン王国が滅びてファンドリアが建国された年です

なんとオーファンよりも6年も早く建国していたんですね、ファンドリア

もっとも、多くの組織が絡んでこそですが


さて、例の扉ですが

オスターが根性で開けました、思ったよりもガードが緩い

中に入ってみたらいきなり入り口がしまって閉じ込められると

期待を裏切りませんね

さて、ここで羽根頭たちは重要な事を思い出しました

盗賊がいないということに!(笑)


★2・3・4

本当にねぇ・・・・・・・

盗賊もいないのに遺跡に挑むなんて自殺行為ですよ

罠は見つけられない、外せない、鍵は開けられないし調査も出来ない

一体何がしたかったんだ、羽根頭(笑)

遺跡探索の経験は限りなく0に等しい事が分かりましたね

一応今体験してるんで、全くの0ではないんですね


リーライナときたら

自分が行く行くといってたくせにね

こんな事になったら「ライスが止めなかったから悪い!」ですって

ライス・・・・・・こういう時は怒って良いんだよ(苦笑)

いくらなんでも理不尽過ぎますって、リーフだってもっと謙虚ですよ

ゴーマンかましまくりです


さて、この遺跡には悲しみが満ちています

それはこの遺跡に取り残されたレイス、ディアネーの悲しみです

彼女はカストゥールの時代に死霊魔術の名門の家に生まれました

魔法の修行に励んでいたのですが、ある日運命的な出会いを果たします

それは魔法王の即位式の事でした

相手は付与魔術の名門の家系のジェフメルという男です


ところで、この魔法王って誰でしょうね?

彼女は額に黒水晶はつけてませんが、それはあまり当てになりません

何故ならば、魔力の塔が本格的に使用されたのはカストゥールの最後の王ファーラムの時代だからです

ファーラムの即位と魔力の塔の公的使用がどれぐらいの時間差があったのかは分かりません

でも、ユウの希望としてはやっぱりファーラムの即位式がいいです

これから思う存分魔力が使えるバラ色の時代の直前と思うとロマンですし


2人の恋は一気に燃え上がりました

が、両親はそれを許しませんでした

彼女は家長としてノーライフキングになるか一門の当主から婿を取るかを迫られました

結局はノーライフキングの方を選んで修行に励んだわけです

しかし、ジェフメルは諦めていませんでした

こっそりと秘密の迷宮(ここね)を作ってそこで2人は会うことにしたんです


そうして2人は忍ぶ恋を続けていたんですが、悲劇が訪れました

それは偶然の連続によって起った悲劇

ジェフメルは二人の愛を永遠に出来るかもしれない、なんて紛らわしいことを彼女に漏らしました

彼女は一足早くこの迷宮に来たわけですが、何時まで経っても彼が来ない

とうとう意を決して"レイス・フォーム"(幽体離脱)で彼の館に急行しました

見つからない為だそうですが・・・・・どうでしょうね?


が、あえなくタイムアップ

急いで帰ってきてみれば今度は扉が開かない、身体に戻れない!

実は、彼はちゃんと来たんですよ

そこで見たのは仮死状態の彼女

彼は自分と彼女をフレッシュゴーレムにして永遠に一緒になることを望んだのです・・・・

ホロ苦い・・・・・・


カップル揃って悪循環連係プレイですよ

そんなことで彼女はレイスのままこの遺跡に1人居続けているのです

普通の扉ならレイスには通り抜けられるんですけどね

どうやら魔法的に隔離されている部屋らしい


と、今回のネタ晴らしも終わったわけですが

新しい「ロミオとジュリエット」ですね

仮死状態の彼女を見て先走った真似をする所までそっくり

だからここは「ふたりのラビリンス」なんですね

ユウは勝手に「ラブラビリンス」と呼んでますけど(笑)


今回チェペルがちょっと変です

彼女の幻影を見てその出来に見とれたり

彼女自身を見てやけに協力的になりますし

やっぱり・・・・・惚れてた?

まぁ彼は魔術師にしては現実主義者らしいですし

けっこう掴めないです、チェペルって


そうそう、レイスになったディアネーですけど

幽霊の例に漏れず、時間の感覚が希薄になってます

ロードスの「炎を継ぐ者」に出てきたファントム、ブルネイもそうでしたね

自分が死んでから何年経ってるかさっぱり分かんない状態なんですよ

ブルネイは200年でしたが、彼女は500年以上

驚きますわな


一応レイスと"レイス・フォーム"についていくつか

"レイス・フォーム"は8レベルの魔法です

自分の魂を肉体から分離させ、レイスとして活動できるようにするんですよ

要は幽体離脱ですね、レイスは差し詰め生霊ですか?

期限は一日、それを過ぎたら永遠に元の身体には戻れません

そうでなくても肉体が死んでしまえばやはり戻れませんし

レイスの方が破壊されたら魂のない植物人間のみが残っ絶対に生き返りません

ラーメンマンみたいにね(笑)ちょっと違うけど


レイス自身も強力なモンスターです

やっぱり8レベルで古代語魔法も8レベルで使えます(当然だけど)

スペクターとかと違って物理的攻撃は一切無効です

ダメージ魔法も効かないんだから、魔剣とかも効かないはず

でも日光を浴びると一発で死んだりする

"シェイド"や"メンタル・アタック"なんかで精神力を0にするしかないですね


ソウルクラッシュも効くかな?

要は魔神王と一緒ですね、どんなにドツいても意味がない

あと、知識関係の技能や魔法も使えるそうです

ただし神聖魔法はダメらしい

暗黒魔法は無問題!闇の神はそんな小さい事は構いませんから(笑)


★5・6

こうして、お人よしな羽根頭たちは彼女に協力する事になりました

とりあえず真実が知りたいそうです

でも・・・・・難しいよ

500年前ですからねぇ、果たしてそんなことができるのか

サイコメトリーでも使えない限り無理でしょ(そんなものはない)


迷宮はかなり荒廃しているようですね

ゴーレムやスケルトンみたいな召使系以外の調度品はことごとくボロボロに

まぁ、しょうがないけどね

付与魔術のお坊ちゃんが作ったんだから魔剣の一振やニ振あってもいい気がします


チェペルとしては遺失魔法を覚えたがってますが・・・・・・

1レベルで使える遺失魔法なんて高が知れてますよ(酷)

ルールブックに載ってる限りでは"ディクリーズ・ウェイト"ぐらい


永遠に続く物なんてないのかもしれませんね

チェペルは彼女の美しさだとか言ってますが、限りはあるでしょう?

このフォーセリアだってそうです、いずれは終末の巨人が目覚めるでしょう

神々だって永遠ではないです

唯一の例外は、始原の巨人→世界→終末の巨人→始原の・・・・というサイクルでしょうかね


数少ない手がかりとして移送の扉を使って実家の方を見に行くんですが

収穫なし

しかも何処だか分からないし

一体何処に屋敷を立てたんでしょう?下手すればレックス・・・・・・

いや、星の位置が違うようですし、大陸という保証もない

ロードスか、イーストエンドか、ケイオスランドか・・・・・・・

クリスタニアということはないです(笑)

余談ですが、移送の扉って.hackのカオスゲートみたいなイメージがあります(知ってるかな?)

転送されたら「ヴォォォン」とかいう音がする


リーライナは真実を知ったら彼女が傷つくだの何だの煩いですが・・・愚問です

真実を知ろうとするならばそれに見合う勇気も必要です

彼女としては、その勇気を持つ事の方が真実を知らずに永遠を過ごすよりも何倍もマシでしょう


大体、傷つくだのなんだの軽々しく言ってますがね

一生懸命やってれば誰かしら傷つけてしまうものなんです

故意に傷つけてはいけない、でも傷つける事を恐れもいけません

傷つけた方だって痛いんですから、察してやることです

何よりも、彼女自身が真実を知りたがってるんですから

中途半端な正義感を振りかざす方がよっぽど失礼です

こういう青ッチョロイ所は好きじゃないですね


さて、こうなったら残る希望は肉体を残してきた部屋です

合言葉を言わないと開きません

また面倒な事を・・・・・

でも、出歯亀をするような親御さんを防ぐにはこれしかないかな?

見つかったらことですから


知ってる限りの言葉をガンガンぶつけてみますが開きもしない

前の合言葉は「ふたりの禁断の愛」らしい

文ですね、単語じゃなくて

そうなるとマグレ当たりはないでしょう

それこそ何百年かかることか


が、最初の方に書いた彼の心理を推理し、見事に合言葉に至りました!

それは「ふたりの愛は永遠」

お互いにフレッシュゴーレムになって、もう離れる事もない

ディアネーはライスに成仏を頼んでこの世から逝ってしまいました

永遠にさようなら、ですかね


★7

こうして、ディアネーはジェフメルの元へ逝きました

扉を開ける合言葉は「心残したまま」だったそうです

悲しい話でしたけど、彼女の魂を救うことは出来たはずですよ

ライスは辛そうですけど、もっと胸を張ってもいいと思いますよ

チャ・ザだって責めはしません、むしろ逆でしょう


チェペルは肉体がハンディだとか言ってますが、それも違いますよ

確かに肉体があれば欲も出るだろうし、養わないといけない

でも、肉体があるからこそ触れる事が出来るんですから

手をつないだり抱き合ったり

そういった事が出来なくなる位なら肉体のハンディ、大いに結構


恋愛問題は実に難しい、人類の永遠のテーマでしょう

絶対に解き明かす事が出来ない人の心の内奥の秘密

分からない方が良いんですよ、そっちの方が面白味があるし

目の前に広がるマナール湖で水浴びをして、目指すは十字の国ロマール!


「惨劇は突然に」作:高井信

★1

予め言いますと、このお話は膨大なフォーセリア作品の中でも一二を争うほどの惨劇だと思います

いえね、他にも悲しくなる話はありましたよ。でも、これは全然救いがないんですよね(苦笑)


タダでさえ短いというのに、悲劇のみが印象に残ります

ロードス島伝説だって結局は悲劇でしたが、それだけではありませんでしたよね

クリスタニアだって、色々と救いがあります

アシュラム様についても私は信じてるので無問題


結論から言いますと、村人全滅ですかね(多分)

そうでなくても惨劇が起る間際でお話が終わるので色々想像しちゃいます

大混乱になることは間違いないでしょう

バブリーズでのワイトがゾロゾロ事件とか、魔神戦争での国民ゾンビ化とか

そういうのに似た生々しくも痛々しい結末です

ユウの中ではこの話はSW短編集の中でも際立って浮いて見えるんですが

皆さんはどうでしょう?(嫌いじゃないけどね)


舞台はエストン山脈の中腹にあるらしいターロンという村

人口百人程というのだから、過疎化の進む村の中学校みたいです(分かりにくい)

だって百人ですよ、百人!

「世界がもしも100人の村だったら?」を地で行ってるんですよ(笑)

学校で言えば40人程度のクラスが2クラス半、やっぱり少ない

私の学校も1クラス40人が基準なんですよ


こんなに小さいと噂とかすぐ伝わっちゃいますよね

悪い事はできないね

私はずっと川崎とか横浜とかで育ってきたんですが

そのせいかやたら人の多い街でないと落ち着きません

そんなに小さな共同体なんて想像ができません


毎日の生活が100人ほどの村で、周りは森

何日も歩かないと他の人に会えない

う〜ん、少しそういう生活にも憧れますけど、すぐ飽きちゃいそうです

娯楽とかもなさそうだし


さて、一応のメインキャラを紹介しておきますか


サリド 19歳

村唯一と言ってもいい専業戦士。でも特に強いというわけじゃないですけどね

ファイター2でレンジャーは1、まぁ小さな村にしては悪くないかな?

もっと強くなりたいなら街に出て冒険者になるのが一番いいと思いますよ

パーンだって小さな村で育ったんですから、なんとでもなります

まぁパーンの場合はお父さんがヴァリスの騎士だったりと才能はあったでしょうけど


ゼムス 32歳

ファイター3、バード2、レンジャー1。旅の戦士らしいけど、一応3レベルあるんで全くの素人じゃないでしょうね。

でも大勝負をしたことはないらしい。一体何をして生活してきたんだか謎ですね

3レベルって結構なものですよ、一般人から見たら。ゴブリンとかなら十分相手が出来ますし、用心棒だって務まります


あと村長兼酒場のマスターなローガスもいますが省略

いつも通り村唯一の酒場で談笑していた村人たちですが、ゼムスが来たという所だけは今までと違いました。

何しろ娯楽が全くと言っていい程ない村ですからね。一応戦士な彼の話には興味あるんでしょう。


とはいえ、途中からどんどん凄い事になっていきますけどね(笑)

最初はゴブリンとかオークとか信憑性の高い話だったんですけど

ミノタウロスと一騎打ちとか言い出してきてからどんどん話はエスカレート!

終いにはサイクロプスを素手で撲殺したり、ドラゴンを真っ二つにしたりと

村人たちよ目を覚ませ〜〜〜!。ああ・・・・・それでもついつい聞いちゃうんだね


あ!でもゼムスってバード技能持ってるじゃないですか

いっそそっちの方が盛り上がったんじゃないですかね?

それとも、どんどんエスカレートしていく話も吟遊詩人の得意技ですかね(笑)

ある事ない事を本当のようにしてしまうのが吟遊詩人の凄い所です


ちょっとした武勇談も彼らにかかれば神話のような英雄譚に早代わりです!

しかも歌ってる内容が嘘はついちゃいないけど、誤解させるような事もあるんですよね

トロイ人は「穏やか」

喧嘩早い人は「勇気ある」とかいう具合にね

そういえば、ドラゴンではありませんでしたが

亜流とも呼べるワイバーンを一刀両断にしたお嬢さんがいましたね(笑)


そんな具合に異様な盛り上がりを見せるゼムスの話

それで面白くないのがサリドですよ

そうだよね、自分完全にのけ者だもんね

悪い事言わないから戦士として生きたいなら都会に行って仕事を請け負った方がいいですよ


しかし、和気藹々ムードも怪我人が出た事で一気に冷めます

まぁ村人の1人であるドワーフが通りがかりのゴリラに殴られたんですけどね

彼は命には別状ありませんでしたが、こういった荒事には全然免疫のない村はちょっと混乱気味


★2

サリドとしては「ここで自分が活躍して村の英雄に!」とか思ってたんですけど

村人はやはりというか、なんというか

さっきから凄い英雄譚を語っているゼムスの方を頼ります

そうだよね、ドラゴンを真っ二つだもんね(笑)

もちろんそれで面白くないのがサリド


でもねぇ、ゼムスだってそう戦い慣れているわけじゃないし

ゴリラかぁ、フォーセリアとしては馴染みが薄いですね

虎とか熊ならまだしもゴリラって出てきませんよね?

ちなみにモンスターレベルとしては2、実は強くない

ゴブリンよりは強いけど、ホブゴブリンよりは弱い


これならゼムスとサリドが2人がかりで戦えばどうにでもなりますよ。1人でも倒せるぐらいだし

結局は村長の提案で2人にゴリラ退治の競争をさせることになりました

というのも、普段煩いサリドを凹ませる為に賭け事に持ち込んだんですよね

そうすれば皆ゼムスに賭けるから賭けは不成立、サリドのプライドはズタズタになるというわけです

うう・・・・汚いよ、大人は汚いよ!(笑)


でもサリドはなけなしの1000ガメルを賭ける事で強引に賭けを成立させました

う〜ん、でも他の村人は皆ゼムスなんですよね

賭け金によって配当は若干変わるでしょうけど、大した儲けは出ないと思いますよ

仮に100人中30人くらいがいたとしても1人頭の配当の平均は30チョイか・・・・・・


当分の飲み代にはなりますかね。サリドは伝説のカモとなりました(笑)

でもサリドが勝ったら凄い儲けですよ(勝てないけど)


★3

サリドとしては金を賭けても命は賭けないらしい

まぁ引く事も勇気ですよ

プライドの為に命を投げ出せなんて無茶苦茶ですし


ちなみにサリドの敏捷度は14、ゴリラの移動速度は16(敏捷度は12)

スタートダッシュでは勝てますけど、本気で鬼ごっこしたら追いつかれますね(笑)

まして森の中ですから

いくらサリドが土地に明るいからってゴリラの体力には勝てないと思いますよ


余談ですが、実際のゴリラは人間を恐れる傾向にあるらしいです(あくまでも、らしい)

"森の賢者"とまで言われるほど賢いんですがね

攻撃された時の反撃は凄いです

何しろ彼らの力を持ってすれば人間の骨なんて小枝も同然

掴まれたら無傷で脱出するのは難しいですよ


そうはいっても、本当の敵はゴリラなんかじゃないんですよ

実を言えばゴリラはハンガー・レッグに寄生されてるんです

ハンガー・レッグについては新リプレイの方でチョロっと書いたんで、そっちを見てください

それにしても、ハンガー・レッグって何だってこんな生き方をしてるんでしょうね?

特に意義が見出せません


取り付いて操るだけなら別に良いんですけど、それですることといえば殺戮

別に殺した相手を食べるわけでもないし

他にもやることがあるだろうに(笑)

でもそうして生きているという事は宿主からなんか吸ってるんでしょうかね?

チューチューと


そうとは知らずにゴリラを普通に退治したゼムスは寄生され

寄生されたゼムスを倒したサリドに寄生し

今度はそのサリドを倒した村長に寄生する

なんて質の悪い、対抗策を持たない村人では倒す事も出来ないだろうし

これは本当に全滅コースかな?

村長を倒してもすぐに取り付くだろうし、抵抗できないだろうし

周りに人がいなくなるまで続くルーチンワーク


こうしてレビューを見る限りそうでもないですけど

これを実写化したらやっぱり怖い話になるでしょうね

「世にも奇妙な物語」とか「トワイライト・ゾーン」とかで見れそう(笑)

こうして耳を澄ますと、例の音楽が・・・・・・・


ここでこの話は終わりです

続けても血で血を洗う殺戮シーンが延々と続きそうですしね

一体この村はどうなったのか

気になるような、知りたくないような・・・・・・・


「緑の都市」作:下村家恵子

★1

最後のお話は緑上の精霊都市アーティスを巡る冒険です。エストン山脈の奥深くにあるという幻の魔法都市、それがアーティスです。

またこの話は「死せる神の島」リザンの後日譚でもあり、バートの元を去った彼のその後が気になっていたファンには嬉しい話でもある。

アーティスを目指すのはリザンだけではありません。ナリルというラーダ神官の青年が道連れです。むしろ彼が主役。


ナリル・マコーレイ 21歳

セージ3、レンジャー2、ファイター1。ミード湖西岸の村ボルの出身です。どうやらプリースト(ラーダ)3以上でもあるらしい。

怪我で足が不自由になった祖父からアーティスの研究と探索の意思を継いで旅に出ました。なお祖父もラーダ神官兼賢者で、健勝です。

敏捷度と知力が18もあり、精神力も17あってさり気なく能力値は優秀です。ただし所謂冒険者としての経験は皆無に等しい


リザルード・ゲイヴィン 19歳

ソーサラー6、セージ4、ファイター1「死せる神の島」からおよそ1年経ったリザンです。実は本名はかなり立派だと判明。

彼の経歴は小説を見ていただくとして、その小説よりの腐れ縁?でエルドースウェブという愉快な仲間達が同道しています。

エルドースはメイジスタッフに魂を封じたカストゥールの付与魔術師。リザンの師匠になったらしい。割と仲が良さ気で嬉しい。

ウェブは混沌界出身の混沌。現在は普通の馬の姿をしていますが、シーサーペント風の正体を現すと超常的な能力を発揮します。


2人の出会いは真夜中の山の中でした。野営をしていたナリルがコボルドに襲われていたのを、リザンが助けたのが縁でした。

冒険者としての経験のないナリルはコボルド一匹で絶体絶命の危機に陥り、そこにリザンのエネボルだか"ライトニング"だかを撃って助けました。

正直コボルド1匹相手にできないようならさっさと帰った方がいいと思う。プリースト3あるしファイター技能もあるのにね(苦笑)

話してみるとお互いにアーティスを捜していると知って意気投合。手持ちの知識や資料を出し合って、協力して都市の探索を始めます。


あの内気だったリザンが1人で人を助け、しかも簡単に仲良くなるなんて成長したんですね。一度地獄を見たのは無駄ではなかったかな。

人を成長させるのは希望ではなく絶望。いや絶望の中でなお希望を見つけられてこそ、成長できるのかもしれない。

「ミルリーフ事件」で大きな罪を負ったリザンは、今では失われた古代の技を捜し求めているらしい。エルドースの知識があれば十分可能です。

彼なりの生き方を見つけられたようで一安心です。それに彼は1人ではないしね。杖と馬だけが友達さ、と言うとちょっと不安になるけど(笑)

あと米田先生のリザンはなんか怖い。あのオカッパは何処へ行ったのやら、後ろ髪が長いわ、前髪は真ん中分けでおデコ丸出しだわ(笑)


ナリルの持つ資料、正確には彼の祖父がまとめた資料はリザンにとっても興味深いものであり、恐らくはとても貴重なものだった筈です。

その資料の中にはアーティスに触れた物語があります。彼はそれに惹かれてアーティスを求めるようになったのかもしれない。

それは2人の猟師と神様の不思議なお話でした。ただ聞いただけではよくある寓話に聞こえるけど、そこには真実が含まれている。


2人の猟師は一方は信心深く、もう一方は不信心者でした。前者はマフォーレ、後者はマーティンといったそうです。

2人はとても仲が良く、腕も良かった。けれども獲物が全く獲れなくなって、禁断の地である"深き森"に踏み込んでしまいます。

ここから2人の信心の違いが露骨に目立ってきます。概して信心深いマフォーレの方が賢明であるように描かれるようになるんですよ。

マフォーレの信じる神は狩の神エリオスです。マイナーな職業神ですが、物語の中では信心深いマフォーレを何かと助けてくれる神様です。


森の入り口から2人の態度は露骨に違ってきます。マーティンは神の柱を蹴飛ばして悪態をつき、マフォーレは謝罪してきちんと立て直す

するとエリオスの化身?の額に角を生やした子犬が現れ、森の中での狩りの忠告をしてくれます。獲物は3匹まで、黒い猪には手を出すなと。

森の中は外の貧しさが嘘のように動物が豊かでした。マフォーレは約束を守り、マーティンは約束を破って黒い猪まで狙い始めます。

ところが2人は気づけば道を見失い、不気味な亡者に追い立てられます。そこで2人は崖から落下しますが、なんと宙に浮かんだのです。


不思議な力で空を飛んだ2人は森の天蓋に行き着きます。そここそが緑豊かな美しい都市、アーティスだったのですよ。

2人はそこで美しい乙女の世話になって面白おかしく過ごしますが、下界に残した家族が気になりだし、街を出ようとします。

ここでマーティンは目に付くだけの宝を持ち帰り、マフォーレは元から持っていたものだけを持っていきました。


ところが街を出ようとすると2人は代価を要求され、払えないならば命を差し出せと脅迫されるのです。

絡み合った植物は巨人のようになって2人を襲いますが、そこであのエリオスの化身が現れ、2人を連れて逃げてくれるのです。

2人は化身の尻尾にそれぞれ捕まり(2尾?)川の中を進みます。しかしマーティンの持つ宝が重くて泳げなくなってしまうのです。

エリオスはマーティンに宝を捨てろと言いますが、マーティンは聞き入れないどころか暴言を吐きます。「それよりしっかり泳げ」と。

するとマーティンの捕まっていた尻尾が切れて宝と共に水の中に沈んでしまいます。マフォーレは無事村に帰り、一生を幸せに暮らしました。


そういう話なんですが、しばしば伝説の中には真実がある。御伽噺に聞こえるこの話もいくつもの真実が含まれているのです。


★2

翌日2人はエストン山中を祖父の資料を頼りに歩き回りました。怪しいのは地図にある巨大な石柱です。それは浮遊道だとリザンは推測します。

空中にある都市に入場するなら特殊な方法がいる筈です。瞬間移動とか、空飛ぶ乗り物とかね。今回の物語の中では空を飛んでたのがネック。

そこで物体を浮かす仕掛けがあるとリザンは見たのです。レックスを浮かしていた環状列石みたいな。まぁエルドースから教わったようですが。


リザンの博識ぶりに感心するナリルですが、ウェブに背負い袋を齧られる上に遊ばれている姿を見ると、やっぱりリザンはリザンなんだな(苦笑)

多少強くなっても、ウェブとの漫才が最高ですね。何だかんだでウェブもこのご主人様が好きなんだと思いたい。


やがて2人は石畳に出ます。明らかに手付かずのカストゥールの遺跡です。こういう経験が初めてのナリルは感動していました。

これで凄い発見をして、オランのラーダ神殿にも呼ばれて……というドリームを展開するナリルが微笑ましいです。あとおめでたい。

しかし彼らは既にワイト軍団に囲まれていたのです。しかも奥からはアンデッド・ナイトまで出てきます。流石に厳しいですね。

適わないと悟った2人は伝説の猟師達のように逃げます。もしもバート達がいてくれるなら、勝算は十分あったんですけどね。

リザンは「昔の力が羨ましくなる」と呟いていましたが、懲りろよ(笑)。確かにあの時のリザンなら亡霊騎士如き敵ではありませんが。


伝説にあった亡者とはこいつらでしょう。実は2人とも既に"深き森"へ踏み込んでいるならば、あの話は全てが作り話でもないらしい。

物語の中ではこの森は禁断の地となっていましたが、それはかつてはカストゥールの施設であったから立ち入りを禁止していたんでしょう。

ではこのアンデッド・ナイトは何なのか。死霊魔術の産物か、それとは別に発生したのか。そこまでは流石に分かりませんね。

恐らくはこいつらが猟師や都市を求めて来た人間を襲い、ワイトを増やしてるんでしょう。アンデッド・ナイトとワイトにはその能力がある。


"ホーリー・ライト"、"ファイア・ボール"、"ライトニング"と攻撃をかましつつ、2人もまた伝説にあるに追い詰められます。

ここでナリルは日の下に出れば大丈夫とか思っていましたが、生憎とそれはレイスとか吸血鬼であって、ワイトとかには関係ない(苦笑)

微妙に《怪物判定》に失敗しているようですね。ラーダ神官としては恥ずかしい事です。知らない事は時に誤算を生みますしね。


リザンはどうしたものかと杖に額を当てて考えていました。これはエルドースと交信しているようですね。一々そうしないといけないのか。

考えた挙句に足を止めようと5レベル遺失魔法の"グラヴィティ"をかけます。バランスを崩すと完全版では削られた、色んな意味で遺失魔法

この魔法は範囲内に強力な引力を発生させ、抵抗に失敗した者の動きを止めます。成功すると効果消滅。一発無力化も可能な魔法です。

でもアンデッド・ナイトだけはなおも前に進みます。精神抵抗11でリザンの魔力は9だから、抵抗を破る確率は33.8%ですからね。

しかも《視線》がナリルに飛び、精神力を持っていかれます。完全版だと抵抗できずに7振ると11点、3レベルでも8点減。一気に半分です。


しかし底は既に浮遊道でした。リザンが"センス・マジック"するとクッキリその姿が見える。これだけ綺麗に残ってるのも珍しい。

ウェブが果敢にもアンデッド・ナイトに挑み、その隙に2人は空中に身を躍らせ、浮遊道に乗っかります。すると物凄い速さで2人は空を飛ぶのです。

眼下には緑色の海が広がります。その緑の海が天へと収束していくのです。その緑の上にある天蓋こそがアーティスでした。

カラー挿絵では天蓋が巨大なキノコ状になっていますね。その上に植物でできた都市がある。ていうかこんなデカイ物なら遠目にも見えそう。

あと心配なのはウェブですが、正体さえ現せば大丈夫。空を飛んで逃げられます。それに彼は《通常武器無効》だし、精神攻撃も何処まで効くか。


★3〜4

天蓋の上には城があり、草原があり、湖があり、川がある。だがそれは全て植物なのです。水は魔法ではなく、植物が組み上げているのです。

地面だって土があるわけじゃなく、蔓草が生い茂って足場となっているようです。それはそれで歩き難そうですけどね。

街の基部こそ魔法で作りましたが、そこからは植物に自活させて成長させたのです。まったくもって物凄い都市ですよ。目に良さそう。

ナリル的には「ラ○ュタは本当にあったんだ!」とか歓喜の声を上げたい気分でしょうが、期待に胸を躍らせて眺めています。


2人の前には伝説にある乙女が現れます。多くの真白な動物達と共に現れた彼女は、2人を歓迎してくれました。

この辺からナリルは楽園に訪れた気分ですっかり幸せそうですが、リザンは警戒を解きません。そしてそれは正しかったのです。

この都市は巨大な食虫植物のようなもの。甘い匂いに誘われてやってきた人間の命をすする、恐ろしい都市でもあるのです。


あとで明かされることですが、この美しい都市には危険が一杯なのです。もし相手が本気だったらとっくに殺されていたかもしれない。

ますこの一見美しい動物たちですが、彼らも命をすすります。普通の動物ではないのです。その正体はクライマックスで明かされます。

そしてこの街には出口がない。"フライト"や"テレポート"、あるいは"フォーリング・コントロール"でも使わないとまず出られません。


あとこの乙女アーティアは人間ではない。彼女はレーシィという植物から生み出された幻獣の一種です。

一見人間と変わらないけど、髪は植物の緑であり、皮膚も薄い緑色です。本編では目も深緑。とにかく緑色、なんか「PSYChO+」みたいです。

でも本編で皮膚については特に言及されていない。肌が緑だったら流石におかしいと気づきそうなものですけどね(苦笑)

また精霊魔法3レベルも使用可能。ただし植物と大地のみ6レベルまで可。マンドレイクやアルラウネのようなものですね。

ただしこの植物の都市で大地の精霊魔法なんて使えるのかは非常に疑問ですけどね。役に立たないじゃないですか(笑)


レーシィの重要な特徴に植物の精霊力なしでは生きられないというものがあります。植物の精霊力が弱い場所だと弱っていくのです。

しかも1日9点もの精神点を補充する必要があるらしい。1日9点って、精神点16なんだから半分以上じゃないですか。

あとそれをどう補充するのかが問題です。巻末には"スティール・マインド"のデータが載ってるんですが、もしかしてそれですか。

でもこれは6レベル古代語魔法なんですよね、精霊魔法ではない。しかしデータでは上位古代語も話せるそうなので、使える可能性はある。


2人はこのアーティアに身の回りの世話をしてもらいます。部屋を与えられ、食事や飲み物も与えられ、メモ用の羊皮紙まで調達してくれます。

この部屋は例の城のように巨大な大樹の中にあります。大樹の中が空洞になって、部屋や廊下が形作られているのです。

しかもバルコニーやら寝椅子やら家具やら、あらゆるものが本当に植物なんですよ。しかも他の木々とも空中回廊で繋がっている。

眼下の湖には白い動物達が憩い、楽園に見えますね。エルフが見たらきっと感動するでしょう。あるいは不審に思うかもしれませんが。


至れり尽くせりでナリルも感謝し、ついでに彼女に興味を抱きます。しかし彼女には謎が多い。流石に人間ではないとナリルも察しがつきます。

複数のお父様がいて、年齢は不詳で、一般知識にも欠ける。でもこの植物都市の事なら何でも分かる不思議な美少女です。

取り合えず複数のお父様については察しがつきそうなものですね。彼女を創造した魔術師ですよ。それが単に複数いただけ。

お母様がいずに大量のお父様だけがいると書くと、何やら非常に背徳的な家庭で育ったように聞こえますが、そんな事はない(笑)


あと気になったのは彼女の発言が不一致な点。これは単純に著者の勘違いだと思われますが、皆さんはお気づきになられましたか?

P.165 L.3~4「そちらの魔法使い様にもご用意いたしましょう」←リザンに馬を勧めるシーン。彼は断る。

P.169 L.9「魔法使い……それは何ですか?」←ナリルに父親が魔術師ではないかと尋ねられたシーン。

はい、お分かりですね。あんたさっき普通に「魔法使い」って言ってたじゃないか。短期間の間に忘れないで欲しいな(笑)


ナリルは不思議ちゃんにしか見えなくなったアーティアに、お父様達が残した大量の資料がある図書室に案内してもらいます。

この時階上に向かうのに昇降力場という装置を使います。要はエレベーターですよ。ただし力のみが働いているので周りはシースルー。

魔法に慣れないナリルは思わずアーティアにしがみ付いたりします。これを皮切りに、彼はどんどん彼女にのめり込んでいくんですよ。

寂しくないのかとか、何か助けてやれないかとかね。一応彼女も誘惑生物の一種なので、それすらも彼女の捕食方法なのかもしれない。


その道すがら、同じように図書室を捜すリザンと遭遇します。アーティアは彼に憤りますが、リザンはちっとも堪えません。

それどころか上位古代語で「番人に過ぎぬおまえに、詰問する権利なぞない。定められた仕事だけをなすがよい。さがれ!」と命令します。

これでアーティアはリザンが只者ではないと悟り、恐怖するようになる。またナリルも次第にリザンに憤りを覚えるようになるのです。

でもこの時既にリザンは白い動物に噛まれたりしているんですよ。そして彼らが危険な生物であり、この街も危険だと悟っている。

事情を知らなければリザンが薄情にしか見えませんけどね。ていうかナリルも上位古代語が分かるんでしょうか。


あとこの建物のは面白いんですよ。カーテンのようにみえますが、鉄のように頑丈なんです。あと中に人がいると変色する。

しかもこいつ自身が一種の魔法生物かなにかのようで、通常の手段では開かないのです。そこでリザンは魔法で命令を下します。

それは6レベル遺失魔法の"マイナー・コマンド・ゴーレム"という魔法です。その名の通り"コマンド・ゴーレム"の下位魔法でしょう。

この魔法はフレッシュ・ゴーレムや下等な魔法生物に効果があるらしい。この時既に命令が与えられていても達成値次第では効果があるとか。

通常の"コマンド・ゴーレム"はあくまでもゴーレムに使うものであり、既に命令を与えられていると達成値がいくつでも無駄っぽい。


リザンはこの魔法でアーティアに命令したようですが、元の強制力が強過ぎて命令しきれない事もあったようですね。

この魔法は相手の精神抵抗に元の命令の強さが上乗せされるそうですが、その強さが達成値なら物凄い高い数値になりますね。

リザンに「まだまだ未熟だからだ」と言うエルドースと、ふてくされた様子のリザンが良かった。すっかり面白師弟になっちゃって(笑)


図書室には貴重な資料が沢山あり、2人は腰を据えてその書き写しや検証に勤しみます。しかしナリルはアーティアが気になって仕方がない。

またアーティアもナリルの事を「様」づけで呼んでみたりして、どんどん親しくなっていきます。すると冷淡なリザンが益々理解できなくなる。

リザンが彼女が魔法使いたちが造ったモノなのだと言うから、ナリルは益々怒ります。リザンももうちょっと言葉を選んだ方がいいのに。

彼女が危険な生物であり、思い入れ過ぎると危険なのはその通りだとしても、それをストレートに言っても理解は難しい。むしろ頑なになる。


ナリルは冷淡としか思えないリザンへ苛立ちを募らせますが、彼が優秀な相棒だと分かっているだけに尚のこと頭にきます。

99個気の合うところがあっても、たった1つ気に食わないだけで許せない事ってありますよね。それがナリルにとってはアーティアです。

どんなに言葉を尽くしてもリザンの言葉を崩す事はできないし、それで感情任せの喧嘩になるぐらいならと、彼は1人で散歩をするのです。


そこで彼はアーティアと会い、2人で星空の下デート紛いの事をします。ここだけ見るとなかなかロマンチックなシーンです。

アーティアは夜空の星々を見上げ、あれは何が光っているのかとナリルに尋ねますが、ナリルには分かりませんでした。

ぶっちゃけそれは誰にも分からない。星界の研究はまだ不十分で、正確な答えを知ってる人がいるのかは非常に疑わしい。

アーティアは光の精霊達の国があるのではないかとロマンチックな事を言ってましたが、それはそれで面白い設定ではありますね。


また2人は雨の樹という、文字通り梢から水が間断なく降ってくる樹に飛び込んだりして、すっかりいい雰囲気です。

しかしリザンの名を出すと彼女は怯えだします。リザンが知る筈のない事まで知っているとか、この街を支配しようとしているとか。

夜になると1人で出歩いているという話もナリルには初耳であり、泣き崩れるアーティアの為にある計画を実行するのです。


★5

ナリルの計画とは単純なものです。杖を取り上げて魔法を使えなくする。ただそれだけ。発動体が杖だけならば、確かに有効かもしれない。

ただしリザンは常に袖の中に発動体の指輪を隠してたりするんですよ。今の彼なら自前の"クリエイト・デバイス"で発動体なんて作れるし。

しかもナリルがそうしてアーティアに尽くしても、彼女はナリルを"チャーム"で魅了し、"スティール・マインド"で精神力を奪ってるんです。

どの時点で魅了されてたのかはよく分かりませんが、ナリルは騙されて体よく使われていただけ。全く都合のいい獲物ですよ。


杖を(ていうかエルドースを)奪う方法も単純なものです。寝ている時を見計らって部屋に侵入、そして杖を奪取。それだけです。

ていうかよくナリルはリザンの部屋に入れましたね。リザンだったら扉を完全に掌握して、鍵をかけてそうなものですが。

奪ったエルドースは外界に落ちる川に投げ捨てます。これで楽園と彼女は守られたのだと悦に浸り、アーティアと抱き合うのです。哀れな男(苦笑)

もしかしたら"チャーム"されたのはこの時かもしれませんね。という事はそれまでは自分の意思でやっていた事になる。

魔法で魅了なんてされなくても、思い込みという物は時にそれと同等の、下手すればそれ以上の束縛を生む。


川に流されたエルドースは水圧でぶっ壊れそうになってましたが、原形を現したウェブが咥えて救出します。年寄りには水泳はキツイ(苦笑)

水圧に逆らって空を飛び、自分の意思で仲間を救うとは、なんて役に立つ混沌なんでしょう。しかもここまで来たのも自分の意思でしょうね。

凄い有能ですよ。もし彼がトゥース(「死せる神の島(下)」参照)のように使い魔仕様なら、有能過ぎてゲームでは使えないかも。

アンデッド・ナイトはどうしたんでしょうね。逃げてきたのか、滅ぼしてきたのか。いずれにしろ亡霊騎士とサシになっても問題なし。


それから2人?はアーティスに戻り、アーティアによってすっかりパーになっていたナリルを正気に戻そうとします。世話のかかる男です。

ウェブがエルドースを咥えてナリルに突き付け、エルドースはナリルの魅了を恐らくはディスペルで解除します。この状態でも魔法が使える?

実はリザンはエルドースにナリルを助けたいと頼んでいたのです。そうでなければ、ナリルに手をかけられた時点で卒倒させていたとか。

下手すればさっさと肉体を奪っていたかもしれない。エルドースも弟子の頼みを断れないとは、丸くなったものです。やっぱり弟子は可愛いか(笑)


エルドースが容赦なく現実を突きつけるよう説明しますが、ナリルはにわかには信じ難いようでしたが、最後にはリザン救出に協力します。

ナリルはウェブに跨り、リザンが囚われているであろう水溶室に向かいます。そここそがレーシィが生まれた場所であり、この都市の秘密です。

ぶっちゃけ負ける気はしませんけどね。ウェブやエルドースが実力を出せれば、レーシィや都市の動物なんて敵ではないでしょうね。


★6〜7

水溶室は所々が水脹れのように膨らんでいて、中を覗けるようにガラスも嵌っています。この中で動物が培養されているのです。

中には白い様々な動物が浮かび、時が来れば膨らみが破れて培養液ごと流れ出てすぐに動き出す。アーティアもこうして生まれてきたらしい。

どうやら彼らは何度も作り変えられ、生まれ変わっているようです。そしてアーティアも動物達も、外部から来る生き物を獲物にする。


そうして命を奪うのは魔力が希薄になったのが原因だそうです。魔力の塔が倒壊した事を意味してるのか。とにかく力が足りないのです。

だからアーティアは何人もの命を奪ってきた。今はリザンに助けを請おうとしているようです。確かにエルドースの知識があれば可能かも。

しかしリザンは承知しませんし、アーティアの言葉にはちっとも乗りません。泣き落としもぶりっ子も効きやしない。

それどころかアーティアがどんな手を使おうが笑い声を上げる程です。強くなったのかな、リザン。相手の上っ面には騙されなくなったらしい。


アーティア「お願い、助けて。このままでは私もこの街も滅びてしまう」

リザン「滅びるがいい。他の多くの精霊都市が滅びたように」

凄い。ここまでキッパリ死ねと言うリザンなんて今までは想像できなかったのに。非情なのか意志が強いのが分かりませんが。


それを聞いて怒り狂ったアーティアは推定"スティール・マインド"でリザンの精神力を奪おうとします。結局は実力行使か。

しかしリザンも隠し持っていた指輪の発動体で自分にカンタマ。この時縛られていたんですが、それでは魔術は使えませんね。

それに気づいたアーティアに発動体を取り上げられ、周囲の植物に拘束され、これまでかという時にナリル達が到着します。


その時のアーティアは恐ろしい顔(挿絵にある)をしていて、ナリルの視線を避けようとしました。羞恥心はあるようですね。

彼女自身も自分の呪われた姿や運命に必ずしも納得している訳ではなかったのかもしれない。何処かで後ろめたさもあったのかも。

だけどアーティアはあくまでもナリル達を狙ってきました。エルドースはアーティアの顔を焼き、ナリルを叱咤して倒すよう仕向けます。

ナリルは迷いに迷いました。彼女の美しいイメージがあったから。でも最後は妖怪じみた顔をした彼女を刺し殺したのです。

もしかしたら彼女は本気で救いを求めていたのかもしれない。しかし彼らにできたことは死という救いをくれてやる事だけでした。


それから彼らは奥に向かい、培養液に浮かぶ「お父様達」こと創設者の魔術師達の亡骸を目撃するのです。

彼らの名前はそのまま動物達の名前でもあったりする。この装置を使って生き延びようとしたんですね。結果ただの獣に成り下がった

エルドース「私が言うのもなんだが……ここまでして生き延びて、何の意味があると言うのだ!?」

言いたい事はよく分かるんですが、確かに杖になってまで生き延びているエルドースが言っても何か違和感がある(苦笑)

また培養液の中には別のアーティアが浮いているし、彼女と同じ首飾りをした死体もある。さっき倒したアーティアは何号だったのやら(綾波か)。


そこまで確認した時、アーティスの崩壊が始まりました。培養液の中から出てきたアーティア?号は道連れにすると宣言してすぐに死にます。

いつ消えるかも分からない昇降機に怯えつつ地上に出ると、狂ったように動物達が襲い掛かってきます。これはウェブが蹴散らします。

それ以上に恐ろしいのは植物達です。都市を形成する植物が襲い掛かってくるのです。まるでネイチャー・ユーニティー(古)。


リザンはそこで3本前足の狼ロガンティスことトゥースを召喚します。ウェブに続いてカプセル怪獣2号ですね(違)。

トゥースの能力はでした。全身に炎を纏ったトゥースは圧倒的な火力で植物を焼き払い、その後をリザンやナリルを乗せたウェブが疾走します。

火が嫌いなウェブは嫌々していますが、それも川に着くまでです。そこまで来たらトゥースは混沌界へ返し、ウェブは川に飛び込みます

あの伝説では最後に猟師達は川を下って外界へ逃れました。それを踏襲したまでです。これで助かったのだから、伝説も馬鹿にはできませんね。

そして逃げる彼らの後ろで緑上の精霊都市アーティスは崩壊したのです。他の多くの魔法都市と同じく、ここもようやく滅びたのですね。


生き延びたリザンとナリルはひょうきんな馬に戻ったウェブに乗って旅を続け、ボルの村まで来たところで別れました。

ナリルは自分の記憶している事を記録に残そうと意気込んでいます。証拠も何もないから信じてもらえないかもしれないけどね。

リザンはまたこれまで通りに愉快な仲間達と共に古代の遺跡を巡っていくでしょう。彼の元気な姿が見れただけでも本当に嬉しかった。



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