「魔法戦士リウイ7」作:水野良 出版社:富士見書房

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第T章 竜の棲む祠

★1

今回はいつもとは打って変わってめでたいニュースから始まります。

なんとバーブとヘクター妹のアンジェラが結婚するとか。

ついに「リウイ」からもカップルが出てしまいましたよ(苦笑)

今まではリウイが歓楽街でからまれるとか殺伐とした類の出だしばかりだったのにね。


一応リウイ第一部は恋愛が1つのテーマですし、今までなかった方がおかしいのかもしれない。

レギュラーの皆も微妙な関係のままここまで来ましたが、そろそろ結論を出す時期にきたのかもしれない。

この巻を含めてあと3冊で終わりだし。


アンジェラはいつかの事件以来バーブの屋敷で侍女として働いていたらしい。

本来侍女を使う身分だったのに、彼女も色々ありますよね。

でも結局はこうして結ばれる訳だし、本当に生きていると何があるか分かりませんよね。


あんなにも憎んでいたジーニとの確執もなくなったらしく「ジーニさん」なんて呼んでいるし、明るくなりました。

リウイは無駄に殴られてなかったようです(苦笑)

あそこでリウイが絡んでこなかったらこうも丸くは納まらなかった。


そんなバーブはリジャールの計らいで領地を預かる事になったらしい。つまりは領主様、貴族になったんですよ。

同じ騎士でも領地を持つ持たないで随分と違いますもんね。

領地の経営は基本的に領主に一任されますから、領民を生かすも殺すも領主次第です。

バーブは元傭兵、庶民の出です。生まれつきの貴族と違って統治される側の気持ちも分かるでしょう。


そこでジーニたちには領地を赴く際に同行してほしいんだそうです。

確かにその辺の兵士よりも数段頼りになりますもんね、どうやらその領地とやらにも何かありそうだし。

それはそうと田舎領主とはいえアンジェラはまた貴族になったんですよね。

レイドの貴族が紆余曲折を経てオーファンの貴族になる、けっこう波乱万丈の人生なのかもしれない。


★2

はい、領地につきました。グードンから徒歩4日、ファンからは7日ぐらいです。

ラムリアースとの国境近くにあって湖や森など結構豊かな自然に囲まれています。

領地としては上々でしょう、首都からはちょっと遠いけど。


ここの村はちょっと不思議な事に最近発見されたらしい。

バーブはドルイドではないかと予想を立てましたが、何処の国にも属さない民として今まで生きてきたらしい。

もしかしたら外部の文明と馴染みつつあるドルイドの子孫かもしれないし、ファンの内乱で疎開していた人かもしれない。


あるいは竜を神聖視しているのでブルム族の生き残りかもしれない。

ブルム族はクリシュのいた竜司祭の部族です。案外これが一番近いのかもしれない。

一般には全滅したと思われていますが、実は生き残りがユニコーンの森に避難していたという事実もあります。


それはそうとドルイドの事ですが。

ドルイドは元来ケルト人の賢者とも呼べる階級を指しますが、フォーセリアではちょっと違います。

主にユニコーンの森に住み、精霊を尊ぶ自然崇拝者です。


よくドルイドは文明を否定すると書かれますが私はそうは思いませんね。

森に住むドルイドたちが文明を持たないかと言えばそれも違うでしょう。

文明とは経済や技術・芸術・軍事力ではなく、知徳を指しますから。

福沢諭吉の著書で詳しく書かれていますが知徳、すなわち知性と徳義です。

ドルイドが否定するのは全ての文明ではなく、自然を蔑ろにしかねない文明なんだと思う。


現地に着くやいなや一行は火事の現場に遭遇します。

メリッサの"ヒート・プロテクティブサークル"の上に水を被ったリウイが燃える家に突入!

見事に子供を救い出すその姿はまさに勇者でした、でもミレルの蹴りで膝かっくん芸人そのものでもありました(苦笑)

幸か不幸か掴みはオッケーという事ですね、お陰で村人とも堂々と交渉が持てましたよ。

結局は被害者も出ていないし、結果オーライかな。


"プロテクティブサークル"といえばいつかのバナールの塔でも使ってましたね。

あの時は冷気を防ぐ"コールド・プロテクティブサークル"でしたっけ。

魔法を使う前、リウイの合図で微笑みつつ魔法をかけるメリッサがいました。

以前からは考えられないアイコンタクト、仲が深まってるのかと少し嬉しかったです。


村人もオーファンの領主には戸惑いを見せつつ、納得してくれたらしい。

オーファンの領土に移住してきた訳だし、拒んだら攻めざるを得ない。

でも領主がバーブで良かったじゃないですか。


★3

火事は近くに住むようになった夜盗の放火が原因らしい。

村人達は夜盗と思っていますが、実は傭兵です。

しかもジーニやバーブが元居たレイドの傭兵です。


それを率いているのはレティエという男です。

ジーニやバーブ・ヘクターがいた部隊の隊長で、ヘクターが特攻せざるをえなくなった状況を作った無能な隊長です。

剣の腕は確かなんですが、指揮官には向かない男ですね。ジーニと互角らしいから、5〜6レベルはあるでしょう。

「魔法戦士リウイ0」の「レディ・マースナリー」にも出てきます。


彼らはロマールの魔術師に雇われてここにいます。

それは洞窟に眠るドラゴン型のミスリル・ゴーレムを蘇らせる為です。

更に、その魔術師は"指し手"ルキアルの配下だったりします。

レイドも今はロマール領、レイドの傭兵であるルティエを雇ったのも無理の無い事ですね。

放火をしたのもゴーレムを動かすまで村人を近づけないためです。


そのゴーレムで何をするかと言えば、ゴーレムを動かしてリジャールと戦わせるつもりだったらしい。

相手はミスリル・ゴーレム、それもドラゴン型強そうです。ルールブックのミスリル・ゴーレムは13レベルです。

首都でそんなものが暴れたらリジャールが出ざるを得ないでしょう。結果どうなるか、ですね。

リジャールのことですし、ルールを無視して小説的には勝ちそうです。


オーファンという事でリジャールのホームです、騎士団だっています。

マイリー教団と魔術師ギルドも全面的に協力すれば倒せない相手じゃない。もちろんタダでは済まないでしょうが。

でもそうなっていたらリウイが出てきて何か仕出かしそうですね。

いずれにしろルキアルは謀略を巡らすならリウイの居ない所にして欲しい。

まぁ何処に部下を派遣しようともリウイはそこに現れるものですけど(苦笑)


★4・5

そんな裏事情は置いといて、バーブは領主として夜盗(仮)を退治しなければなりません。

領主たるもの、領民の安全に勤めねばなりません。

まずは偵察にバーブとジーニ+αが赴きます。+αは村の猟師達です、戦力としてどの程度期待できるかは謎。

多分レンジャーかハンターを1〜3レベルぐらいで持ってると思う、もっとかな?

リウイも大分強くなってきたし、彼らよりは戦力になると思いますよ。


覗き見していた時にうっかり見つかってしまうのはお約束ですね。

そこでジーニが敢えて敵に捕まってしまうのもお約束。これら一連の流れはある種の法則ですよね(苦笑)

あらゆる作品で何度使われたか分からないほどですが、有効な法則だからこそ使われるんでしょうね。


カラーページなどの絵を見る限り、レティエってなんかスーパー戦隊シリーズの敵幹部みたいですよね。

あるいは宇宙を舞台にしたSFに出てくる敵幹部です。

いずれにしろ敵幹部顔のレティエですが、実はジーニの元彼だったりします。

ジーニとしては消したい過去でしょうね。


★6

ということで、目的がジーニ救出と敵掃討になりました。

リウイはジーニがゾンビ・メイカーを飲まされたところで、"フォーリング・コントロール"を使って降下します。

そして果敢にもレティエの前に立ちますが、ハッキリ言って分が悪い。

リウイとレティエは結構似ているのかもしれませんね、行き当たりばったりな所が特に。

かく言う私もリウイ同様かなり行き当たりばったりです、人の事は言えませんね(苦笑)


その間バーブやメリッサ・村の戦士達が正面から攻めています。

なんとか彼らがここに来るまで持たせなければなりません。でも結構時間がかかりそうですよ、10ラウンド以上は。

ましてレティエの実力はジーニ並、何度も言うけど分が悪い。まともに戦ったらリウイは殺されるでしょうね。


しかしリウイは思いの他善戦します。体力だけはあるから、戦えば戦うほどレティエだって疲れてきます。

このままでは思わぬ不覚を取るかもしれない。いつ1ゾロが出るかは分からないものです(笑)

まぁ実力差はそれ以上だからリウイの方が圧倒的に怪我も多いんですけど・・・。


そこでレティエは一気に勝負を決めようと珍しく頭を使います。

降参したかと見せかけてゾンビ・メイカーを飲んだジーニに命令を出します。

レティエ「ジーニ!その男を思いっきり抱いてやれ!」とね。

疲労した今のリウイではジーニの絞め殺しそうな抱擁から脱出するのは無理でしょう。


これは別に毒のせいだけでなく、ジーニ本来の気性も関係しています。

ジーニは普段こそ男に興味ないように見えますが、一度愛せばその迫り方は尋常ではないらしい。

クールに見えて実は情熱家、ジーニらしいといえばらしいかな?


しかしリウイはなけなしの知識で起動しかけのゴーレムに命令を出します。

リウイ「魔法像アルターよ、我リウイの命に従え!この剣を持つ男に汝の牙の洗礼を!

ここがカラー挿絵ですね。ドラゴン型のミスリル・ゴーレムに思いっきり食いつかれるレティエ、明らかに致命傷ですね。


流石に命令は上位古代語でしたけど、普通に言う事聞いてくれましたね、ゴーレムなのに。

特に"コマンド・ゴーレム"を使わなくても命令を聞くゴーレムは居ますけど、それがこのゴーレムにも該当していて良かった。

ね。

レティエはしぶとく、最後の力でジーニに命令を出します「その男を愛してやりな」と。

さっきも言ったようにジーニは情熱家です、このままではリウイの貞操が危ない!(笑)


★7・8

リウイの貞操はメリッサたちが来てくれた事で辛うじて守れました。

危なかった、ジーニに組み敷かれたなんて洒落になりません。

当然そのあとボコボコにされるんですが、今回はリウイは悪くないので可哀そうかな、むしろジーニを助けたのに。


ゾンビ・メイカーの毒性値はたったの11、メリッサの魔力が7ならほぼ確実に解毒できますね。

メリッサが来なかったらリウイパンチでジーニを起こすしかなかったかも(苦笑)


戦勝・バーブの就任祝いの時、リウイとジーニはこっそりと話し合います。

ここで今までに無く普通に話すジーニが見れました、いつもリウイを叱ってばかりなのに。

素直に「ありがとう」なんて言うんですよ、面食らいましたよ。

これでリウイは3人全員とキッシュをした事になりますね。


その後ジーニとリウイはロマンチックな会話に浸るのではなく稽古に発展するのが実にらしいです。

お祭り騒ぎの片隅での殺しそうな稽古なんてシュールですよね(苦笑)


第U章 酒場にて

以前書いた「時の指輪」よりも更に短いお話です。30ページにも満たないたったの28ページ。

書く事が少なすぎて困ります、今回は★で分けないで全部いっしょに行きます。


季節は早くも初冬です。最初は夏とかだったのに、気づかないうちに確実に時間が経っていますね。

そろそろ衣替えかな、メイジローブも夏服・冬服とかあるんだろうか。

そもそもあんなに暑苦しい物は夏に着るのは遠慮したいですよね。


スーツだって暑いだろうに、あんなもの着てたら汗も凄そう。

魔術師ギルドもせめて夏場ぐらいは風通しの良い服にして欲しいものです。

いっそ甚平(じんべい)とか作務衣(さむえ)とかいいと思う

ファンタジーに合わないのは承知の上です(笑)


さて、それはいいとして。前回バーブとアンジェラが結婚しましたが、そのお祝いの帰りの事です。

ヘベレケに酔いの回ったメリッサとミレルは家路に着きました。

でもリウイとジーニはまだ物足りないらしく、2人で歓楽街のとある店に入りました。


この2人が普通に飲みにいくなんて何か不思議です。

前回の事でリウイもジーニに認められましたけど、こんなにも親しくなるなんて。

ずっとまだまだだね、とか思っていたのに。気づいてみたら「剣の〜」以降に見られるリウイに近づいてきている。

リウイ自身は成長こそすれ根本的には変わらない。恐らくは回りが変わってきたんでしょう。


しかも今日のジーニは普段のフンドシ姿ではなく、アリドの民族衣装に身を包んでいて綺麗ですよ。

ジーニって普段は男以上に男らしいと思うのに、ふとした瞬間誰よりも女らしく見えるんですよ。

そんなジーニをつれているのもリウイだし、2人揃ってキチンとした格好をしたらかなり見栄えのいいカップルに見えますよね。


近頃はリウイもすっかり有名人。

この歓楽街においてもリウイに関係する事が一種のステータスになってるようです。

あと1年と少し経ったら王子様になっちゃうんだし、今の内なのかもしれない。


入った先の店がまた品のない店でしてね、酒の味はよくないし中途半端な格闘賭博とかしているし。

きっと「ロビンマウス」とか「一等マスク」みたいなパチモン的な剣闘士がいるんでしょうね(苦笑)

ロマールにいけば複数あるであろうこの手の賭博場ですが、流石に人が死ぬような物はご法度でしょう。

出てくる人もガタイがいいだけで筋肉がないし、随分と質の悪い賭博場ですね。

一般人には十分の刺激なんでしょうが、リウイのような男には退屈極まるでしょうね。


リウイにとってはジーニとの会話の方が面白いでしょうね。

あの時以来、ジーニはリウイの前でも随分と饒舌になりましたよ。

ジーニは男女の在り方みたいな事も差別感なく考えるようになったと思う。

自分が女である事を堂々と口に出すようになりましたし、リウイを男と意識した事も平然と喋りますし。


リウイ「男と女である以上、仲間だとか友人では済まないってこともある」

この「リウイ」の第一部はそれを自覚する為にもあるのではないかと思います。

男一人に女複数なんてパーティーが成立するにはメンバー自身がそれを認める必要があった。

別に冒険者に限った事でなく、男女の仲には多かれ少なかれそれがあると思うしね。

彼女達がどういう結論を出すかは追々分かっていく事です。


少なくとも、リウイという存在はこのパーティーにとっては決して消せないものになってきました。

仮にリウイが死んだとしてもリウイが入る前には戻れないでしょう。


ジーニ「いい男であることは認めてやる。わたしはお前のことを仲間だと思っている。それから友人ともな

ジーニにこんな風に言われるようになるなんてね、恐らくは最上級の褒め言葉だと思いますよ。

文庫も早7冊目でついにここまでくるとは、感慨深いものがあります。


この後、ロマールで拳闘士をしていたらしい男の相手が募られました。

そこでリウイが立候補するも酔いでリングに立てず、ジーニが代打を買って出るという事件もあったりします。

リウイ「ジーニに俺の有り金すべてだ」

賭金はリウイが自ら(ジーニ)に5000ガメル程で、その他の客は拳闘士に計7000程。

もしもジーニが勝てたら総取りですね。そしてこの後どうなったか、私はリウイとジーニが大勝ちしたと思いますよ。


第V章 世界で最も美しき―

★1・2

ここ最近地方の仕事が多くないですかね。

田舎でスプリガンを退治したり、ホーントを成仏させたり、前回の話なんて国境の方まで行きましたよ。

ファンの街を舞台にしたシティーアドベンチャーが少ない気がする。

盗賊ギルドと喧嘩したり下水道の掃除とかプチ・リウイ事件とかありましたけど、冒険者らしい依頼じゃないですよね。

まともなシティーアドベンチャーって4巻のホム事件以来だったりしませんかね。


今回も地方巡業です、それも以前の仕事の後始末ですよ。

「遥かなる呼び声」フロスト・ジャイアントを放置したままですから。

季節は早くも初冬だし、ヤスガルンも冷え込んできたでしょう。


今回はアイラもついていきます。

どうやら彼女も痺れを切らしてきたようで、なるべくリウイにくっついていようというんでしょう。

ついでに、リウイとミレルたちに特別な感情が芽生えてやいないかと見るためにも。

まぁ魔術師としての腕はリウイ以上だしマジックアイテムもある、役には立つと思うけど。


ということは、今回のメンバーは6人ですね、今回も見事にハーレム状態ですよ。

しかもリウイ抜きで主要技能をキープしてるし(苦笑)

抜けてるのはバード技能ぐらいでしょう。


フロスト・ジャイアントの眠る氷室にはあっさり着きました。

そこから"アイス・コフィン"と"スリープ"を解く作業が必要となります。

アイラ「せめて魔力は拡大してよね」

リウイ「そんなことしたら疲れるじゃないか。何もしなくても36回に1回は最高の呪文を唱えられるもんなんだぜ

確かにその通りなんですけど、TRPGを知らない読者には何が何やら(苦笑)


6ゾロの概念が噂とはいえ浸透してるんですね。

実際フォーセリアではそういう事象が本当に起きるんでしょう、マナの作用とかで。

それをTRPGのルールとして考える際に6ゾロを当てはめていると考えた方がいいかもしれない。


とはいえ、フロスト・ジャイアントの魔力は10、魔法強度は17です。

一方リウイの魔力は3レベルとしたらたったの5。本当に6ゾロを出さないと解けませんよ(苦笑)

フロスト・ジャイアントがサイコロを振ってたとしても、基準値に5も差があると解除出来る確率は10%程度です。

仮に拡大したとしても+2が精々、それでも出目10以上必要で3点消費ですね。巨人がサイを振っても24%程です。


アイラにバトンタッチしたらあっさり解凍出来ましたけどね。

アイラは魔晶石持ちでリウイより魔力も高いとはいえ、それなりの目が必要だったはずですが。

魔晶石を使ったのに自身も疲労していた所を見ると旧版ルールだったのかも知れない、それなら拡大し放題だしね。


そのあとリウイにもたれ掛かるなんてちゃっかりしてますよね。

ついでにジーニたちのリアクションを見るのも忘れない。そんなに好きか、リウイ・・・・・・。


そのあとルダが"スリープ"を解除するんですが、この際眠りの精霊サンドマンに呼びかけて解除してるんですよね。

ていうかルールブックには"ディスペル・マジック"で解けると書いてあるんですけどね。

普通は一度かけた魔法は術者の意思で解いたりは出来ないもんですが、気にしない事にします。

挿絵に出てるサンドマンが某わがままフェアリーに似ているような気がするのも気にしない(苦笑)


★3

昔話ではいい事をするとお礼を貰えるものです。

「鶴の恩返し」とか「舌切り雀」とか「かさ地蔵」とかもそうですよね。

今回も例外ではなく、霜の巨人は宝物を贈りたいと言って来ました。


宝物ときたらミレルやアイラも期待大です、マジックアイテムだったらアイラがなお喜ぶ。

メリッサだって試練と割り切ればへのつっぱりはいらんですよといった心境です。

言葉の意味はよく分からないが、なにやら凄い自信だ」(笑)


当然行く事になるんですが、季節は冬、ましてここはヤスガルンです。

山頂の方は万年雪も積もり、今は半端じゃない環境です。

アイラが持ってきた数々のマジックアイテムがなければアイラとミレル辺り危ない。


具体的には瓶の中に入った魔法のソリ、そして"テレポーテーション"の指輪とかです。

つまりはスノーモービル非常脱出手段を持ってるわけです、最悪でも遭難はしないでしょう。

この魔法のソリは新ロードスに出てきた魔船に似た様な収納方法ですよね。


そうそう、アイラは全身真っ黒になる毛でフカフカな防寒具を着てるんですがね。

頭にのせた同じく黒い帽子のせいでメーテルに見えます(笑)

銀河鉄道999に乗っていてもまるで違和感がありません(断言)。


それにしても大変な行程だったようですがね。

寒地に住むモンスターやらブリザードやら雪崩やらクレパスやらを乗り越え約一週間!

この連中なら南極でも冒険が出来そうですね(笑)

こういう時こそ火酒と書いてスピリッツでしょう、「蟻帝伝説クリスタニア」を思い出します。

そんな苦難の連続でしたがリウイは元気です、本当に魔術師か?(苦笑)


★4・5

こうして死にそうな目に遭いながらも目的地に到達しました。

でも巨人の言う「この世で最も美しい宝」とは古代の女性でした。

どうやらアリドの出身で名をエリシアというらしい。

そんな彼女が何故"アイス・コフィン"で氷付けだったのか、それは使命があったからです。


当時のヤスガルンは今よりも温暖な気候だったんですがね、天候制御の魔法装置(バナールのとは違う?)の影響で一気に寒冷化。

打開策として火山を呼び起こして精霊力のバランスをとろうとしたんです。

なんか賭けのようにも思えますね、果たして火山だけでバランスが戻るのか?

魔法装置というのも海の天候を操っていたと書かれています、バナールの方は陸でしょうかね。

この地方の天候を司るために対になっていたんでしょうか。


ここで1つ気になったのが本当に暴走したのは海の天候制御装置だったのか?です。

SWアドベンチャーを読んでいる人なら知っているでしょうが、

西部諸国のプロミジーの北には氷結海と呼ばれるプロム湾があり、そこには人工の妖精界イシュフェーンが存在しました。

カストゥール王国の崩壊時にイシュフェーンも崩壊の危機に直面し、放っておけば洒落にならない大惨事になる所でした。

そこでフェンリルの力を借りて妖精界ごと氷付けにしたのです、その影響であの地方も寒冷化しました。


そしてプロミジーとヤスガルンは同じ氷結海に臨んでいます(多分)。

もしかしたら魔法装置でなくフェンリルの影響かも知れませんし、

フェンリルと魔法装置の2つの影響で海諸共陸地まで寒冷化したのかもしれません。

あるいはもっと別の要因もあるかもしれませんね。


一行はエリシアの頼みで山頂まで赴く事になりました、手持ちの精霊石を使って使命を果たそうというのです。

ところがエリシアは詳しい事情は話さず、使ってしまうはずの精霊石を報酬として提示しました。

まぁありていに言えば騙されたんですよね。


エリシアは山頂に着くと火口に精霊石を投げ込みました。

精霊石というものは精霊や精霊力を封じる事が出来ます。

使い方によっては"ファイア・ボール"を使える炎晶石等にも出来ますね。

今回エリシアの持ってた物は炎と大地の複合精霊ラーヴァが封じてありました。


ただの複合精霊力なら珍しいものでもありません。その辺の雷や"ライトニング"や雷晶石に見られる電気は複合精霊力です。

しかし、複合精霊となると珍しい。複合された精霊力を持つ精霊なんて普通は存在しません。

混沌界や神々の時代、あるいは高度な魔術なら話は別ですがね。


混沌魔術にも炎と大地の複合精霊力による"プロウ・マグマ"という呪文があります。

ラーヴァもそれと同じ、溶岩の精霊とでもいいましょうか。これならヤスガルンに活を与える事も出来るかもしれませんね。

この経験が後にロードスで役立つとは予想だにしていませんでしたよ


ラーヴァは微妙に強かったけど、倒せない相手でもありませんでした。

お陰でリウイの3代目バッソーが殉職してしまいましたがね。

まぁフレッシュ・ゴーレムに叩きつけられて変形した初代や、ブロブで錆びた2代目よりはマシな最後でしたが。

シルフが魔法的なかまいたちを使うように、ラーヴァの攻撃は溶岩の触手だったようです。


複合精霊とやらがどの程度の強さなのかは分かりませんが、中位精霊程度の力はあるでしょう。

つまりはバルキリー知られざる生命の精霊のように6レベルぐらいかと思います。

それ以上だと強すぎるし、以下だと弱目な気がしますしね。


こうして噴火の危機は去りました。あとカラー挿絵のリウイとミレルは微妙に仲良さ気で好きです。

私は自然がどうこうとかいう話はあまり好きじゃありません。

自然が大切な事は分かりきっているけど、人は自分の生活も大事なものですし。

倒錯した話は好きじゃないんですよ、結論が偽善っぽくなりそうだし。


まぁ火山を噴火させたら今現在のアリドの集落が危なかったかもしれませんね。

アリド族には祖霊崇拝の習慣があります、まして本物のご先祖様なら住むには困らないでしょう。

エリシアには今現在のアリドの集落を見て欲しいものです。


アリドは元々山脈の北に住んでいましたが、環境の変化で今のように南へ移住しました。

その選択と今の生活は決して間違っちゃいないと思いますよ。

それすらもアリド族の伝統と歴史の一部に他ならないのだから。


第W章 人形の家

はい、またもや短い話です。

酒場の話程ではなく31ページですが、やはり短いので区切りません。


さて今回はリウイ抜きで女だけの冒険となります。

舞台はカストゥールの遺跡なんですが、見た目は模型の館ですね。

本当に小さい館ですがコマンドワードを唱えれば背丈が縮んで中に入れます。

スーパーマリオ64に似たようなステージがあったと思う。


見た目は模型とはいえ実際はちゃんとした材質を誇る館です。

中には"真実の扉"というれっきとしたマジックアイテムもありますし、

ドラえもんのスモールライトで本物の館を小さくしたようなもんです。

もしかしたら"トンネル"とかで壁に穴を開けるのも無理かもしれない。


でも便利ですよね、この館。場所をとらないで十分過ぎる程のスペースを確保できるんですから。

しかもマジックアイテムなだけに破壊も不可能でしょうし。アイラも存分にマジックアイテムを買い込めますね。

でも模型だけに引っくり返されたら一大事です。


それにしても、どうやってこんな物を作ったんでしょうね。

まさかボトルシップのように作ったわけじゃないでしょう(笑)

拡大・縮小の魔法でも使ったのかな。そうなると人の大きさを変えるか、建物の大きさを変えるかでしょうか。

どっちが適切なのかは考えるのが面倒なので触れません。


それにしても、彼ら5人も随分と仲良くなったものです。

今まではリウイ・アイラとジーニ・メリッサ・ミレルと分かれるのがほとんどだったのに。

今回は5人で馬鹿騒ぎして、魔術師ギルドで2次会を開く程ですよ。

ジーニがリウイを認めたように、5人とも家族ぐるみの付き合いをするようになってきました。

かなり強力そうなユニットだと思う(苦笑)


仲良くなるのは結構な事ですが、リウイに惚れているアイラとしてはそう喜べない。

いつリウイが自分以外の誰かと恋をするか分からないし、気が気じゃないでしょう。

今回はその辺りを掘り下げる冒険でもあるんです。


中には複数の"真実の扉"があります。

これは扉に触れた者に質問を投げかけ、真実を答えた時のみ開くというものです。

オーファンの王宮にも"真実の口"というのがありますが、多分似たような仕掛けでしょう。

系統で言うならば"センス・ライ"のように精神魔術を使っているんでしょう。


例えば「汝、誰を敬愛しているか?」とかいう質問がくるわけです。アイラは「お爺様」と答え、扉を開きました。

ちなみに特定の答えを出さなくても質問に対する真実を告げれば開くものらしい。

ミレルの場合は「敬愛するものはいない」というので開きましたし。

こうして開けていけば嫌が応にも本音を告白しなければなりませんね、それもまたアイラの狙いなんですよ。


それはそうと、ミレルの敬愛する人って先代の猫の元締めだと思ってましたよ。

ミレルにとっては恩人としかいいようのない人なのにね(苦笑)

敬愛とは違う感情ということかな?


さて、小さくなる冒険ということですが、小さければ小さいなりに危険があるものです。

シナリオ集「猫だけが知っている」では小さくなって下水管を探検するという物がありました。

「とっても小さな大仕事」というシナリオで山本弘先生のデザインです。


ベルダインを舞台にボー・クラモンという老魔術師の薬で1/5の大きさになっての冒険ですよ。

出てくるモンスターもゴブリンとかではなく、ゴキブリとかネズミとかクモとかです。

大変凝った設定をしていて面白いですよ、ちなみにボー・クラモンはSWアドベンチャーにも出ていました。


今回のアイラたちの探索にもゴキブリが出てくるんですがね、

こいつがまた曲者で夜の帝王とでも言わんばかりに気持ちの悪い強敵なんですよ(苦笑)

シナリオ集ではゴキブリは1レベルモンスターのコックローチとして出てきます。

ここで注意したいのは確かにシナリオでは1レベル扱いでしたが、今回はそうではないかも知れないということです。


縮尺の問題なんですがね、シナリオ集では冒険者が1/5になってしまった。

だから大きさの変わらないゴキが相対的に強くなりました(それでも1レベル)。

この大きさでは猫は3レベル、人間は10レベル扱いとなります。


では今回はどの程度に縮んでいるのか、それはミレルのセリフから推測できます。

ミレル「あたしの身長の2倍は軽くある」ですよ。

仮にミレルが150センチぐらいだとしたら、ゴキが3メートル以上に見えたという事になります。

5センチのゴキが3メートル以上ということはミレルは1/60以下に縮んでいると思われます


シナリオ集の方では1/5なので冒険者の大きさは精々30〜40センチでしょう。

ゴキは大体5センチぐらいなのでゴキは冒険者より小さい、でも今回はゴキの方が大きいんですよ。

いくらゴキとはいえミレルの2倍の大きさがあったら1レベルでは済まないと思います。

少なくとも生理的嫌悪感は半端ではない。あのジーニが「きゃあ」なんて可愛い声を出すぐらいですよ、怖いでしょう。


それにしても、ジーニも可愛いところがありますよね。

この話がアニメ化しなかったのが悔やまれます。

アニメではジーニは高山みなみさんが声を演っていました。

高山ボイスで「きゃあ」は是非聞きたかったのに・・・・・・(残念)。


シナリオでは薬によって小さくなるので、装備までは小さくなりません。

そこで日用品を装備として代用するんですがね、このリストがまた凝っている。

例えば包丁は必要筋力24のグレソー扱いですし。果物ナイフは14のバッソー扱いです、他にも色々ありますしね。


それはそうと本編に戻ります。一行は史上最悪の敵ゴキブリに遭遇し、当然逃げます。

負けやしないでしょうが3メートル級のゴキとは戦いたくないでしょう(苦笑)

色んな意味で追い詰められた一行はドアを開けて逃げ込もうとしますが、そのドアがまたもや"真実の扉"でした。


質問は「汝、誰を愛するか?」

ここにきて当たりがきちゃいましたよ。


ミレルは「誰も愛してなんかいない」と答えますが開きません。

次々に知り合いの男を挙げていきますがそれでも開かない、残る男はリウイのみ。

ミレル「あいつのことなんて大嫌いなんだから・・・・・」

・・・・・なかなか酷な扉ですね。


しかしアイラは堂々としたもので

アイラ「私が愛しているのはリウイよ

こうして扉は開き、皆は避難したわけです。

非常に気まずい気分を味わう事になりましたね。いよいと来る時が来たって感じです。

そんな事が起きているとも知らず、一人午睡を楽しむリウイが小憎たらしいったらありゃしない(苦笑)




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