「神王伝説クリスタニア(上)」著:白井英 原作:水野良 出版社:メディアファクトリー

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プロローグ

永い永い航海の末、水も食料も精も根も尽き、目の前には見上げるような断崖。最早彼らにはこれ以上航海する余裕はありません。

アシュラム様に率いられたマーモの民は、今まさに危機的状況に立たされています。邪悪なるものは、生きる事すら拒まれるのか。

この断崖こそは"神々の住まう地"クリスタニアの壁面です。この大陸は、神獣の結界に閉ざされているのです。

ロードスの「黒衣の騎士」との接点ですね、まさにロードスとクリスタニアの境界線上です。


アシュラム様とピロテースは意気消沈しているまわりに比べたらやたら元気です。グローダーやホップ司祭はどうしてるんでしょうね。

グローダーなんて体力がないから途中で逝ってそうで心配でしたがちゃんと生きているようです。

マールも1人元気な気がしますね、ていうかマールがダメな時はもう皆ダメでしょう(苦笑)


本来ならこのまま果てるしかない状況ですが、邪な奇跡によって彼らは助かるのです。

クリスタニアの神獣の一柱、"支配の神獣王"にして"密林の猛虎"バルバスが取引をもちかけてきたのです。

その取引とはアシュラム様が身体を提供する代わりにマーモの民へ土地を開くというものでした。


アシュラム様は約束通りバルバスを受け入れます、そしてマーモの民も約束通り土地を得たのです。

しかし一つだけバルバスの想定外の事があったのです。それはアシュラム様が一つの肉体を巡る魂の戦いを挑んできたという事です。


神の魂は強大です、"コール・ゴッド"によって神の魂を肉体に下ろすとその魂の強大さに、人間の魂は消し飛んでしまいます

一応魂の消滅を避けることはできますが、それはプリーストが超英雄ポイントを使わないといけません。

アシュラム様も超英雄ポイントを持ってはいますが、プリースト技能では使えません。それでもアシュラム様はバルバスと戦う覚悟なんです。


戦いは膠着状態に入り、アシュラム様とバルバスは戦い続け、肉体は歳をとることなく昏々と眠り続ける事になります。

こうしてバスバスの従者である猛虎の部族とマーモ出身の暗黒の民は奇妙な共生を始めるのです。

本来なら争いになる関係でしょう、しかし今はアシュラムでもバルバスでもない存在を共に崇める事が出来るのです。


猛虎の部族は"支配の神獣王"にして"密林の猛虎"と呼ばれるバルバスに仕える民です。

守護対象は支配、権力、復讐でバルバスは別名"竜王と敵対する者"とも呼ばれています。

猛虎の部族はクリスタニア全土を見てもかなり有力な部族です、戦闘に長けたタレントも脅威です。


ピロテースはというと、心配で心配で仕方ないでしょう。それでもアシュラムの勝利を待って300年以上、健気です。

アシュラム様ももうちょっと分かりやすくピロテースを思いやってくれればいいのに。

内心ピロテースを大切に思っていても、それをおくびにも出さない。不器用なカップルですね(苦笑)


こうして、クリスタニアは変わり始めたのです。マーモの民は暗黒の民としてクリスタニアの歴史に深く関わっていきます。

アシュラム様も魂が砕けなかっただけでも十分凄いのに、その上バルバスと戦うなんてもはや人間業じゃありません。

漂着から300年以上経ち、この戦いの均衡が破れるのが今回のお話。バルバスがアシュラム様の肉体を得て神王として蘇るのです。


第一章 神王覚醒

★1・2

前のエピソード(「はじまりの冒険者たち」)と微妙にカブる今作品。

「はじまり〜」を読まなくても話は通じますけど、やっぱり「はじまり〜」を見てからの方が面白いですね。

今回の主役はシェールことピロテースであり、獣の牙の傭兵のボークスとジェノバです。

私の中ではピロテースはピロテースでして、シェールとは呼べないんで全体的にピロテースと呼びますね。

愛称はピロっち希望です。


暗黒の民は上陸後、城と街を作りました。自分達の主は漂流王であるアシュラムであるという志も忘れていません。

アシュラム様の肉体はドートン城に設けられた大広間に安置されています。

300年以上放ったらかしということはないでしょうが、訪問に訪れる人は少ないでしょうね。


ピロテースって1日の半分以上はここにいそうですね。

最初の内なんて布団を敷いて横にアシュラム様を寝かせて新婚さんみたいに添い寝をしたりしてそう。

しかし300年はやはり長い、正直な所ピロテースにも疲れが見えます。

それが今回の事件を呼び込むことに繋がるのです。


暗黒騎士団の騎士隊長ルインズは状況を変えようと行動に出ました。

それは双面の民の爺ムーハの力を借りてバルバスを蘇らせようという計画だったのです。

ムーハは胡蝶の部族から盗んできた祭器混沌輪の力でアシュラム様の魂を混沌界へ飛ばし、バルバスを復活させてしまうのです。

ピロテースはまんまと騙されたのです、蘇ったのは愛するアシュラム様ではなくバルバスでした。


ピロテースは自分を責めます、何故自分はアシュラム様の勝利を信じ切れなかったんだと。

本当はアシュラム様を誰よりも信頼していたのに、待つことに疲れてしまったというのもあります。

これが200年ぐらい前ならつっぱねたかもしれません


神々は生前の巨人の姿の時最大の力を振るえました。

神獣の姿ではかなり力を制限されますが、人間の身体ではきかつてのような力が使えるそうです。

元々人間は神の姿に似せて作られた種族ですから、力を使うのに適した身体なんでしょうかね。

アシュラム様の身体を手に入れたバルバスは他のどの神獣よりも強力な存在になりました。

多分、魔神王や古竜も目じゃないぐらいに。


ピロとしてはムーハは殺しても殺したりないほどの怨敵です。

ルインズもいい加減決着のつかないこの戦いにウンザリしていたんでしょうね。

なんとなくルインズ自身の欲も見えます、出世欲というか。


ピロテースは混沌輪を奪取するものの、ルインズの怪しい魔剣に斬られて牛歩の歩みで逃げ出します。

アシュラム様の仇バルバスを倒す!その思いだけでこれほどの底力を出せるんですね。

愛する人を失った(と思ってる)というのに、まだ戦おうとする姿は健気であり哀れでもある。


ところでこの魔剣、なんでも本来の数倍の激痛を与え、傷が癒えなくする魔剣だそうです。

傷が癒えなくなるのは多分呪いですね、後に解除されますけど。

それまではその時奪われた生命力は決して回復しないとかそういうことですかね。

ピロテースはいつかの邪神戦争以来の大勝負に身を投じます(多分)


★2

場面は変わってクリスタニア、こちらはボークスとジェノバがメインです。

初対面のレードンたち余所者に親切にしてくれた初めての神獣の民ですね。

とはいってもそれは未来の話、前回のラストの方と今回の最初の方は微妙にカブってるんですよ。


ボークスは鬣の部族出身のウォリアー/ビーストマスターです。

鬣の部族は"黄金の獅子"ディレーオンに従う民です。

守護対象は栄光、権威"承認者"として知られています。


承認とはクリスタニアにおいてとても重要なものです。

ディレーオンは自らは積極的に意見を述べず、他の意見を聞きそれを承認するのが仕事です。

周期を初めとした様々な事を最後に承認したのもディレーオンであり、

逆に言えばこのクリスタニアではディレーオンの承認がなければなんの権威もないのです。


その従者である鬣の民もディレーオンにならって承認をすることが仕事です。

つまりは何らかの強い想いや目的を承認し、その実現に尽力するのです。

決して目的や想いの内容を承認するわけではありません、承認するのはあくまでも強い想いです。


そのボークスは病で妻と身ごもっていた子供を亡くし、虚無的になっています。

それはもう、昭和版009の004並に(笑)

最近の例で言えばエヴァンゲリオンの綾波ですかね、それぐらい虚無的です。


獣の牙の傭兵といえば仲間と一緒に酒を飲んで大いに楽しむのが通例なんですけどね。

酒に誘われても断り、さっさと宿舎に行ってしまいます。

酒も飲まずにすぐに帰ってしまう会社員みたいです。

家に帰ったら風呂に入って寝るだけ、嫌な20代ですね。


きっと周期の度に奥さんと死別していたんでしょうね

永劫ともいえる時を生きてきたのに一度も自分の子供を抱いてあげる事ができないなんて。

そしてボークスは獣の牙にやってきました。

いつ死んでもいいなんて思っていても、今日まで五体満足に生きてきました。


そんな今の居場所になっている獣の牙にも破局が訪れます。

双面の民が裏切り、ボークスのいたアデルの砦は陥落してしまうのです。

双面の民としては、生き残る上での断腸の思いでの決断だったことは断っておきますよ。

この時代は獣の牙の砦は3ヶ所ですから、あと2ヶ所です。


この時ドサクサに紛れて出合ったのがジェノバですね。

ジェノバは孤高の部族出身のビーストマスターです、ボークスと違って彼女はレンジャー

孤高の部族は"白頭の大鷲"フォルティノに従う民です。

守護対象は名誉、法、治安でフォルティノには"監視者""始まりの地の守護者"という呼び名もあります。

始原の巨人の目から生まれたと言われているのも納得のいく神格です。


孤高の部族はクリスタニアの秩序の監視こそが仕事です。

クリスタニアの秩序、すなわち周期や結界とかのことですね。

ジェノバも一応はそういったことを考えていますが、それだけでは終わらない女の子です。

快活ないい娘ですよ、アニメではクールだったけど。


★3

落ち武者のように逃げてきた二人はピロテースと運命的な出会いを果たします。

勢い余って殺ってまうところでしたよ。

ボークスは押し倒したピロテースに言葉も出ないようすですけど、挿絵で見る限り当の本人は引きつってます(笑)

これが縁で2人はピロテースと行動を共にするようになっていくのです。


ところで、2人のレベルなんですけど。

ボークスは"ライオンフォーム"を使っている所を見ると推定5レベルですね。

ジェノバは"イーグルクロウ"は使えるようですから3レベルぐらいですかね。

5レベルの"イーグルフォーム"はもちろん、4レベルの"イーグルゲイズ"なんかも使えないようですし(多分)。


猛虎の部族に襲われ、駆けつけた獣の牙ウンガロ砦の兄弟達に助けられるという展開もありました。

後にアデリシアを封印する変態ロームもいますよ、この時に出会ってたんですね。

彼って"パージ"が使えるから最低でも6レベルあるんですよね(嫌そう)。


ロームは仲間の傷を"パージウーンズ"で封印し、浄化の眠りに入ってしまって即退場。

これはウルスの1レベルタレントであらゆる傷を治すかわりに1時間の間眠ってしまいます

起こすには"ディスペルマジック"がいるところを見ると精霊魔法の"スリープ"と同じく魔法の眠りですね。

多分、眠りの精霊サンドマンはあまり関係ないと思いますけど。


ピロテースはシェールと名をかえたわけですが、その由来はエルフ語で「いつの日か」なんてロマンチックな意味があります。

黒エルフもエルフも多分同じ言葉を話すと思います。

いつの日かに続くのは「貴方とまた・・・」とかいう感じでしょうかね。

これって自ら名乗ってるんですかね、それとも誰かがつけたのかな?

最早本名を知っている人も多くなさそうですね、300年ですし。


神王バルバスを倒す旅はこうして始まりました、今回のヒロインはピロテースです!

主役はボークスだと思う、でも彼もまたアニメとは全然キャラが違う

アニメのボークスはかなり明るくて気さくでしたよ、兄貴なキャラでした。


第二章 6人の来訪者

★1

ボークス一行は今度はレードンたちと遭遇します。

前作ではレードン視点で話が進められていたからジェノバとボークスの登場は不自然でした。

でもこれを読めばなんとなく納得できますね。


こんな風にニ作品がリンクするのは私が最も好きな作品構成の一つです。

あまりに重なり過ぎているとクドくなりますし、離れすぎていても分かりにくい

ここには距離感の黄金率というものが存在するらしい。


ジェノバはピロテースを逃がしちゃいます。

ボークスがこのまま砦へピロテースを連れて行けば、ピロは殺されてしまうから。

獣の牙って実際そうでしょうね、例え負傷していようが抵抗できまいが敵に大しては情け容赦ありません。

そのくせ一度仲間と認めたら命がけで庇いあう、素敵じゃないですか。


でも、実際それは余計なお世話、ボークスはピロを承認しようとしてたんですから。

鬣の民が黒エルフを承認する、前代未聞じゃないですか?

結果的に混沌解放や暗黒神降臨に繋がる承認をしたリュースよりは当たり障りありませんけどね(笑)


3レベルのタレント"デイスリープ"から覚めたボークスは大あわてでピロテースを追いかけ、そこで会うんです。

レードンの前に現れた時って実は必死こいて探してた所だったんですね(苦笑)

ところでこのタレントは「レベル×睡眠時間」だけ生命力が回復するそうです。

ボークスは5レベル(推定)で2時間ぐらい寝たとしたら10点ぐらい、まあけっこう治ったかな?


眠りから覚めてみたらピロテースがいない、大慌てのボークスはちょっとカワイイです。

ボークスにしろ、ジェノバにしろ、人間としてはまだ未熟なところが多いです。

でもレードンやピロテースといった外部に触れて成長してい様子は皮肉のような、運命のような。

他の神獣の民たちもきっと変わると思うんですけどね。


ジェノバとレードンたちが話し合う場面に遭遇したボークスはいきなり殺る気マンマンです!

ボークス「あの若いの(レードン)を仕留められれば・・・・・・・」

危なかった、もしレードンが死んでたらどうなってたでしょうね。


色々あったけど面白い出会いでしたよ。

それにしてもボークスってば大白鳥の民が滅びた事を聞いて。

ボークス「周期という世界律の庇護なくして、人間が生きていけるはずはないのだ」なんて言ってますよ。


そんなことないですよ、むしろ特殊なのはアンタらです(笑)

外の世界には周期なんてありませんが、力強く生きる人は沢山いますよ。

ロードスにしろ、大陸にしろ皆立派な人生を送ってます。(一部例外あり)


生きるか死ぬかなんて分かりません、だからこそ生きるんです。

そりゃあクリスタニアでは周期によって何度も同じ人生はおくれるでしょう。

でも、短いからこそ限りあるからこそ人は精一杯生きるんですよ。

例え一瞬の閃光であったとしても、眩しく輝ければそれでいいじゃないですか。


そう、天の光は全て太陽!

それらは地球や月みたいにデカイ恒星の照り返しで光ってるんじゃありません、自力で光っている星なんです。

どうせ生きるんなら自力で輝ける人生を送りたいですね。

こういう人生観ってクリスタニアのテーマの一つだと思いません?


ボークスは自分でも知らず知らずの内に調子が狂ってきてますよね。

いや、狂っていた調子が元に戻りつつあるというべきでしょうか。

最初はあんなに虚無的だったというのに、苦笑したり、失笑したり、生暖かい眼差しを送ったり。

仲間や戦いが彼を変えたんですね。


レードンだってこの時はダナーンへの道が閉ざされた直後という事で失意の中にありました。

しかし、獣の牙やバルバスという存在を知ったら急に目の色を変えましたね。

水を得た魚状態、レードンは目的を持った時が最高に輝くのかもしれない。

でも彼の心には今なおマリードを憎む心もあります。そして覇王を目指す欲も、まぁ今はおくびにも出しませんけどね。


ボークスたちはアシュラム様の事なんて全然知りません。

まあ仕方ないんですが、この連中に聞かせてやりたいです。

北の呪われた島で繰り広げられた数々のドラマと嵐を呼ぶ戦いを。

3度の大戦で渦中にあった有名の英雄と無名の勇者たちの武勲詩を。


実際の所、アシュラム様が神に勝てるのかどうか分かりません。でも勝てると信じたいです。

そしてダナーンの吟遊詩人から、邪神戦争後のロードスの詩を聞かせたいです。

後のパーンやカシュー陛下の事を聞いたらどう思うでしょうね?


ピロテースはあくまでもバルバスと戦うつもりですが、これって復讐になるんですかね?

ボークスは復讐は自分の為だけにやるものだといってます。

でも純粋に大切な人のためだけを思って敵を討つ!なんて詭弁だと思いません?

確かにピロテースのそれは復讐だけではありません、でも復讐も兼ねています。

ピロの場合アシュラム様への想いとバルバスやムーハへの怒りが9:1ぐらいで存在してそうです(笑)


バルバスの司るのはその「復讐」です。

復讐の感情を精霊の組み合わせで表すならヒューリーとバンシーですね。つまり「怒り」「悲しみ」です。

そして、その元となるのは(想い)じゃないでしょうか?愛がなければ怒りも湧きませんし悲しみも覚えません。

自分大事な誇れない愛もあるでしょうけど、人への愛もあります。


ピロテースの場合バルバスやムーハや自分への「怒り」やアシュラム様を失った「悲しみ」といった所ですね。

でも、怒りや悲しみに変換しきれない純粋な「愛」もあるからただの復讐に止まらないんじゃないでしょうか?

ただの復讐は「怒り」と「悲しみ」といったネガティブな感情だけが動力源ですけど、

そこへ損なわれる事のない「愛」のエッセンスが加わればただの復讐ではないと、そう言いたいんですよ(長いわ)。


ところで劇中では黒エルフは永遠の生命を持つと公然とかかれてますけど、そんな事ないですよ。

黒かろうが白かろうが、普通のエルフの寿命はせいぜい1000年です。

でもハイエルフや黒エルフの上位種(仮にダークエルフロード)など、古代の魔力を色濃く持っているエルフには寿命はありません。

例えば、ディードやルゼーブとかがそうですね。


ピロテースの兄アスタールはルゼーブを除けば集落一の使い手でした。

なにしろ超英雄ポイントを使ってベヒモスやクラーケンと盟約を結んでましたし。

もしかしたら、ピロテースの家系はハイエルフのそれと同じように古代の力が残っているのかもしれませんね。

もしそうなら永遠に待てますよ。


★2

総勢9人になった一行は獣の牙の傭兵と遭遇しました。

ちょっと意外だったのは黒エルフを承認したボークスは完全に信頼を失ってしまった事です。

その辺は予想外だったらしく愕然とするボークスですが、承認者としての自覚からかすぐにシャキっとします。


神獣の民は周期に従い、自分の仕事をこなし、クリスタニアの絶対秩序である「完全な世界」をモットーとしてます。

黒エルフだからとかじゃないんですね、余所者である時点で排斥するには十分な理由になってしまうんです。


相変わらずけったくそ悪い習慣ですよ。

余所者を嫌う傾向は日常生活にもありますよ、でもこれほど露骨に嫌がりはしないでしょう。

銀狼の部族の百人隊長マティスはそうでもないんですけどね、少なくとも他の傭兵みたいに無下にしません。

双面の民の裏切りを受けてアデルの砦が陥落した直後というのもあるんでしょうね。

ウンガロの砦がベルディアに包囲されているという事もあって傭兵達は気が立っています。


マティスたちはなんとかして中の連中を助け出して合流しようと機を伺っています。

砦にそう遠くない所に作った粗末な駐屯地へ連れてかれてもやっぱり村八分。

ジェノバは孤高の民ですけど、ハミ子にされたりするわけじゃないですよ(笑)


もう一つ驚いたのがピロテースがボークスに混沌輪を見せた事ですかね。

信頼できる相手じゃないと見せたりしませんよ、ましてアシュラム様がからんでるし。


信頼といえば、ロームも出てきました。

レードンたち(ていうかアデリシア)を探してるわけですが、ボークスの一言で見事に見当違いの方へ行ってくれました。

一応他の部族の兄弟も信頼してくれてたんですね。


ジェノバにもボークス同様迷いというものが芽生えます。

秩序の監視者というそのポストはもっと大きな視点で世の中を見渡さなければいけません。

でも彼女はクリスタニアという漠然とした対象では実感がもてないのです。


彼女はこれから苦しみます。

秩序の監視者としてどうすればいいのか、レードンやボークスを止めるべきじゃないのか、等々。

これまではクリスタニアの秩序=完全なる世界です。

それを守らなければいけない、でもレードンたちを応援したい。

フォルティノの怒りに触れやしないか、というのもありますね。


部族の使命と個人の想いが天秤にかけられている状態です。

このような葛藤はこれから神獣の民が背負っていくものです。


第三章 宴の終わり

★1

急ですが、お手元にバルバスのイラストを用意できる方。

バルバスの頭についているトンガリってアイスクリームに似てません?(笑)

アレを抜くと何本もに分かれたムチが出てくるとか?(獄長様)

バルバス「泰山流千条鞭〜〜〜〜!!」(北斗の拳)


今回注目キャラはベルディア側のルインズガルディです。

ルインズはさっきも出てきましたが、暗黒騎士団の騎士隊長を勤める野心的な男です。

今はバルバスに与し、同胞であるはずの暗黒の民も容赦なく切り捨ててます

ガルディは猛虎の部族の戦士ですが、策も何も無い筋肉馬鹿です。

2人ともアニメ版に出てましたね、ガルディはバルバスに殺され、ルインズはオーヴィルとライバル関係でした。


そうそう、どうやら獣の牙の傭兵たちの中には真紅の民もいるようですね。

真紅の民は北クリスタニア最南ラブラドル地方に住み、"真紅の蟻帝"クロイセに仕える部族です。

守護対象は社会、組織"見捨てられた大地を守護する者"という呼び名もあります。

閉鎖されたクリスタニアにおいて更に閉鎖された社会を作り、民はその社会を維持するために奉仕する事をモットーとしています。

ちなみにクロイセが創造したミュルミドンというアリの亜人は一際目を引きますね。


故に彼らをこのイスカリア地方で見かけるのは稀です。

人間かミュルミドンかは知りませんが命令で来たんでしょうかね、後に出てくるノーファやミュルミドンたちみたいに?

レードンがクロイセの従者と出会ったのは後の「英雄伝説クリスタニア」が初めてです。

この場ではレードンは真紅の民と会ってなかったんですね。

まあ、傭兵も多いからいることに気づかなかったというのもアリですかね、だけに(笑)


獣の牙の戦いぶりは凄いですけど、この後を知っていると辛いですね。

バルバスはルインズに神託を下しました、それはウンガロ砦に力を行使するというものでした。

「はじまりの冒険者たち」でバルバスが振るった驚異的な力のことですよ。

もうじき前作のラストに差し掛かります。


一方、獣の牙とベルディア軍の白兵戦はわりと優勢らしい、これもまた前作の戦いですね。

ナーセルやライファンもそうですけど、ピロテースはやっぱり強いですよ。

邪神戦争の時点で7レベルのファイター/シャーマンでした。

あれからどれほど上達したのかはしりませんし、クリスタニアRPGに直すと細かい所が変わってくるでしょうね。


クリスタニアRPG風に言うなら、クラスはシャーマンでセカンドクラスはファイターですかね。

SWでは8レベルで使える"ファイアストーム"もここでは9レベルでないと使えません。

そしてピロはその"ファイアストーム"を使ってみせましたし、レベルについてはとも言えませんね。


さて、クリスタニアRPGは今となっては入手困難です。

当然ルールブックをお持ちでない方もいるでしょうから、職業だけここで説明しておきます。

クリスタニアRPGではSWと違ってキャラをつくった時にクラスを決めます、それはもう変える事も増やす事もできません。

そして、メインのクラスの他にセカンドクラスとして何かを取れるんですよ。


クラスとしてはナイト・ウォリアー・ソーサラー・シャーマン・プリースト・スカウト・レンジャーがあります。

セカンドクラスは取るも取らないも自由ですが、ビーストマスター・ファイター・ハンター・セージがあります。

ビーストマスターは主技能としては取れないんですね、もちろん出身や種族によって習得する職業は制限されます。

新しき民はビーストマスターになれない、ミュルミドンはスカウトにはなれないといった感じです。


ファイター=ウォリアーでハンター=レンジャーと考えていいですね。

セージはSWのソレと同じく、知識を持っている学者さんのようなものです。

具体的な例を挙げると「暗黒伝説」から出てきたアスファはソーサラー/ファイター、

リュースやボークスはウォリアー/ビーストマスター、ジェノバはレンジャー/ビーストマスターでしょうね。


それならセカンドクラスは必ずとった方がいいかといえばそうとも言い切れません。

セカンドクラスを取ると取らないでは経験点の問題からレベルの差がつきますから。

どちらがいいかは好みとパーティー構成の問題ですね。

SWと違ってソーサラーを育てるのもレンジャーを育てるのも同じ経験点です。


それと、一般人(ていうかNPC)全般を表すノーマルマンというクラスもあります。

SWの一般技能を一緒くたにした感じです、具体的な職業(商人とか漁師とかね)は人それぞれです。

ノーマルマンは上記のセカンドクラスをとる事も出来ます、つまり一般人でありながら獣人というNPCも再現できるんです。


さて、そんな説明をしているうちに色々あって砦の中の人たちも合流し、戦勝の気配が濃くなってきました。

ピロテースがルインズに向かって"アイスニードル"という馴染みの薄い魔法を使っています。

クリスタニアではSWと違って精霊力の働く場所なんて気にせずに魔法が使えます。

この魔法はダメージとしては"ストーンブラスト"や"ファイアボルト"と同じです。

SWではこの二つは打撃力にして10の開きがありますが、ここではそんなものありません。


レードン「気になるんだ。敵の動きが不自然に思えて・・・・・・」

ナーセル「まあ、たまたま馬鹿な指揮官だったんじゃないか」

馬鹿な指揮官というのは当たりです(笑)

でも、バルバスの考えが裏にあるという意味では気にした方がいいですよ。


★2・3

勝ち戦の後の宴はどうやら凄いらしい

それはもう、クリスタニアRPGにバード技能がないのが悔やまれます。(ソレは言うな)

今度の作戦がレードンのものだったことを知った傭兵たちは手荒く歓迎の嵐、とても気持ちがいい。


この辺もやはり、前作のB面なわけですね。

オーヴィルが賭け試合に出たり、クイルドと和解したり、レードンが激しくワッショイ状態。

マティスとジェノバもそんなレードンを安心した目で見ています。

151ページのマティスは「うる星やつら」の諸星あたるみたいでなんか好き。

蹄の民のロフェルというお姉さんといい関係で、ジェノバは生意気にも席を外してくれたりと微笑ましい。


1つ、前からずっと思ってた疑問があります。

違う部族の両親の間に生まれた子供は獣人になれるのか、またその際はどちらの神獣の加護を得るのか?

半々の確率なのか、神獣の気分次第なのか。

そもそも、ビーストマスターになるかどうかは神獣の決めることです。

同時に両部族の神獣様が同じ子供に力を授けるなんて事はないとは思います。

キマイラみたいなビーストマスターはできたりしないでしょうね。


ディレーオン様とクロイセの力が合わさってミュルメコレオンになるとか。

これは上半身が獅子で下半身が蟻のマイナーな生物でアントライオン(アリ地獄)の誤植から生まれたらしい。

シルヴァリ+フォルティノ=ペガサスとかないですよね。


さて、前作ではそろそろ大蛇の民のリオが砦に来たころでしょうか。

彼女は大蛇の民の援軍を送る代わりにレードンたちを砦から追い出してしまいます。

砦の皆は庇ってくれたんですけどレードンは潔く出て行ってしまいます。

ボークスも混沌輪を調べてもらえないは、大切なバルバス退治の同士を失うはと災難でした。


そしてボークスたちも出て行くことになります、まぁピロテースを抱えてますからね。

大蛇の民とはいえ、その辺の雑魚よりもピロやレードンの方が戦力になりそうですけどね。

ピロテースが本気で魔法を使ったら大蛇の民なんてまとめて丸焼きですよ、冗談抜きで。


いや、実際バルバスのせいで傭兵たちはみんな丸焼きみたいなものですが(笑い事じゃない)。

SWアドベンチャーに出てきた"天空の劫火"以上じゃないですかね?

これは打撃力50で追加ダメージ13の熱線を毎ラウンド与えるという恐ろしいものでした。

つまり、ひっきりなしに"メテオストライク"が降ってくるようなものです。


★4

ここでボークスは柄にもなく激情に身を任せて徹底抗戦に出ます。

最終的には疲れ果てるはジェノバとピロテースに救われるはと本当にらしくないです、自分が承認した事を忘れてますよ。

バルバスを倒すというピロテースの願いを承認したんだから、今は涙を呑んで遁走あるのみ。


ピロ「生き残った者こそが勝者、という言葉がわたしたちの島にはあった」

生きている限り何かが出来る、死んでしまえばそれさえできない。

ナシェルや薬草師のタトゥスも似たような事言ってましたね。


敗北とは傷つき力に敗れることではなく、そうした時に自分を見失う事を言うんです。

戦う牙を持ち続ける限り敗者ではありません

逆に言えば、戦う前であっても負けたと思った瞬間に負けなんです。


そんな時駆けつけたレードン達は多くの傭兵達を救出します、仲間だからね

この時のオーヴィルはライファンの敵を討とうとしている所ですね、

クイルドがナーセルに借りた魔法の短剣で加勢に来た時ですよ。


前作ではナーセルとライファンとアデリシアの方をメインに語られましたが、

今回はボークスたちに見える範囲であるオーヴィルの方なんですね。

そんなことしている暇に変態ロームがアデリシアを封印しようとしているのに。

オーヴィルが先走らなければロームを撃退するのも簡単でしたね、結果論ですが。


★5

というわけでアデリシアは封印されました、ちょうど前作のラストです。

ようやく神王伝説のエピソードに入れますね。


ボークスは封印したものが消滅するまで時間がかかることをレードンに黙っています。

それは一緒にバルバス討伐に行ってほしいから、その気持ちは分からないでもない。

あんな事があった後ですし、心が弱くなる時もありますよ。

こんな時こそレードンが側にいてくれたらどんなに心強いでしょう。


しかしそれはやはりフェアじゃないですよね。

ジェノバはそんなことは耐えられないからレードンたちに事の真相を教えに行きます。

でもレードンは既に封印の事はちゃんと知ってます、それでもなおバルバスと戦うつもりです。


感動のあまり涙が流れるボークスはソレを見せるわけにもいかずにソッポを向いてしまいます。

こういうときを言うんでしょうね、顔向けができないって。

アデリシアはどうするか、それは前作の感想でも書きましたが、今レードンが一番すべきだと思ったことはこっちです。

アデリシア救出はオーヴィル・ライファン・クイルドに任せてレードンとナーセルは神王退治へいきます。


ボークス・レードン・ナーセル・ジェノバ、そしてピロテース!

神王討伐パーティーここに結成、癒し手がいないのがちょっと不安ですけど。

クリスタニアRPGの精霊魔法には"ヒーリング"も"キュアー・ディジーズ"もないんですよね。

でもデータブックに載ってないだけで存在はしているらしい、「黄金伝説」を見る限りはね。


第四章 あるじのために

★1

ボークスたちは獣の牙最後の砦であるロマの砦へ来ていました。

バルバスの穿った三つの裂け目を塞ぐ為に砦が作られたわけです。

目の前には絶壁、そしてボーリングのガーターみたいな溝。(多分)

アニメで見る限り、ダナーンに出来た道は決して整備された道ではありませんでした、こっちはどうなんでしょうね。


300年もの間ここはベルディアとの戦の最前線だったわけですし、少しは足場もならされていると思う。

そんな戦いももう終わるんですけどね、それも獣の牙の全滅という形で。


これからボークスたちはベルディアへ乗り込んでバルバスを倒します。

でも倒すには至らずロマの砦はバルバスの力に晒され滅んでしまうんですよね。

こうなったら砦なんて作って中に篭っても意味がないです。

どんな豪傑でも砦ごと爆破されたんじゃどうしようもないし。


ファンタジー世界に銃火器や爆弾を持ち込んだらこんな風になるんでしょうね(苦笑)

とはいえ砦も作らずにゲリラ的に戦うだけじゃ限界があります。

バルバスをどうにかしない限りニッチもサッチもいかないんです。

二つの意味でこの砦は崖っぷちに建ってるんですよ。


それにしても、こんな急な坂道を登って攻めるなんていい根性してますよね。

大岩の一つでも転がってきたら全滅ですよ、どう考えても獣の牙の方が優勢になる地形です。


さて、ナーセルの出した案は傭兵達の盲点を突いたらしい。

それはこちらからベルディアに攻め込むという案でした

そうですよね、侵略されっぱなしっていうのがおかしいんですよ、報復行動に出ないのが不思議です。


いずれにしろ、もう獣の牙はお終いでしょうこの時点で。

三つあるうち二つの砦が落ちたんですから、どう考えてもこれ以上保ちませんよ。

1つの砦にいる傭兵達だけじゃベルディアの攻めを防ぐのは無理でしょう。

難しくてもここはゲリラ戦に移ることを推奨したいです。

ついでに各部族の神獣様にもこの辺を伺うべきですよ、人間同士の喧嘩に神様が出てくるなんて絶対におかしいですから。


結局の所、この作戦はボークス達がバルバスを倒すまでの時間稼ぎに過ぎません。

バルバスを倒せないようなら獣の牙は終わりです、実際そうなるわけですが。


ところで、ピロテースがルインズにつけられた魔剣の傷、そうあの絶対治らないっていうやつ。

あの呪いを解除できる人がいるそうですがどんな人なんでしょうね。

いえね、呪いを解除するってけっこう大変なんですよ。


神聖魔法の"リムーブカース"ぐらいしかないと思います。あとはウルスのタレント"パージ"とか?

でも呪いなんて封印したら何年寝るか分かったもんじゃないですね。

ルーミスのタレントにも脱皮する事で毒や呪いなんかを解除する"スラフ"というのがありますが、自分にしかできません。

神聖魔法の使い手はいるわけないし。


タレントを使うという手もありますね。

タルキィーの9レベルタレント"フォビドゥンワード"なら呪いも打ち消せそうですし、

ラフォンテールの6レベルタレント"エスケープ"なんて可能性大ですよ。


タルキィーの支配地域はベルディアですから獣の牙へ参加している沈黙の民は少ないしレベルが高すぎる。

一方6レベルの"エスケープ"はまだ可能性がありそうですね。

ラフォンテールの支配地域はベルディアの南のフィンガル地方ですが、行き来はあるでしょう。

逃亡を司る枝角の民ですが、獣の牙に参加してくれる人もいますよ。


★2

ロマの砦の傭兵、約600名は絶壁に穿たれた溝からベルディアへ下降中です。

ほとんどが"ビースト・ウォーク"("○○・ウォーク"の総称)なんかで駆け下りているというのに、レードンたちは徒歩です。

どれだけ坂が急かは知りませんが、アホみたいに長い坂を獣人のペースで降りるのは怖いと思います。

大丈夫かナーセル、転びでもしたら死の回転運動ですよ(笑)


やがて下には妖魔の一団が見えてきたらしく、一斉に矢を射かけようとします。

それはもう雨のように降り注いだ事でしょう、盾とか障害物がないと串刺しじゃないですか?

ナーセル「味方を巻き込んでまで、バルバスは力を使わない」

いや使います、アイツなら使います、ただ無駄使いしないだけですよ。


"イーグルウィング"使用中のジェノバに運んでもらうレードンはシュ〜ル。

通常の4倍のスピードが出るらしいこの翼は100キロぐらいまでなら一緒に運べるそうです。

古代語魔法の"フライト"はSWでは時速50キロクリスニアでは人間の3倍

そのまま対比して考えると時速67キロぐらいで飛べることになりますね。

100メートルを5秒ほどで飛べます、けっこう速い。


その際"イーグルクロウ"を使ってレードンを持ち上げるわけですが、コレって必要なんですかね。

レードンを掴んで、持ち上げるのはあくまでも翼の力ですから。

「レードンを持ち上げられるか?」というのは問題ではありません。

大事なのは「持ち上げたレードンをジェノバの腕力で支えられるか?」ということです。


よくよく考えたら傭兵とはいえ彼女は女の子。

暫くしたら腕がプルプル・・・・思わず放しちゃった、エヘ♪では済みません(笑)

レードンを支える為の"イーグルクロウ"だったらむしろ賢明だったのではないかと思います。

このタレントは相手にD10+2のダメージを与えるほどのアイアンクロウです。

これなら何の苦もなくレードンを支えつつ運べますね。


ピロテースは"バルキリー・ジャベリン"を使いますがSWではもちろんこんな事できません。

SWでは女性はバルキリーを使えない、でもここでは出来ます

精霊は使い放題、クリスタニアって精霊使いには有難いですね。


ナーセルは敵の鎧に"インクリーズ・ウェイト"をかけて足止めするという戦法を見せてくれます。

クリスタニアでは鎧にかけると移動力は半分になって防御技能にもマイナス修正が入りますね。

うまい、でも一人一人にかけてたらキリがないから雑魚にはすべきでないですね。


SWでも同じように鎧を重くして動きを鈍くさせられますね。

他にも"フィジカル・エンチャント・ウィークネス"をかけて相手の筋力を下げてしまうというのもあります。

いずれにしろ、重たい鎧に身を包んだ騎士への皮肉のようなナイスな戦法です


暗黒騎士団にちょっと怯んだけど勝てました。

獣の牙の戦死者は30名、重傷者はその倍ですがタレントによる癒しの手段も多いから助かるでしょう。

特にブルーザのタレント"マディバス"なんか使えますよ。


3レベルのこのタレントは術者を中心とした半径5メートルの土を泥に変えることができます。

そしてその泥を身体に塗って1時間ほど待つとレベル×5点もの生命力が回復します!

うまく使えば何十人もの傷を塞げますよ、戦の神獣王の従者だけに実に役立つタレントを持ってますね


★3

ロマの砦はフィンガル地方とイスカリヤ地方を分ける山脈に程近い所に建っていました。

実は、暗黒の民の王都ドートンに一番近い砦だったんですね。

ピロテースの案内で一行はマイリー神殿に身を寄せる事になりました。


マイリー神殿ということは多分300年前にホップが建てた神殿ですね。

マイリー司祭の人徳のおかげか、侵略戦争という国風の影響かけっこう立派。

今の司祭であるピエン司祭とピロが顔見知りなのもホップ司祭が関係しているように思えてならない。

代々マイリー神殿とはけっこう親しいお付き合いをしていたんじゃないでしょうかね?


いざドートン城へ侵入する際、堀を渡るためにピロテースは5人に"ウォーターウォーキング"をかけます。

これだけで30点消費、しかも黒エルフに魔法を解除されてドボン、なんかもったいない。

黒エルフだから精霊魔法の"シンク"ですかね、これなら"ウォーターウォーキング"を解除できますし。

相手もやっぱり30点消費、本当に無駄な気がする。


ナーセルも"ブリザード"を撃ち込んだりと侵入する前から魔法の大盤振る舞い。

ジェノバが向こうに上下二段でロープを渡せばもっとスムーズに渡れたと思う。

ところで、ナーセルにとって"ブリザード"が最強の魔法だそうですからこの時点ではナーセルは6レベルですね、

7レベルの"テレポート"は使えないそうですからまず間違いないです。


★4

やたら時間を浪費して城へ潜入成功。

現在の神王は一見アシュラム様で背後には巨大なバルバスの映像が見えている状態なんですよね。

まるでスタンドですね、あるいは初期のシャーマンキングの憑依合体。


とにかく、やたら強そうです。

今なら魔神王だって消滅させるのも可能かもしれません。(神だし)

大ニースの"コール・ゴッド"ですら魔神王が逃げ出すんです、神が身体に固定された状態ならもっと強いでしょう。


この辺は映画でも再現されてますね(ボークスはいなかったけど)。

そろそろBGMに「Save My Love」が流れ始める頃です(笑)

下成佐登子さんが歌われたこの歌は本当に美しい曲です、一度は聞いておきたいですね。


神の力はやはり凄いらしい、やっぱり神は凄い。

ジェノバはバルバスに攻撃した箇所と同じ箇所に傷が開き、ナーセルは石化、ボークスは壁に叩きつけられると圧倒的です。

魔法語を唱えた様子はないし、もはや人知を超えた力ですよ。どうやってマナを操ってるのかも謎ですね。

もしかしたら、竜語魔法みたいに魔法語の発音なしでマナを操ってるのかもしれません、神ですし。

神にとってはマナを動かす事は自然な動作なのかもしれませんね、人間には魔法後が必要だけど。


ボークスなんてソウルクラッシュをまともに受けちゃいますし、流石に心配になりました。

これってアシュラム様の肉体を利用したんでしょうかね、それともバルバス自体の剣術?

魔神王、ベルド陛下、アシュラム様と持ち主が変わってきて、バルバスに使われるなんて皮肉というか、なんというか

"知識魔神"グォール(ソウルクラッシュの付与者)はどう思うでしょうね。


ナーセルは石になる瞬間"ディスペル・マジック"?でレードンを開放し、

レードンはソウルクラッシュを弾き飛ばします、すると魔剣はピロテースの足元へ転がっていきました。

まるでアシュラム様が自分を斬れと言っているようで。


そしてピロテースはアシュラム様の肉体に剣を突き立てました!

ナシェルやフラウスやファーン、魔神王を刺してきて今度はアシュラム様か、つくづく魔剣って感じですね。

一体どれだけ多くの血を吸えばこの魔剣は役割を終えるんでしょう、魔神獣とか?


ピロテースは失意のどん底です、もう何を希望にして生きていけばよいのやら。

ピロテースはアシュラム様を失った悲しみをずっと抱いて生きていくことを選びました。

悲しみだけでなく、在りし日のアシュラム様の姿も何もかも根こそぎ抱き続ける。

健気、それでいて哀れで私としては凄い複雑。


こうして表面上バルバスは滅びました、もちろん生きてますけどね。

魔神王は消滅したっていうのにバルバスの魂は傷つかないんですかね。

肉体にはダメージが残って力を振るえなくなるだけでも意味はあったかな?


神の魂は不滅です、竜王に身体を滅ぼされた神々も魂まで完全に滅びるわけではありません。

なんて面倒なんでしょう、バルバスが死んだだけでナーセルが元に戻ったのも変だと思ったんですよ。

普通術者が死んでも石化は解けませんし。


こうして仮初の勝利を飾った一行ですが、本当の勝負はまだついていません。

物語は「神王伝説クリスタニア(下)」へ続きます!




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