「湖岸の国の魔法戦士」作:水野良 出版社:富士見書房

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第一章 囚われた女戦士

★1

リウイが王子になって半年、ファンを旅立って2ヶ月。リウイ達は湖岸の国ザインにまで来ていました。

時間の流れに関しては後々公式で改定されるんでしょうがね。

本文では一年前まで王子である事を知らなかったと書いてありますし。

それじゃあ「剣の〜」が1年前の事件みたいです。私個人は上に書いた通り半年ぐらい前だと思いたい、色々な都合で。


今回の話の特徴は各章が特定のキャラによる一人称の語りになる事でしょうかね。

例えばこの章はジーニが担当です。メインキャラが代わる代わるバトンを渡していくのは面白いですね。

前回はあまり出番がなかった3人娘?も前に前に出てきます。


ザインという国は割と新しい国家です。前身であったモラーナ王国が新王国暦490年に滅ぼされた後に建国されました。

具体的な建国年はよく分かりません、やっぱり490年?

何故か魔法を嫌う傾向にあり、現在は2つの反乱勢力を抱えている面倒な国です。

かつてはあのラヴェルナもタイミングが悪い時に入国し幽閉されたのです。


そしてリウイたちも成り行きでザインの兵士に追いかけられる事になりました。

ついてないですね、捕まったら更に面倒な事になりますよ。

普通の冒険者ならまだしも今のリウイはオーファンの王子様ですから。

そんな人がこっそりと入国していたら色々詮索されるでしょう。


どうやらリウイには自動的にトラブルをひきつける能力があるらしい(笑)

神託の勇者なんだし、それぐらいあっても良さそうですがね。

せめてお忍びの時はマナーモードにして穏便に済ませられないんでしょうかね?(無理だ)

結局はリウイが見つかる事だけは避けたいのでジーニが足止めを買って出ました。

流石はジーニ、どんな時でもリーダー的で頼りになります。推定リーダーのリウイよりもリーダーらしいかも・・・・・。


★2・3

ジーニは雇い賃1万ガメルの傭兵を名乗りつつ国境の砦に連行されてしまいました。

ちなみにザインの騎士団は雷魚(カムルテイ)騎士団といいます。

雷魚とは別名タイワンドジョウともいい、日本ではライヒーカムルチー(テイ)の2種がいるらしい。

歯が鋭く肉食なので弱いイメージはありませんが、でもどうせつけるなら魚雷騎士団の方がカッコよかったと思う(笑)


ジーニの説明によれば傭兵への報酬は月極らしい。年収12万ガメルの傭兵を名乗ってるわけですね。

それが兵士の収入の5倍以上だというのだから、兵士は月給2000ガメルぐらいかな。

まぁ普通に生活する上ではいい収入なんじゃないですかね。

それはそうと月1万って微妙に少なくないですかね、1日辺り300ガメルかそこらですよ。

傭兵家業が一月拘束の命がけならもう少し色を付けてもいいと思う。


ジーニはザインの兵士から情報を引き出す為の拷問を受けます(命令違反)。

拷問に限らず尋問関係で常々思ってるんですが、なんで"チャーム"を使わないんだろう?新リプレイのバスみたいに。

ザインは魔法嫌いらしいから良しとしても、それ以外の場ではそれでいいと思いますよ。


精霊魔法の方では1週間お友達状態になってしまうので、呪歌がいいですね。

抵抗を破るまで何度も繰り返せばよろしい。最終的には口を割るでしょう。

尋問をする側はバード技能を取って"チャーム"を覚えるべきです。

拘束した上で幾度となく歌を聞かせればいつかは抵抗を破れますよ。


やがて砦を指揮する騎士隊長のネクタールが現れて勝手に拷問をした部下を叱責。

更には適当にたたんで追い出してしまいます。カッコイイ、ジーニが好感を持つだけあって誠実そうな男です。

私としても好感が持てますが、後々ルキアルの策の捨て駒にされる事を考えるとなんか悔しい。

しかし彼は何処か虚無的。その虚無ッぷりといったら「サイボーグ009」の004以上です(昭和の方ね)

心ここにあらずといった感じでどうも覇気がありません。そんな彼の事情は後の方に回そうかと思います。


ネクタールはわざわざ従軍司祭まで呼んでジーニの怪我を治してくれました。

まるで賓客のように扱い、ジーニの素性を看破しつつも見逃してくれました。

恐らくはリウイへのメッセージを託したかったんでしょうね、ジーニの人格を信頼しつつ。

出来ればこの国には関与しないで欲しい、みたいな事でしょう。

まぁリウイだし、望まなくても関与しちゃうんですがね。


この辺りの挿絵なんですが、ジーニのあの蚊取り線香のような紋様って胸にまで伸びてるんですね。

普通に驚きましたよ、露出は多いけど普段は見えな部分だし。

こうしてジーニは足止めの役を果たし、開放されました。

ジーニを拷問した輩が簀巻きにされて川に浮かびやしないかと気が気じゃありません(苦笑)

そうなったら本格的に御用になりそうだし、ジーニは自重します。


第二章 冒険者たち

★1

今回の語り手は前回解放されたジーニを迎えに来たミレルです!

私の中では第二部に入ってから好感度がどんどん上がっています。

3人娘の中では一番好きかもしれない、健気で一生懸命で・・・・・。


見開きのカラー挿絵でリウイの胸に飛び込むあたりなんてミレルらしいし。

その為にわざわざジーニとリウイの間にグイグイ入ってくるんですよ。

冒険が進むに連れてレベル以上にリウイへの愛が上昇していますね、しかも腹筋が好きらしい(笑)


ジーニのお陰で逃げ延びたリウイ達は大陸最大の湖エア湖まで来てしまいました。

そこにあった村は2つある現王への対抗勢力の1つである先王派のリーダーヴィミー伯爵のいる村でした。

伯爵は元は宰相でしたが先王が敗れた時にその遺児を連れて逃げ出しました。

先王を支持する者たちがまとまれるのも伯爵の行動があればこそでしょうね。


2つの勢力は前王派モラーナ派とでもいいましょうか。

モラーナ派は文字通り、今は滅びたモラーナ王国の復興を望んでいます。リーダーは"嘲笑う者"カッセル子爵です。

ワールドガイドにまで出ている人で、1万ガメルの賞金首です。微妙に安い気がする(笑)


前王派とは現在の王であるゼウヌスが殺した先王を支持する人々です。

ちなみに先王はゼウヌスの実の兄であり、名をウラーノスU世といいます。

それ故ゼウヌスは"血まみれの王"という不名誉な名で陰口を叩かれています。


あれですよ、ロードスのアラニア王家のようなものです。

国王であったカドモスZ世は英雄戦争の時に弟であったラスター公爵に暗殺されたのです。

王弟が兄王を殺し王位を簒奪するという構図はソックリですね。


ワールドガイドでは愚鈍な兄が王位を継承し、それを良しとしない文武両道な弟が兄を殺して王位についたとなっています。

でも本編のゼウヌスはワールドガイドとは全然違う人に見えます。保身に走っているし、普通に無能だし・・・・・。

それにワールドガイドでは先王(つまり兄)は処刑された筈なのに、本編では暗殺になっています。

処刑と書きましたが、ハッキリとそう書いてあるわけではないので戦死かもしれません


しかしこれは一体どういうことでしょう、私は何か勘違いをしているんだろうか。

一応ワールドガイドの巻末でも本編のような印象を受けます。

もしかしてゼウヌスは文武両道だけど高潔ではないという微妙な人ということでしょうか?


更にはゼウヌスが4代目、先王ウラーノスU世が3代目の国王となっているんですが、

それより前の王であるウラーノスT世が本編では初代、ワールドガイドでは2代目になっています、

ギリシア神話っぽい名前かと思ったら、本当の神話さながらによく分からない関係を築いていますね、

あまりにも矛盾が多いので私がとんでもない勘違いをしてるんじゃないかと心配になってきました


★2・3

ヴィミー伯爵は暗にオーファンに協力を頼んでいるようです。随分と難しい願いですが、それほど切羽詰ってるんです。

ゼウヌスは反乱軍討伐の為にロマールに騎士団の派遣を頼んでいるらしいし、本気で崖っぷちなんでしょうね。

例のジーニが連れて行かれた砦だって彼ら先王派が攻めていたらしいし。

そういえばリウイたちはそれを避けるために間道に入った所で兵士に見つかったんですよね。

それって先王派にとったら攻めた甲斐があったと言えるのかもしれませんね。


流石に直接オーファン騎士団をザインに進軍させるのは十中八九無理です。

そこでファンドリアへ騎士団を派遣してロマールへ圧力をかけて欲しいんだそうです。

その隙にクーデターを成功させるつもりなんですが・・・・・そう上手くはいかないんですよね(苦笑)

そんな国際的ゾーンプレスをかけたってクーデターが成功するとは限らないし、リスクが高すぎる。


実質オーファンはロマールと敵対関係にあるんですが、リウイの一存で戦を仕掛けるのは無理でしょう。

ルキアルなんて謀略を仕掛けてきてるし、戦闘こそ起こってないけど戦争状態に近い。

これが極限まで緊張したらハジケるんでしょうかね。


リウイもヴィミー伯爵も辛そうです、お互い心苦しい事を言ってるわけだし。

それはそうとリウイも随分と考えてるんですね、感心しましたよ。明らかに昔よりも慎重になっていますね。

冒険者としてなら好きにするんでしょうが、王子としてここにいるからには滅多な事は言えません。


リウイは一応本国(ていうかラヴェルナ)に連絡を入れます。

てっきりこの事態に居る事を咎めるかと思ったんですが、意外にそうでもない。

以前自分もこの国に半年間幽閉された事もあるし、リウイたちには落ち度もないわけだし。


ちなみに通信には半分に叩き割った水晶型のマジックアイテムを使います。

携帯電話か無線機のようなものですかね、聞こえてくる声は肉声とは思えないらしい。

それってヘリウムとか吸った感じってことですかね?(笑)

ラヴェルナの指示はけっこうアバウト、ていうか自由度が高い。彼女なりに経験を積ませたいんでしょうね。

一国の存亡に関わる大事件ですが、信頼もしてくれているらしい。これからも長い付き合いになるだろうし、結構な事です


第三章 オーファンの魔女

★1・2

今度はラヴェルナの出番です!

案外早く出てきましたね、まぁそれだけ事態が急を要するということですけど。

宮廷魔術師としてカーウェスの後を引き継いだわけですが、やはりやり手ですね。

とにかく行動と反応が早くて気持ちいい。"テレポート"連続使用でオーファン⇔ラムリアースも一瞬です。


今回はあのケニー・ジュディス・アンウェンも出てきます。

彼らは一番最初に出版され短編集の一本目である「一角獣の乙女」で登場しました。

その時の事件がキッカケでケニーとジュディスは夫婦になりました。

ユニコーンであったアンウェンは角が落ちて見た目普通の馬になりましたが健在です。


その後ラヴェルナやローンダミスと一緒に大陸一周の旅にも同行していました。

ケニーはガラは悪いけど推定8レベルシャーマンです。

ジュディスも森林衛視隊の経験があるし、アンウェンだって元ユニコーンです。


3人?ともラヴェルナとは親しい仲です。

ラヴェルナは2人の家に"テレポート"用のマークをつけることを許されていますしね。

ジュディスなんてラヴェルナをラヴィって呼んでますし、関根さんか!(それはラビ(ラビット)―笑)。

ちなみに今回はラヴェルナもそのマークを利用してラムリアースまで来ました。


アンウェンは元ユニコーンだけに精霊語で会話できます。

ジュディスは元乗り手なので意思疎通が出来るようですが、ラヴェルナはそうもいきません。

そこでラヴェルナは遺失の拡大魔術"精神感応"を使ってコミュニケーションを取っているようです。


恐らくは"テレパシー"でしょう、「クリスタニアRPG」に載っています。

世間一般に知られているテレパシーとそう変わらないと思います。

「クリスタニアRPG」では5レベルの魔法で、有効距離も100メートルあります。


こういう風に過去のキャラが出てくれると凄い嬉しい。

そういった繋がりこそがフォーセリアの魅力の1つなのだし。

ちなみにジュディスは貴族出身ですが、ドルイドであるケニーとの結婚は許されていないらしい。


それでも2人は普通に夫婦生活をしています、夫婦仲は良さそうなので安心です。

ラヴェルナ&ローンダミスだって仲良いですよ。ラヴェルナはここに来る前に夫婦の営みを経ていますし(苦笑)

なんか色々なカップルがいますよね、「リウイ」って。そういえばバーブとアンジェラはどうしてるかな?


ケニーとジュディス(+馬)はラヴェルナにあっさりと協力してくれました、流石は10年来の友人です。

今回のラヴェルナはザインの反乱が失敗になった時の反乱軍の退路を確保するのが目標です。

あのユニコーンの森さえ抜けられれば、ザインからエア湖を使ってオーファンの方まで逃げてこれますしね。


しかしユニコーンの森の通過自体が難題です、あそこは王国とドルイドの目があるし。

その辺はフレアホーン王も承諾してくれるようなのでクリアかな、ドルイドの長であるロウラスへはケニーが頼み込みますし。

ケニーは大陸に2人しかいない超英雄キャラの1人ロウラスを「爺さん」と呼びます(笑)

それでいてそのロウラスに次ぐ実力者なんですよね・・・・・。


そしてラヴェルナはロマールの進軍を知る事となります。流石はラムリアース、魔法と政治の融合が実に見事です。

多分"遠見の水晶球"のようなマジアックアイテムで知ったんでしょうね。

ザインも魔法さえ受け入れれば随分と変わってくるんですけどね。

しかしこれでリウイたちが危なくなってきました、ロマール軍が来るまで幾らもない

限られた時間の中でリウイ達が何をするかが見所です。


第四章 蘇る伝説

★1

今度はメリッサです。

第一部ではあれだけ「不本意です〜!」を連呼していたのにすっかりリウイにも馴染んできました。

最近はリウイに勇者を見出しているのか聞けなくなってきました。

ちょっと寂しい気もしますが、リウイにとってはそっちの方がいいと思う(笑)


ロマール軍がいよいよ動き出し、反乱勢力の命運は風前の灯となりました。

もっとも、風前の灯なのはザインそのものなんですが・・・・。

ヴィニー伯爵もその情報には驚きを隠せません。ネチネチと考えてきた構図が一発で崩れた訳ですし。

実を言うと伯爵はモラーナのカッセル子爵ブルム族とも手を組んでいました。

もう少し時間があれば現王の勢力を倒せていたらしい。


その真偽も今となってはどうでもいい事ですがね。

こうなってしまっては普通に戦って王権を奪うことも出来ません。倒せたとしても国を立て直すまで時間がないし。

そこで彼らは時間稼ぎをしてゼウヌスだけでも倒し。王権を取り戻した上でオーファン・ラムリアースから援軍を頼む事にしました。

その時間稼ぎの為にある男の名を挙げたのがリビアスという伯爵の側近です。

実を言うと彼はロマールと通じています。その策は希望があるように見えますが、実は致命的な罠でもあったのです

それは後々ルキアルの謀略が暴かれる時まで保留にします。


ここで一行は3つに分かれます。

ミレルはリビアスと一緒にカッセル子爵に会いに。

ジーニは伯爵の側近オムルと時間稼ぎの男へ会いに。

そしてリウイとメリッサは伯爵と一緒にブルム族を訪ねます。


もちろんメリッサがミレルと同行する事にはミレルがちょっと不満げでした(苦笑)

本当にリウイが好きなんですね、ミレルって。まぁ本人は今の所幸せそうなので結構な事です。


★2

ブルム族とは竜を信仰する部族です。

あの邪竜となったクリシュもかつては族長を務めていました。

モラーナの宴に招かれたクリシュ族長は毒を盛られたそうですが、何故か死なずに翼を生やして逃げたそうです

毒を無効化する"ポイズン・プルーフ"と翼を生やす"ワイドウィング"でしょうね。

3レベル以上あれば両方使えますから、族長であるクリシュには訳ないでしょう。


それからクリシュは竜語魔法を極め、モラーナ王族への復讐を始めるのは有名な話です。

そして辛うじて生き延びた人々はラムリアースにまで逃げたそうです。

彼らこそがザインの現王派・前王派・モラーナ派につづく第四勢力です。

まぁ勢力といえるほどかは微妙ですが、ゼウヌスにとっては目の上のタンコブではあるでしょう。


若き日のヴィニー伯爵はモラーナに仕えていたんですが、部族に警告を与えたりと色々貢献した恩があるので伯爵の味方です

実はザインの不安要素が全て手を組んでいたんですね。そしてそのブルム族はもう故郷の地に戻ってきていたりします。

エア湖に近い集落なんですが、そのエア湖には連奇岩というものがあります。

そここそはかつてリジャールとクリシュが決闘を行った場所です。


連奇岩は文庫の地図にも書いてあるように幾つかのトンガリが湖面に顔を出しているような岩です。

それには巨大な竜の背中であるという伝説もあります。

もし本当だとしたら神話に語られる空を覆い隠す翼の竜王さながらの巨大さでしょうね。

そんな話も竜が多数生息しているせいか本当に思えちゃいますね。


リウイとメリッサはブルム族の若者アヴィの案内でその連奇岩まで赴きます。

リウイにとっては色々思う所のある場所なんでしょうね。

リジャールやカーウェス・ジェニが戦った場所なんですから。


地面はクリシュのブレスのせいで溶けてガラス状になっているらしい。

何故か攻撃魔法が炸裂した跡がありますが、きっと一騎打ちだったんですよ(苦笑)

竜のブレスって小説とゲームじゃ絶対に威力に隔たりがありますよね。

もしも小説の記述通りの威力があって浴びたら最後、生死判定要らなそうだし。


リウイ達が去ろうとした時、竜の卵を見つけてしまいました、その卵の中身は紛れもなくクリシュです。

これこそは竜語魔法最大奥義"リボーン・ドラゴン"です。

10レベルですが、竜司祭はこれの為に修行を積んでいるのです。


20以上の達成値さえ得られれば死後に卵に包まれ、成竜として生まれ変わります。

これが転生竜です、ちなみにリジャールが戦ったのは人が姿だけ変えた変身竜です。

その際記憶を失っていますが、脱皮をして老竜になれば記憶は戻ります。

そこまでに至れば竜司祭としてはこれ以上ないという程の成功でしょうね。


ここで気になるのは卵から孵ったクリシュです。

ルールブックではレッサードラゴン(成竜)として生まれ変わると書いてあるんですよ。

でもクリシュは何故かインファントドラゴン(幼竜)です。

何でだろう・・・・・・実はクリシュはとっくに成竜だとか?

まぁ特例と考えて、普通はルールブックの記述だと考えてしまう方が良いんでしょうけど。


とにかく、このままではロマールが来る前にブルム族が危機に晒されます。

幼竜とはいえ集落を滅ぼすぐらいは出来るらしいです。

正直1〜5レベルしかない幼竜にそんな力があるのか疑問ですが、きっと危ないんですよ

実際なんか強いし、防御点がアイアンゴーレム並にあるような鱗を持ってましたし(苦笑)


第五章 苦悩の騎士

★1

語り手も一巡しました。今度はジーニです、2度目ですね。

我らが勇者がさり気なくスルーされていますがちゃんと回ってきます。

もしもアイラがいたらちゃんと回ってきてたんでしょうけどね・・・・・・・。


リウイ達と別れたジーニは伯爵の側近の1人オムルと一緒に協力者へ会いに行きます。

オムルは騎士位を持ってたんでしょうが、文官タイプで強そうには見えませんね。

何かといい人っぽいので出番は少ないけど印象深い人です。

挿絵での彼はHXHのレオリオに似てると思う、あとこの挿絵のジーニがお目々パッチリなのも珍しいと思う。

普段は凛々しい目つきだけどこういう瞬間凄い美人にも見える。


そういえば前々からジーニがアマゾネスの部族の出身だというデマ情報を聞きますよね。

それってこの大陸に実在するんでしょうかね?

ギリシア神話に出てくるアマゾネスは有名なヘラクレステセウスとも縁があります。

月の女神アルテミスを信仰していて、現在のトルコ辺りに彼女たちの国があったそうです。

アマゾネスの社会には男の存在は許されなかったというのも有名ですね。


その名の由来は「乳なし」という意味だという説がありますが、微妙のようです。

そういえば、アマゾネスが弓を引く邪魔にならないよう片胸を切断したという話もありますね。

現在のアマゾン川もアマゾネスのような部族がいるとされていたのが由来だとか。

話に聞く限りではありそうな、なさそうな・・・・・。


あったとしたら子供を授かるために外部との接触が不可欠になるし、多少なりとも位置を特定できそうですがね。

そういった部族がいそうな場所は大陸中に結構あるもんですよね。あったとしたらやっぱり皆フンドシなのかな?(笑)

全体的にワイルドで露出が多いイメージがあります。ジーニが混じっても違和感無さそう。


★2

オムルが案内した先はあのネクタールのいる砦でした。

ネクタールがロマールの遠征軍の将軍を殺す事で時間稼ぎをするというのがリビアスの案でした。

無論そんなことをしたら自分だって不名誉な死が待っているだけです。それでも彼はその役目をあっさりと承諾しました。

何故そんな事をするのかと誰もが疑問に思うでしょうね。


ネクタールはゼウヌスの妹を妻としていました。

しかし彼は代々今のザイン王家に仕えていて先王の時は近衛騎士隊長でした。

そしてゼウヌスと先王の内乱の時、婚姻関係のせいで自動的にゼウヌスの側に組み込まれてしまったのです。

ネクタールは先王を守ろうとしたにも関わらず。


しかし妻は亡くなり、ネクタールは地方へ遠ざけられました。

政略結婚だけど相性は良い夫婦だったようですし。

騎士としても、男としてもなんともやりきれない思いに駆られてきたんでしょう。


特には言ってませんが自分を弁護してくれた伯爵への恩返しも兼ねているんでしょうね。

自分が出来なかった事への代償行為のようなものでもある。

そして何より生きる事に光を見出せなくなっているのかもしれません。

本来備わっているであろう覇気を感じないのも多分そういった事情があるからでしょう。


惜しい男だな、と思いました。

ジーニの言っていたように彼とリウイを会わせてみたかった。どうみてもザインにおける実力者ですし。

あのジーニが最初から好印象を抱いていたし、いかにも騎士って感じだし。


一番残念なのが彼の決断がザインを危機に陥れるということです。

1人の男の自決すらもルキアルの謀略に飲まれてしまうと思うと苦々しい。

まぁリウイが土壇場で引っくり返してくれるだけマシですがね。

人は彼をオーファンのファンタジスタと呼ぶ(呼んでません)。


第六章 暴かれた謀略

★1・2

今度の語り手はミレルです!

一応ここまでは一巡目と同じ順ですが次は違いますよ。

ミレルは今ロマールの将軍を暗殺する計画を提案したリビアスと一緒に首都ザインにいます。


人口について気になった事なんですが、本編では都市ザイン5万となっています。

それなのにワールドガイドでは都市ザインの人口が1万となっています。これはやっぱり間違いなんでしょうかね。

ちなみにザインという国そのものの人口は7万となっていますが、これは誤りのようです。


Q&Aを参考にすると、これは都市人口の事なんだそうです。

国そのものの人口は都市人口10倍ぐらいが目安になるそうです。

この都市人口というのは主要都市の人口の合計という意味のようです。

実際はそれでも全然一致しないんですけど、まぁ目安ですし。


都市といえばワールドガイドによればモラーナという都市もあるらしいです。

実際何処にあるのかは謎です。名前通りにモラーナ王国の首都で、モラーナ貴族の反乱の拠点だそうです、

多分カッセル子爵とかが詳しいと思います。


あと、ヴィミー伯爵が連れている先王の遺児なんですがね、彼の記述のところで先王が2代目の国王になってるんですよ。

ワールドガイドでは先王ことウラーノスU世は3代目で、ゼヌウスが4代目になった筈なのに。

ザイン王家についてはやっぱり矛盾していると思います。

ウラーノスT世が初代になったり二代目になったり、食い違うんですよね。


さて、今回のミレルは盗賊の能力をフル活用して事の真相に迫っていきます。

街で《聞き耳》を立てて盗み聞きしたりしますし単独で戦闘も行います。

そしてオーファン盗賊ギルドの秘蔵っ子の異名に恥じない思考展開で、ルキアルの謀略まで見破ってしまうのです。


凄いよミレル、リウイが絡むと火事場のクソ力的ふんばりを見せますね。

私はミレルのこういった所が好きですね、友達や想い人の為なら人一倍頑張るという真っ直ぐさが。

ミレルって意外と尽すタイプなのかもしれませんね。


それと、ようやくカッセル子爵が出てきました。

30年以上前に滅びたモラーナを復興させようとしているんだし、結構歳いってるのかと思ったら意外に若く29歳らしい。

一人称を俺と言ってる時は若ぶってるなと思ったら本当に若くて笑いました(笑)

イメージとしてはブロッケンJrとかかな、やるっつぇ!みたいな。


ワールドガイドをよく見ると、カッセル子爵って反乱軍のリーダーの息子らしいです。

実際モラーナの治世ではほとんど生活していないんでしょうね。

クリシュがモラーナを滅ぼしたのは490年、本当に30年以上前なんです。


ワールドガイドの年齢が何時の物かはよく分かりませんが、ラヴェルナが帰還した521年頃かと考えています。

ワールドガイドはラヴェルナの旅と平行して書かれてますし。

その巻末に載せるのだから記述が全て有効になってからの年齢に設定すると思います。


ミレルの頭の回転の速さと指摘の鋭さには策略家らしいカッセル子爵も感嘆するほど。

そしてルキアルの本当の狙いにまで至ってしまうのです。

これから暗殺する遠征軍の将軍は初めから捨て駒、将軍殺しを理由に一気にザインを落すつもりです。

その為の物資まで遠征軍に持たせたのはヒントのようなものですね。


実は当のリビアスも動揺したのか漏らしてるんですよね。

「ロマールにザイン制服の意図がないにせよ、将軍が暗殺されればロマールはザインに報復を・・・」

元々リビアスが発案したわけじゃないし、思わぬ指摘につい余計な事まで喋ったという感じですね。


そしてミレルはそれを立証する為に単身リビアスらを挑発し、戦います。

リウイの為に決めた覚悟というのがまた泣かせます。

口先だけじゃない本当の気持ちでなければこうも堂々と命は賭けられないでしょう。

義務とか任務とかいう公的な気持ちではなく、自分自身の問題という私的な気持ちでの命がけの戦いです。

保身に走りがちな私心が自分以外の人に向くからこそ感動を誘うのだと思います。


とある人の言葉を借りれば「その力こそ愛」でしょうか(苦笑)

とにかく私はこういった想いというものに弱い。

ミレルは一際それが強く、行動にも出るから好きなキャラなんでしょうね。


第七章 邪竜再誕

★1

今度の語り手はメリッサです。

クリシュが蘇るこの一大事にリウイと一緒に居られたのはマイリーの思し召しでしょうか。

勇者の従者としてはそれはもう本意でしょう。

以前はリウイの株を上げるために自ら竜殺しを計画していましたよね、半ば本気で(苦笑)

それが微妙に叶ったのも今思えば笑い話です。


ブルム族との話し合いの結果、孵化を早まらせて竜の爪で束縛するという方法が採用されました。

そしてその役目にリウイが自ら立候補しました!

メリッサではありませんが「よく言った!」と言いたい。

色々辛いかもしれないけどリウイは怯んでいません、それでこそ神託の勇者です。


クリシュは部族の同胞の復讐で戦い抜いて死んだ訳だし、殺したくないのは山々でしょうね。

クリシュを生かそうと強固に主張したティカはこれを機にリウイ達の仲間になります。

アヴィの妹で自らも竜語魔法が使えるので結構頼りになります。


竜同士の戦いでは先に爪を打ち込んだほうが相手を従える事が出来ます。

それは魔法的な効果もあって抗う事は不可能。このお陰で縄張り争いとかも比較的速やかに片付くんでしょうね。

勝った方に負けた方は従うなんて野生の生き物らしいじゃないですか、猿山みたい(笑)


ただし脱皮の時はそれが解けてしまいます。竜の脱皮はあらゆる呪いや束縛を打ち破ります。

魔法の分類で言えば「呪い」「非解除」すらも無力です。ノーライフ・キングへの転生とも似ていますね。

成長した上にそれまでのツケ全部チャラにするなんて借金を踏み倒すようなものです。

その上やられた相手へのリベンジも出来る、いいシステムですね。


今回の場合はクリシュが成竜へ脱皮したらリウイが危ないんですけどね。

今度は転生竜だけど本物の成竜です、かつてリジャールの倒した変身竜とは違います。

転生竜は老竜にまで脱皮したら前世の記憶を取り戻します。

リウイは成竜への脱皮の直後に爪を再び埋め込んで束縛し、次の脱皮で老竜になった後に話し合う事も出来る筈です。

成竜相手に爪を打ち込むぐらいなら、いっそ殺った方が楽だと思う(笑)


勿論その時はメリッサも手伝うでしょう。まず間違いなくジーニやミレル、そして帰ってきたアイラも・・・・・。

ひょっとしたらオーファンの騎士も加勢しようとするかもしれませんね、王子様だし。

王子が竜へ挑もうとしているのだから忠誠心厚い騎士は放っておけないでしょう。


まぁそれもリウイがその時にオーファンにいればの話ですがね。

下手したら聖剣探索中に脱皮するかもしれないし。

妊婦がいきなり産気づくようなパニックです(笑)

アトンとの戦いの時に剥けちゃったら最悪です。


★2

ブルム族やヴィニー伯爵が連奇岩の前に非常線を敷き、リウイとメリッサと竜の兄妹はクリシュと対峙します。

アヴィ&ティカが竜召喚の儀式とやらでクリシュの孵化を早めるんですが、これって竜語魔法なんでしょうかね?

竜語魔法には爬虫類や亜竜・竜を召喚するものもちゃんとあります。


一番レベルが高いのは9レベルの"サモン・レッサードラゴン"でしょうね。

文字通り成竜を召喚できるので、幼竜でも可能かもしれませんね。種別が儀式だから2人がかりの儀式を行ったと解釈できます。

ただこれだとアヴィが9レベルになっちゃうんですよね。召喚した直後呪文による束縛を受けていた点も気になりますし。


それなら竜を呼び寄せる(竜語魔法ではない)呪文とかの方が自然ですよね。

竜笛とか竜の爪とかは部族で作ったものですし、竜語魔法とは別に特殊な品物を作れると見て間違いないでしょう。

それならそういう特殊な呪文が伝わっていても不思議ではない。ではその呪文とやらが何語なのかが問題ですね。

竜語魔法には竜語が存在し、発音の必要なく発動します。でも必要ないというだけで発音も存在するかもしれません。

あるいは部族の言葉なのかもしれませんよ、本当に竜語の発音なのかもしれませんけどね。


竜の爪を打ち込む戦いにはメリッサも"バトル・ソング"を歌います。

この時点でもうプリースト5レベルです。着実に成長してるんですね、みんな。

ゴブリンを素手で撲殺していたのが懐かしい、あのなんちゃって勇者も竜を相手に戦うようになったんですね。


幼竜の防御点は最大の5レベルであっても10点程度です。

追加ダメージ8点のリウイなら竜の爪という得体の知れない得物でも鱗を破るのは可能だと思います。

あとはこっちが死ぬ前に相手を押さえ込めばいいんです。

某サイボーグ風に言うなら「あとは勇気だけだ!」(シチュエーションが違う―笑)


他の数値を見る限り5レベルのリウイならなんとかなる相手です。

4段攻撃と咆哮とブレス、どれも怖いけど咆哮程度はメリッサの歌で防げるはず。

抵抗の目標値は12ですから、"バトル・ソング"の達成値が13以上あればサイを振るまでもなく抵抗できます。

ルール上そうなってます、精神系の効果は一度に一つです。メリッサの魔力は8だから、出目にして5以上あれば良いんです。


リウイはボロボロになりながらもついには爪を埋め込み、クリシュを従えました。

この時は不思議と心が躍りました、あまりにもカッコ良くてロマンがあって。

父親は竜を殺し息子は竜を生かしたんです。違った形ながら伝説は繰り返されたんです。

束縛されたクリシュは大人しいものですね、愛称をクーちゃんにしちゃいそうな程大人しいです(笑)

リウイとは使い魔と魔術師のような関係のようです。心で通じ合っているので指示はいつでも出せる筈


全てを終えてからクリシュを従えて出てきたリウイへ飛ぶ歓声は気分が良かった。

好きなキャラが賞賛を受けているのはやはり嬉しいものです。

あれだけダメ勇者っぷりを見せていたのにこの待遇、まるでキン肉マンのようです(笑)

それからジーニも合流してザインへ攻め込もうとした矢先、怪我をしながらもミレルはルキアルの謀略の正体を告げます。

既に遠征軍の将軍は殺され、後戻りは出来ません


第八章 ザイン大同盟

★1・2

終わりも近くなってきて今度の語り手はラヴェルナです。

今回はラヴェルナが"テレポート"を駆使して本当にあっちこっちに飛びます。

「24時間働けますか!?」みたいに駆けずり回るんですよ。

日頃"魔女"だの何だの言われてるラヴェルナとは思えないような本音もチラホラ。


普段のリウイは魔術師の自覚が強いのかラヴェルナとは師弟の関係をとろうとします。

でも今回ばかりはリウイも譲れないものがあったので敢えて王子としての立場をとりました。

ラヴェルナも心得たもので瞬時に立場が逆転して主君の関係になってしまうのが妙に面白い。

しかもリウイがここまで本気になったのもミレルが怪我をしたせいなんですよね。


それからラヴェルナはオーファン・ラムリアーズをポンポン飛び交います。

瞬間移動をこんなにも多用するシーンはそうありませんよ、ドラゴンボールぐらいでしょう(笑)

しかも出てくるキャラもリジャール・フレアホーン・ロウラスなどの大物ばかりです。

カーウェス爺さんがラヴェルナを宮廷魔術師に推したのも無理ない。

若い頃のカーウェス爺さんもこんな風に忙しい日々を送っていたんだろうか。


ロウラスといえば大陸でも2人しか居ない超英雄キャラの1人ですよね(ルーファスはもういないし)。

"大賢者にして至高の魔術師"と言われたマナ・ライ、精霊使いらしい"大ドルイド"ロウラス。

ロウラスはワールドガイドでは82歳となっているのでそれなりの老人なんでしょうね。


私のイメージでは腰の曲がった老人というよりも髭の立派な背筋正しい爺さんという感じです。

別に髭が生えているとは書かれていませんけどね。

具体的には昨今映画化された「指輪物語」のガンダルフみたいな感じが近いと思う。

ドルイドの語源は"樫の木の賢者"らしいし、それっぽいかなと。


ケニーはリウイがザインを救おうとしているのを聞いてケニーは「無茶をするのは若さの特権だね」と言います。

そういうケニーも若い頃に敵を自分諸共に黒焦げにしてますよね。

あれは無茶というよりも特攻ですが、そんな滅茶苦茶な辺りがリウイに似ているかもしれない。

まぁロードスにはいい年こいて無茶する傭兵王がいるんですけど(苦笑)


★3・4

ラヴェルナが過労死しそうな勢いで働いている一方、

リウイ達の方はなんと生きるか死ぬかの賭けに勝ち、ロマールへ対抗する目処が立ちました。

これがまた反則技というか、4択問題なのに5つ目の答えを出したような感じでした(笑)


作戦は簡単、皆揃ってゼヌウスに投降したのです。

ゼヌウスは権力に執着する男です、そしてそれ以上に命が大事な男です。

だからこそリウイたちを処刑せずにそれらの軍勢も合わせてロマール遠征軍と戦う事にしたのです。

滅ぼされたら元も子もありませんからね、現王派の騎士達も本意でしょう


ゼヌウスは遠征軍の将軍(ネクタールが殺った奴)の代償として退位しました。

そしてヴィミー伯爵の連れていた先王の遺児を次の王として立ててゼヌウスは大公となったのです。

王位は失ったけど命は助かり、ある程度の地位も約束された。

ゼヌウスのような男にとってはむしろ好ましい状態かもしれませんね、責任も無いし(苦笑)


それにしてもリウイって本当にミラクルを起こす男ですよね。

崖っぷちの状態に追い込まれれば追い込まれるほどとんでもない事を仕出かします。

リウイ1人の功績と言うわけではないんですが、リウイがいなくても出来なかったと思いますよ。

私はこういう逆転シーンが昔から好きですよ。


ラヴェルナは単身ロマールの陣地へ飛んで交渉をしようとするんですが、新しい将軍に斬られてしまうんですよね(軽傷)。

挿絵にも書かれていますがヒヤリとしましたよ。

9レベルなら即死はないと思いますけど斬られたらやっぱり痛いだろうし。


その後のリウイの怒りっぷりを見ていると身内は絶対に大切にする男だという事を再確認出来ます。

ラヴェルナ「心の中でこう思っていた、魔女と呼ばれ続けるのも大変な事だと

なんてラヴェルナの気丈さと微妙な茶目っ気も出ていて印象深いセリフです。

ラヴェルナのクールな辺りは完全な素ではなく、ある程度は演技も入っているんですね。


こうして話し合いは決裂し、戦うしかなくなるのです。

戦力で言えばザインだってロマールには決して負けていません。

戦には犠牲はつきものですが、出来るだけ少なくしたいというのが本音でしょう。

そこでリウイはまたも大それた事を仕出かします。


第九章 騒乱の終焉

★1〜3

伸るか反るかの湖岸の国最後の戦いです。

ふとしたきっかけで巻き込まれ、国の存亡に関わってしまった我らが魔法戦士リウイ。

本当にマイリーの寵愛を受けているのかもしれない、邪神かもしれないけど(笑)


そんなリウイが最後の語り手です、主役はトリと決まっていますからね。

リウイは遠征軍の将軍と一騎打ちに持ち込んで戦を終わらせるつもりです。

兵を戦わせずに一気に勝負を決められればですし、犠牲も少ないし。

反則でも裏技でも勝てば官軍、美味けりゃ王道です(笑)


将軍を倒すまではいいけど、そのままでは生きて帰って来れませんよね。

将軍2人分の命ゼヌウスの退位+αに釣り合えばいいんですよね。

そこでリウイは自分が人質になってオーファンが身代金を出す事で+αにしてしまうんですよ。

リウイ「投降しよう。オーファンには身代金(以下略)」に最後の最後で笑っちゃいました。


そういえば身代金について気になる話を聞いたんですがね、なんでも騎士の戦とは身代金の出し合いだったそうです。

日本の武士と違って騎士というのはそこまで殺し合う訳ではなく、なるべく生け捕りにして身代金を出させる方が多かったらしい。

その通りだとしたら騎士にとっての戦というのは出世の為のボーナスステージですよね。


確かに無駄に殺すよりも利口と言えば利口ですね。事実かどうかはよく分かりませんけど。

でもフォーセリアではそんな雰囲気ではありませんよね、常に生きるか死ぬか。

実際の戦場では生け捕りの余裕なんてないと考える方が自然だと思うんですがね。

お互いに気が立ってるし、降伏している相手を手にかけるケースだって多いでしょうね。


この章の見所はなんといってもリウイ&クリシュが空を飛ぶ辺りですよ。

『蘇った伝説の邪竜と英雄王の息子』なんて吟遊詩人が食いつきそうなものです。

それが驚き慌てる軍勢の上を滑空しつつブレスを吐き、尚且つ将軍を一刀の下に斬り殺すんです。

正直夢中になったものですよ、カッコイイし。


リウイはクリシュに乗る事は遠慮したのでちょっとみっともない形になりましたけどね。

やはり竜を馬のように操るには一般技能:ドラゴンテイマー技能が必要なんだろうか。

かの有名なハイランドの竜騎士は皆この技能を持ってると思いますよ。


例えばマイセンやジェスター、ナシェル、レドリック、シーリスとかです。

一般技能なので経験点で成長せず、竜に乗っての戦闘経験でレベルが上がっていくのです。

もしリウイもこの技能を身に付けつつあるのなら、戦うほどにレベルが上がっていく筈


リウイは勢いで敵の将軍を殺し、身代金の受け渡しで無事解放されました。

湖岸の国を舞台にしたリウイたちの戦いは大波乱の内に終わったのです。

今回はリウイ・パーティーが皆目立ってくれたので嬉しい限りです。かなり好きなんですよ、この話は。


恒例の後日談も幾つかあります。

先王派のヴィニー伯爵はまた宰相になって幼い王を助けていくらしい。

モラーナ派なんですが、これがとにかく大事件なんですよ。なんとオーファンの領土にモラーナが復興したのです!

王は以前話題にされたオーファンの第二王子カシアスです。宰相は勿論カッセル子爵です。


ちなみに政体としては王国でなく公国という事になりました。

王国は国王が統治するのですが、公国は貴族が統治するのです。

どちらも君主制といい、君主の居ない政体である共和制の対義語のようなものです。


例えばロードスのマーモ公国なんて分かりやすい例ですね。スパークは公爵位を持ち公王と呼ばれますが国王ではない。

この場合の公爵位(公王)というのはカシューという国王の認めた身分という大前提あればこそですね。

公国は王国の下に位置し、公王とは国王の下に位置して国を治めるものです。


でも公国とはいえ一応は国ですし、もうオーファンが大陸で最も新しい国家ではないのかもしれませんね。

とにかく新しいワールドガイドが出たときの解説が楽しみです。

オーファンの領土のどの辺に公国が誕生したのかよく分かりません。


結果的にクリシュの存在が2つの国を滅ぼし、4つの国を興したことになりますね。

モラーナの復活を考慮すると滅びたのはファン1国、オーファン・ファンドリア・ザインの3国が新たに興ったようなものですかね。


とにかく、リウイ達は予想以上に大きな事を仕出かしたのです。

彼らはまた「自由人の街道」を東へ進みます、次の舞台は砂塵の国エレミアですね。

リウイ達はまたも大きな事件に巻き込まれますが見返りも大きかった、いよいよあの娘の復活です!




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